香り高く味わい深い、子どもにも大人にも好まれるココア。寒くなってくると温かいココアが飲みたくなりませんか? 今回は11月7日の「ココアの日」にちなみ、この時期の話題として盛り上がること間違いなしのココア雑学をお届けします。

【目次】

「ココア」も「チョコレート」も原材料は同じです。
「ココア」も「チョコレート」も原材料は同じです。

「ココアの日」とは?「意味」と「由来」】 

■「ココアの日」とは?誰が決めた?

11月7日を「ココアの日」としたのは森永製菓株式会社。ココアのおいしさをより多くの人に知ってもらうのを目的に、一般社団法人日本記念日協会に申請、2016(平成28)年に認定されています。

1919(大正8)年、日本で初めてカカオ豆からの一貫ライン製造による飲用ココアを発売したのが森永製菓でした。「ミルクココア」の名前でおなじみですね。

■なぜ11月7日?

ココアは体が温まる飲料として11月上旬から飲む機会が増え始めるから。冬の気配を感じ始める「立冬」の日を記念日としたのです。


【スーパーフード「ココア」の雑学】

ココアには「体が温まる」「気持ちが和らぐ」といったイメージがありますが、実際に効果はあるのでしょうか? 実はココアはイメージだけでなく、フィジカルにもメンタルにもよい影響があるとされるスーパーフード! 雑談に役立つ話題を一挙お届けします!

■ココアとは?

原材料はカカオ。カカオ豆(種子)を焙煎してすりつぶし、含まれている脂肪の一部(カカオバター)を取り除いてからパウダー状に粉砕したものを「ココア」と呼びます。そして、脂肪分を残したものがチョコレートの原料になります。

■ココアの歴史

アメリカ大陸が発見される以前からメキシコ先住民の間で用いられていたようです。16世紀初め、スペイン人のエルナン・コルテスによってメキシコが征服された際、ヨーロッパに紹介されました。1828年、オランダ人のバン・ホーテンがカカオ豆の脂肪分を減らし、水に溶けやすい粉末を発明。それを「ココア」という名称で販売したのが、私たちになじみのある一般的なココアの始まりです。

■栄養

原材料であるカカオといえば、ポリフェノールを連想する人もいるでしょう。動脈硬化や老化などさまざまな健康トラブルに関連していると考えられている活性酸素を、ポリフェノールが抑える作用があります。赤ワインや緑茶などにも多く含まれていますね。

また、ココアには腸の中をきれいに掃除してくれる食物繊維も豊富。ココアに含まれる食物繊維は総量の30%ともいわれ、この量は生野菜や果物よりはるかに多いのだとか。1杯のココアで、トマトジュースの2〜3倍もの食物繊維を摂ることができるのです。

■効能一覧

・便秘を解消:ココアに多く含まれるリグニンは食物繊維のひとつです。

・冷え症の改善:血行をよくして体を温める効果はショウガより優れているという研究結果も。

・動脈硬化を予防:ココアに多く含まれるポリフェノールには血管機能を高める働きがあります。

・貧血を予防:ココアはほかの飲料のように抽出液からつくるのではなく、カカオ豆そものもをすりつぶしてできるので、現代人に不足しがちだといわれるミネラル分、カルシウムやマグネシウム、鉄などが失われにくいのだとか。

・美肌効果&アンチエイジング:肌の老化などを促進させる活性酸素の働きを弱めます。

このほか、ココアの香りとポリフェノールには、ストレスを和らげる効果があるといわれているので、「リラックス効果」も期待できます。ココアやチョコレートの香り(カカオの香り)のフレグランスもあるんですよ。心身よい影響を与えるココアはまさにスーパーフードなのです。

■「純ココア」と「ミルクココア」の違い

100年以上前に森永製菓が発売したのは「ミルクココア」。ですが、お菓子づくりなどをする人には「純ココア」という名称もなじみがあるかもしれません。

混ぜものがない、カカオ100%のものを「純ココア(ピュアココア)」と言います。砂糖など甘味料を使用するお菓子などではこの「純ココア」を使うことが多いでしょう。「純ココア」はお湯や牛乳で溶かしただけでは甘くなく、甘味料が必要です。

一方の「ミルクココア」は純ココアに砂糖や脱脂粉乳などを加えたもので、「調整ココア」とも呼ばれます。お湯や牛乳で溶かせば飲める“手軽なココア”というわけです。

■世界のココアブランド

ココアの代名詞ともいえるオランダの「バンホーテン」以外にも、スイスの「ネスレ」、アメリカの「ハーシー」など、世界的に知られているブランドがあります。日本を代表するのは、「ココアはやっぱり~♪」のフレーズでもおなじみの森永製菓ですしょうか。

■カカオ豆は貨幣だった!

カカオ豆の学名は「テオブロマ・カカオ」。テオブロマとはギリシャ語で「神様の食べ物」という意味なのだとか。15世紀から16世紀初めに、メキシコ央部で栄えたメソアメリカ文明の国家・アステカでは、貨幣としても使われていたぐらい貴重なものでした。


【練るほどおいしくなるココアの飲み方】

練れば練るほどおいしくなるというココアの不思議。少量の温めた牛乳かお湯でペースト状になるまでよく練ってから熱い牛乳や熱湯に溶かすと、口当たりなめらかで、よりコク深く香り豊かなココア飲料になるのだとか。ココアに含まれているでんぷんが温めた牛乳(またはお湯)を加えてよく練ることで糊状になり、口当たりがなめらかになると共にコクが増すといわれています。

1杯で1日に必要とされるカルシウムが摂れる商品や、冷たい牛乳でもよく溶けるもの、甘さ控えめなハイビター商品など、「ミルクココア」はバリエーションも豊富です。

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寒くなるとココアが飲みたくなる――には、ちゃんとした理由があったのですね! 健康食品としてのココア、もっと注目してもよさそうです。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/『世界大百科事典』(平凡社)/ 『デジタル大辞泉』(小学館)/ 森永製菓HP https://www.morinaga.co.jp/cocoa/ :