小雪さん季節連載【美しく食べることは、美しく暮らすこと ― 食でつながる人と世界】Vol.2 初夏「大切な人に伝えたい、シンプルな味覚がもたらす幸福」
自然と向き合う生活から、食の原点=「素材」に深い思いを抱く小雪さん。今回は、プライベートでもお気に入りの一軒、「ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン」に来訪。エグゼクティブシェフのルカ・ファンティン氏が供する自然の滋味と美しさが調和した料理の世界に触れながら、旬の食材をシンプルに味わうことの幸福と、それを大切な人に伝えることの意味について語り合っていただきました。
「訪れるたびに感じるのは、食への誠実な思い。だから、ひと皿ひと皿の美しさと滋味に感嘆し、また、共感を覚えるのです」小雪さん
「季節の食材を生かした料理が自然との付き合い方や生きる姿勢を教えてくれる」
小雪さん(以下、小雪):自然豊かな北国に暮らして、いちばん変わったのは食生活。自分たちで野菜を育てたり、味噌やしょうゆを手づくりしたり。自給自足に近い生活のなかで、子供たちにも素材本来の味を覚えてほしいと思っています。
ルカ・ファンティンさん(以下、ルカ):子供が育つ環境は大切ですよね。私自身にも子供がいますし、もともとイタリアは季節感を大切にする食文化です。その影響もあって、レストランでも日本の新鮮な、旬の食材を使った料理をテーブルに届けたいと思っています。
小雪:レストランの料理も、家族を思ってつくる家庭の食事の延長線上にあるんですね。だから、ルカの料理を食べると元気になるのかな(笑)。
「季節は、大切なインスピレーション源。旬の食材にどうアプローチするかをいつも考えています」ルカ・ファンティンさん
ルカ:旬の食材を食べることは、自然の法則。ですから食材の背景を知りたくて、その土地に行って農家の人と話したり、山菜採りに同行したりもしています。食材を通した信頼関係は、食べる人を幸福にする料理をつくるうえで欠かせません。
小雪:私も農家の人たちと話す機会が多いのですが、自然と食と人をつなぐ絆のようなものを感じます。また、自然と対話しながら畑をつくり、野菜を育てていることが、親が子供を思うことに似ていることに感動するし、共感します。
ルカ:コミュニケーションをとることで新たな発見があるし、素材への思いが深くなりますね。本来の味わいをシンプルに生かしながら、調理の仕方による風味や食感の違いを、お客様にも楽しんでいただけるようにと考えています。
小雪:先ほどレストランでの食事が家庭での食事の延長線上にあると言いましたが、まさにそのとおり。親が外で経験した「おいしさ」を、家で子供に伝えることが、本質的な食育なのでしょうね。
ボードには日本各地から取り寄せた旬の食材を主役にしたコースメニューが書かれている。
「ルカの料理には日本の食材へのリスペクトを感じる」と語る小雪さん。
季節の情趣と美味がひと皿に集約!「ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン」で出合う麗しき旬の味わい
「ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン」でいただく料理は、美しいビジュアルはもちろん、旬の食材をシンプルに生かしながらも、調理方法やトッピングやソースに工夫がなされ、新しい発見や感動に満ちているのが魅力です。その真髄が光る3品をご紹介しましょう。
1.「ホタルイカとイカ墨パスタ」
リストランテのメニューは、素材名のみ表記。ゲストの想像力をかき立てる。イカ墨を練り込んだモノグラーノフェリチェッティパスタ。旬の富山産ホタルイカのソフトボイルと春の菜の花のボイルをトッピング。お皿の底にも菜の花ピューレを忍ばせた意外性も楽しい。
2.「海老ホワイトアスパラガス」
シンプルに味付けした海老とホワイトアスパラガスにキャビアを添えたひと皿。アスパラガスの奥深い味わいを堪能できる。
3.「グリーンアスパラガス蛤 山菜」
1年熟成のカルナローリ米を使用したリゾットは、天然の蛤のピューレと山菜のピューレで炊き上げ、シャンパンソースで仕上げている。薄くカットしたグリーンアスパラガスのカルパッチョを表面に、その下に蛤のボイルを配している。食感の変化も楽しいひと皿。
『Precious』読者のためにシェフが特別に提案!旬の野菜を麗しくいただく2品をレシピと共に
季節の野菜のエナジーで命を育む食のあり方は、大切な家族と囲む食卓への思いにも通じるもの。そこで、今回の企画に合わせて提案していただいた、家庭向けの2品のレシピを特別公開します!
1.「季節の野菜サラダ」生・ゆで・揚げ・グリル・マリネ…異なる調理方法で野菜の多彩な味を満喫
<材料>
オーガニックの季節野菜のセット
ドレッシング:ホワイトビネガー、塩、オリーブオイル、クルミ
<調理法>
葉物やハーブ類は生で、ナス・ズッキーニ・玉ねぎ・パプリカなど柔らかな野菜はグリルや揚げ焼き、ブロッコリーやソラマメなど緑の野菜はボイルがおすすめ。
<ポイント>
ややもすると単調になるサラダもさまざまな調理法を加えることで、違う食感、味わいを引き出せる。また、色とりどりの季節野菜、ハーブやエディブルフラワーをあしらうと見た目も美しいひと皿に。ドレッシングに使ったクルミは、好みのナッツを使っても。
2.「冷製トマトパスタ」爽やかなビジュアルと奥深い味わいフレッシュなトマトで心も体も元気に
<材料>
ソース:フレッシュトマト〈日本産スイートトマトがおすすめ〉、トマトピューレ、塩/適量
トッピング:バジル、スイートトマト
パスタ オリーブオイル
<調理法>
スイートトマト、トマトピューレ、塩適量を合わせて火にかけて煮込む。半量になるまで煮詰めたらボールに移して氷水につけて冷やす。袋の表示どおりにゆでたパスタを入れて混ぜる。お皿に盛り付けたらカットしたスイートトマトとバジルを飾り、上からオリーブオイルを。
<ポイント>
ソースを煮込む際、好みでニンニクのスライスを加えてもよい。ただし、最後に取り除く。
<今回の舞台は…>BVLGAR IL RISTORANTE-LUCA FANTIN (ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン)
開放感溢れる吹き抜けの空間で、素材の奥深い味と香りを美しいビジュアルと共に満喫できるイタリアン。
【店舗情報】
TEL:03-6362-1270(予約専用11:00~17:00)
URL:https://www.bulgarihotels.com/ja_JP/tokyo-osaka-restaurants/tokyo/il-ristorante
住所:東京都中央区銀座2-7-12ブルガリ銀座タワー9F
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- PHOTO :
- 熊澤 透、sono(mame)
- STYLIST :
- 押田比呂美
- HAIR MAKE :
- 三澤公幸(Perle)
- MODEL :
- 小雪
- EDIT&WRITING :
- 岡本治子