19世紀に生まれたフレンチラグジュアリーの真髄をジュエリーで表現
2024年の「ルイ・ヴィトン」ハイジュエリーコレクションのテーマは「アウェイクンド ハンズ アウェイクンド マインズ」。13テーマ220点ものジュエリーが揃い、過去最大規模。比類のないデザインが緻密で精巧なフランスのサヴォアフェール(匠の技)によって具現化され、一点一点にフランスのラグジュアリーが凝縮されています。
職人の「手」によるフランスのサヴォアフェールが花開いたのは19世紀のこと。1837年、16歳のルイ・ヴィトンが到着した頃のパリはまさにその渦中にあり、彼はやがて独自のトランク製造方法を開発し成功への道を歩み始めます。コレクションの前半には、そんなルイ・ヴィトンのヴィジョンをはじめ、19世紀前半の「アウェイクンド ハンズ」のストーリーが、数々のレアストーンの輝きで彩られ、紡がれています。
19世紀後半、激動の時代を迎えたパリでは知的活動が活発になり「アウェイクンド マインズ」の物語が始まります。1854年、ルイ・ヴィトンもアルチザン兼デザイナーとして初めてロゴを作成し、登録。こうしてルイ・ヴィトンは「アウェイクンド ハンズ」と「アウェイクンド マインズ」の架け橋となります。
コレクション後半の「アウェイクンド マインズ」では、こうした熟練の技と自由な思考や探究の結び付きを背景に、様式や幾何学の美しさをジュエリーに反映しています。
夢の世界へと誘ってくれる、アートピースさながらの魅惑的なジュエリー
■1:ストーリーを完結に導くマスターピース『クール ドゥ パリ』
![ダイヤモンド_1,ネックレス_1](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/c/8/720mw/img_c8ff2542af4375c599225036a8b17ac8662141.jpg)
「アウェイクンド ハンズ アウェイクンド マインズ」は、1989年のパリ万国博覧会で公開されたエッフェル塔で完結します。フランスの技術力の粋を集めて建設された塔は、思考の中心でもあるのです。
![ネックレス_2](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/4/2/720mw/img_4225bb7687e52b8bc768e8477e486f10825273.jpg)
そこで、ウォッチ&ファインジュエリーのアーティスティック・ディレクター、フランチェスカ・アムフィテアトロフは、まさに世界の中心である塔の真下に立ち、そこから見上げたイメージをデザインしました。
メダリオンのようにセットされたセンターピースは56.23カラットのダイヤモンドで、オレンジとブラウンのトーンをまとった鮮烈なピンク。本コレクションで最も希少なマスターストーンです。
![ダイヤモンド_2](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/a/d/720mw/img_ad5c15e31583fe228a89e604bf60c354938841.jpg)
センターストーンは、5.73カラットの“LV モノグラムスターカットダイヤモンド”との組み合わせで、26個の“LV モノグラムスターカットダイヤモンド”を連ねた、華やかでエレガントなネックレスの中心を飾ります。センターのストーンは取り外してブローチとして着用することも可能です。
アムフィテアトロフは「アウェイクンド ハンズ アウェイクンド マインズ」のストーリーは現在の「ルイ・ヴィトン」のあり方に近いものだと語っています。職人技とエンジニアリング、唯一無二の意匠が、美しくも緻密に融合する世界。そこには、フレンチラグジュアリーとアール・ド・ヴィーヴル、そして何よりもメゾンの真髄が秘められています。
■2:衣装に用いられていたエレメントを輝きで描き出す『セデュクション』
![ダイヤモンド_3,ネックレス_3](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/c/1/720mw/img_c1e37ab8b058014a1c37df92b319ce6c969824.jpg)
19世紀当時流行したブロケードやジャカード、タッセル細工などからインスピレーションを得たモチーフに、メゾンのキーコードを組み合わせたネックレス。V字型のディテールやコードはトランクを吊り上げるために使われた歴史的なロープを、ダイヤモンドパターンは“モノグラム・カイトモチーフ”を思わせます。鮮やかなグリーンエメラルドが引き立ててなお、目を奪うディテールが秀逸。
■3:時代の躍動感と新たなスピード感を体現した『パーセプション』
![ダイヤモンド_4,ネックレス_4](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/5/9/720mw/img_59c61d9c62e1c6c00e6c91304067d211771443.jpg)
反復する幾何学模様で当時の機械化を表現したデザイン。ダイヤモンドのネックレスを重ねたようなハイカラーで、サイズと向きに変化をつけながら、目の錯覚も利用して、V字を描き出しています。縦に並ぶ2つのサファイアの下にさらに“LV モノグラムスターカットダイヤモンド”をあしらい、V字との絶妙なコントラストを演出。
■4:ダイヤモンドと花のモチーフが幾何学的な美しさを織りなす『フレカンス』
![ダイヤモンド_5,ネックレス_5](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/4/3/720mw/img_4399a2ffd6c543b695c962b7ef5bd02a647184.jpg)
加速する近代化のスピードと急速な工業化をイメージしたデザイン。アイコニックな“カイト・モチーフ”を再解釈し、曲線を生かした反復パターンとダイヤモンドの煌めきで強調しています。繊細な花のテーマをアクセントに用いて、無機質と有機的な美の絶妙な調和を表現。
■5:トランクの象徴的なディテールを優美にアレンジした『ヴィジョン』
![ダイヤモンド_6,ネックレス_6](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/d/f/720mw/img_df3691844b4128daeba8ee64024afbb9957135.jpg)
パリでは、機関車の発明により旅が新たな時代を迎えました。鉄道がもたらす自由と発見を後押ししたのが「ルイ・ヴィトン」の卓越したトランク製造技術です。トランクに使用された金属製のビスをモチーフにして完璧につなぎ合わせ、しなやかさを叶えています。プラチナ、イエローゴールド、イエローサファイアの組み合わせが視線を惹きつける鮮やかなコントラストを描いて。
■6:逆さまのエッフェル塔をジュエリーに昇華させた『ヴィクトワール』
![ダイヤモンド_7,ネックレス_7](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/0/7/720mw/img_07ed38bd13e23fdab97ee096c42afc69731194.jpg)
パリのスカイラインを永遠に変えたエッフェル塔をモチーフに大胆に再構成したネックレス。立体的な箱を連ねて表現された逆さまのシルエットに、宝石で飾られたアーチをセットし、ヘッドにはメゾンのハイジュエリー コレクション史上最大の15.16カラットの“LV モノグラムフラワーカットダイヤモンド”があしらわれています。この部分は取り外してリングとしても着用可能。
以上、「ルイ・ヴィトン」の2024ハイジュエリーコレクションをご紹介しました。希少なストーンを最も美しい輝きを放つカットやセッティングで惜しみなく用いて、えもいわれぬ夢の世界を描くジュエリーの数々。背景に存在する、長い歴史を経て培われてきた技術と類まれな美学の存在にも思いを馳せながら眺めると、また別の楽しみ方ができそうです。
問い合わせ先
関連記事
- 『Precious』2024年8月号|ファッション大特集は【雄弁な煌めきをもっと楽しむ!その先の「ジュエリースタイル」へ】
- ヴァン クリーフ&アーペルによる『ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペル』が今秋、日本上陸!
- 【ブシュロン】ハイジュエリーコレクション『OR BLEU(オル ブルー)』がもたらす別格の高揚感!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 髙橋真理子
- EDIT :
- 谷 花生