「狼狽」ってなんと読む?オオカミと、もうひとつはなんの字?
明日・8月14日と言えば日本ではお盆休みの時期ですが、国際的には、米国の作家アーネスト・トンプソン・シートンの生誕日としても有名です。自然保護活動の先駆者であったシートンの実体験や見聞に基づいた作品群は、日本では『シートン動物記』の名称で長く親しまれております。狼が一夫一婦制であることを世に印象付けた『狼王ロボ』など、幼いころに読破された方も多いのでは? ということで本日は「狼」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「狼狽」ってなんと読む?
次の例文の文脈に添って「狼狽」という日本語の正しい読み方をお答えください。
<例文>
「事態を聞きつけた叔父は、ひどく狼狽していました」
ヒント:「不意の出来事などに慌てふためくこと」という意味です。
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 狼狽(ろうばい) です。
「狼狽(ろうばい)」の語源には諸説ありますが、長年有力視されてきたのが、中国の古文書に掲載されている「前脚が長く、うしろ脚が短い『狼』に、前脚が短くうしろ脚が長い『狽(狼に似た動物)』が乗って常に一緒に行動するが、離れると倒れて動けなくなり、慌てふためくことから」という一説でした。ですが昨今では「狼」の字に「乱れる」、「狽」の字に「よろける」という意味があることが前提の擬態語である…という説も支持されています。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「狼狽える」ってなんと読む?
「狼狽える」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「狼狽する」「うろうろと歩く」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「狼狽えているばかりでは、いつまでも解決しないわ。冷静に打開策を検討しましょう」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 狼狽(うろた)える です。
1問目の解答は「ろうばい」でしたが、同じ表記で、「狼狽(うろた)える」の名詞形「狼狽(うろたえ)」という読み方もございます。
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本日は、明日8月14日、米国の作家シートンの生誕日にちなんで、「狼」という字の入った日本語から、
・狼狽(ろうばい/うろたえ)
・狼狽(うろた)える
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/『20世紀西洋人名辞典』(日外アソシエーツ)/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱