かつて小学校で使っていたさまざまな用具、覚えていますか? 教室に設置された黒板や机・椅子、校庭で使ったグラウンドの白線引き、理科の実験用具…、卒業した今となっては、なかなかお目にかかれないものですが、いろんな学校用具がありましたよね。

そこで今回は、学生時代の思い出も同時に蘇る「学校用具」について、株式会社 内田洋行・学びのコンテンツ&プロダクト企画部の前田君彦さんに伺いました。

そこで判明したのが、実は学校用具の世界もここ十数年で様変わりしてきたという事実です。昔から存在する学校用具のほか、学校用具の最新事情もお伝えします!

あの学校用具、ズバリおいくら?

小学生の生徒用机は、¥10,000~30,000、椅子は¥8,000~16,000

誰もが一度は使ったことがある定番の机と椅子。レトロな雰囲気があるせいか、古道具屋で見かけることも

「上記の値段は目安ですが、机と椅子、いずれも天板の材質によって異なります。生徒の身長に合わせてサイズがあり、身長90cmの生徒に向けた0号から身長180cm向けの6号まで、日本工業規格(JIS)で定められています。使用していくうちに天板に傷がついてくるので、一般社団法人日本オフィス家具協会(JOIFA)では、標準使用期間を8年と定めており、定期的に買い替えを推奨しています」と前田さん。

最近では、学校の所在地域の木材を使用して生徒自身が自分で机を組み立て、卒業時に天板を持ち帰ることができるプロジェクトもあるそうです。「消耗品から大切な思い出となる道具へ変える」、新しい試みと言えるでしょう。

理科で使用する人体解剖模型はおよそ¥100,000~¥200,000。
エプロンのように装着できる「内臓の大きさ体感モデル」も人気!

男性モデル、女性モデル、両性モデルが存在します

「頭も手足もない胴体だけのトルソー型が一般的ですが、手足つきの全身解剖模型もあります」(前田さん)

また、最近では人体解剖模型とともに、エプロン型の「内臓の大きさ体感モデル」も人気だそう。初めて名前を耳にするという方も多いのはないでしょうか?

「内臓の大きさ体感モデル」
「内臓の大きさ体感モデル」を身につけて、腸を引っ張りだしてみると、あまりの長さに驚くはず!

「エプロンの中に内臓が収納されているので、首からかけると臓器の位置がピッタリ当てはまり、まるで自分の身体から腸をひっぱるような体験ができます。子供たちが具体的に体感することで、実感を伴った理解を得ることができるんです」(前田さん)

ちなみに、こちらのお値段は¥10,000~¥30,000くらいとのこと。

跳び箱の「踏切板」は固定式で¥15,000~22,000、スプリング式が¥40,000~70,000

こちらの踏切板は「スプリング式」。一般的には「ロイター板」と呼ばれる

体育の跳び箱の実技に欠かせない踏切板には「スプリング式」と「固定式」の2種類があります。「スプリング式」は開発者のリチャード・ロイターの名前に由来しており、一般的には「ロイター板」と呼ばれているそう。授業中にこの呼び名を聞いたことがある方も多いのでは?

「固定式は小学校低学年、ロイター板は小学校中学年~高校での使用が一般的なため、販売数はロイター板の方が多いです」(前田さん)

ちなみに、跳び箱本体は4段~8段で¥60,000~¥160,000。破損の際は修理をして使用すれば、およそ10~15年は使用できるそうです。

先生だけが使用する「大きな三角定規」は¥7,000~8,600

先生だけが持っている大きな三角定規、懐かしいですね。先生のいない隙に三角定規で喧嘩をはじめるやんちゃな生徒もいたのでは? 

「生徒用の小さな三角定規と区別するために、『大三角定規』『大型三角定規』という名称で呼んでいます。昔は、加工のしやすさから木製の大三角定規が主流でしたが、合成樹脂の加工技術の向上により素材のバリエーションが増えました。透明アクリル樹脂性は、定規の下に隠れていたはずの線が見え、位置取りがしやすいです。また、特殊発砲樹脂製は軽くて丈夫、かつやわらかいので曲面の黒板にフィットするなど、今はそれぞれの特徴があります」(前田さん)

「水たまグラス」は「プレパラート」に取って代わった?進化を遂げている学校用具

ここまでは、Precious読者の方にも馴染みのある学校用具に触れてきましたが、デジタル・ラーニングが普及している2018年ならではのモノもありました。

前田さんが紹介してくれたのが、プレパラートに替わる新しい器具として販売されている「水たまグラス」。

スポイトから垂らした水たまに潜んでいる微生物の自然な行動を観察することができる「水たまグラス」

特殊な撥水加工をしたガラスの上にスポイトで水を垂らすことで、水滴が球体となり、ミジンコなどの微生物が動く様子を観察できるそう。こちらはお値段¥8,000前後(4種各10枚組)。

これだけで驚くなかれ。「デジタル生物顕微鏡」という器具もあるそう(¥100,000前後)。なんと、顕微鏡として「拡大する機能」を持ちながら、PCにデータを取り込み、画像や映像の編集・加工ができるそうです。

「デジタル生物顕微鏡」なら教室の大画面で観察の様子を共有できる

「最近では生徒がグループでデジタル顕微鏡を使用し、それぞれの映像を共有しながら実験を進めている学校もあります。また、電子黒板とデジタル顕微鏡とを組み合わせることで、ライブ映像が無線LANを経由して大画面の電子黒板に映し出され、そこに書き込みをしながら授業ができたり、4分割した画面でほかの微生物と比較したりすることもできます。これまでにない理科観察が行え、わかりやすい授業を演出できます」(前田さん)

前田さんによれば、このように生徒が能動的に学べる「アクティブ・ラーニング」は、動きや変化をそのまま体感できるので、知的好奇心や考える力を育み、学習意欲をかきたてる効果も期待できるそうです。

電子黒板ならチョークで手が汚れず、図を描く手間も省ける

知らなかった学校用具の値段、一つひとつ調べてみると面白いものですね。デジタル技術が進むにつれ、新しい学校用具もたくさん生まれているのです!

今どきの子供たちがどんな授業を受けているか、興味を持たれた方もいるのでは? ぜひお子さまや甥っ子・姪っ子と会話してみてはいかがでしょうか。

株式会社 内田洋行
1910年創業。企業・官公庁、自治体、教育機関向けのICTシステム開発、学校・オフィスの環境デザインや働き方変革コンサルティング、企業向け基幹システムやネットワーク構築など多岐にわたる事業を手がける。

問い合わせ先

  • 内田洋行 TEL:0120-077-266(内田洋行お客様相談センター)
  • 受付時間/9:00~17:00(土・日・祝日を除く)
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
PHOTO :
株式会社 内田洋行
WRITING :
長祖久美子
EDIT :
青山 梓(東京通信社)
TAGS: