一度着たら手放せないと話題！極上の心地よさにとことんこだわり抜いたルームウエア「キット」の秘密とは？

日本各地で育まれてきた高度なものづくりの技術と、若き匠たちの美意識や情熱が結びついた「新時代のジャパンラグジュアリー」を体現する逸品を、ギフトという形で提案しているスタイリストの河井真奈さん。

今回ご紹介いただくのは、和歌山の丸編み製造メーカー「大営メリヤス」が立ち上げたオリジナルブランド「キット（kitt）」です。「大営メリヤス」は50年以上にわたり高級メゾンに編み地を提供している老舗。オリジナルの部品で作成した特殊な編み機を使用し丁寧に編み立てたスウェットはふわふわもちもち極上の肌触りで、“最高の普段着”だと河井さんは話します。

昨秋、展示会で袖を通した瞬間、河井さんが惚れ込んだ質感は一体どのようにして生まれたのか？シンプルなスウェットアイテムに込められたこだわりについて、河井さんからお話をうかがいました。

河井真奈さん

スタイリスト

（かわいまな）女性誌、CM、ドラマのスタイリング、トークショー、商品開発アドバイザーなど幅広く活躍。2016年、ギフトに特化したWEBサイト「futo」をローンチし、2019年6月に南青山にショップをオープン。2023年5月代官山に移転。著書に『絶対美人アイテム100』（文藝春秋）、『服を整理すれば、部屋の８割は片付く』（立東舎）。https://futo.jp/

定番に見えて実は…!? 着れば虜になる“最高の普段着”との出会い

「私が『キット』に出合ったのは、昨年秋のとある展示会。作り手のこだわりが詰まった逸品が集まる会場で、ひときわ注目を浴びていたのが『キット』のスウェットだったのです。一見するとファストファッションの定番商品のようなアイテムに人だかりができているのを見て、『一体これは何？』と興味を惹かれました。

実際に商品に触ってみて、その疑問は一気に解消。まず何より、ふんわりもちもちの肌触りが異次元レベル！そして袖を通すと、その軽さや伸縮性にも驚きました。着ていて全くストレスがなく、むしろずっと着ていたいくらいの心地よさです」（河井さん）

「キット」のカーディガン、プルオーバー、ダブルジップパーカー。

「プロデューサーの有田安弘さんにお話をうかがったところ、『キット』は“最高の普通”を目指しているとのこと。そのコンセプトに違わない“最高の普段着”にすっかり虜になってしまいました。

すぐにでも『futo』に入荷したかったのですが、その時点では買い手が多すぎて生産が追い付いていないとのことで、まとまった量の注文ができず…。1年間待ちに待って、このたびようやく『futo』にお迎えすることができました。ちなみに、私自身もこの1年ほどプルオーバー、パーカ、パンツを愛用しています。普段使いのアイテムとして自宅でざぶざぶ洗濯していますが、ほぼ風合いに変わりはありません」（河井さん）

脱ぎたくない心地よさ！三つ巴の技術の結集で「最高の普段着」が実現

河井さんが“思わず頬ずりしたくなる”と絶賛する「キット」の心地よさの秘密は、細部までこだわり抜いた製法にあるとのこと。

「プロデューサーの有田さんは、20年近くアパレルの販売やバイヤーを経験された方。その知見を生かして、いまだかつてない最高の日常着を作りたいと全国の工場を探し歩いた末、タッグを組んだのが和歌山の『大営メリヤス』です」（河井さん）

世界に一台しかない編み機でふんわりもちもちの生地を編み上げる。

「『大営メリヤス』では、ヴィンテージのパーツを改造したオリジナルの特殊な編み機を使用。ほかのスウェットでは味わえないふんわり＆もちもちの柔らかさは、特別仕様の編み機で空気を含みながら全体をゆったりとゆるく編んでいるからこそでしょう。糸はスペイン産の希少な超長綿を採用。通常の糸よりも繊維が長く、柔らかでしなやか。かつ型崩れしにくいのが持ち味です」（河井さん）

繊細な糸を丁寧に扱う。

「肌に直接触れる裏生地の起毛感も唯一無二。実は、そのためだけにわざわざ京都の職人さんに依頼しているのだそうです。裏生地の先端だけを掻く作業は繊細で、均一に美しく仕上げるのは至難の業。この工程を任せる職人さんを探すのにも大変苦労したといいます。その甲斐あって、優しさに包み込まれるような極上の肌触りが実現しているのです」（河井さん）