「賢しら」ってなんと読む?「かしこしら」ではありませんよ!

明日、11月7日は『知恵の日』です。朝日新聞社が現代用語に関する辞典『知恵蔵』を発刊した日にちなんで制定された記念日です。現代用語を扱った事典はほかにも『現代用語の基礎知識』『イミダス』などがございますが、2024年現在は、紙で印刷した書籍ではなく、ネット上のデータベースに転化したケースも多くなっています。端末さえ持っていれば、わからないことをすぐにネット検索できる現代は、知識や知恵を蓄えるために大変便利な時代ですよね。ということで本日は「知恵」をキーワードにした日本語クイズをお送りします。

【問題1】「所以(○○ん)」ってなんと読む?

「所以」という日本語の読み方として正しくなるよう、「○○ん」の○に、それぞれ、かな1文字ずつ入れて完成させてください。

ヒント:「理由。わけ。いわれ」などの意味をもつ言葉です。

<使用例>

「この建物が、この地に移設された所以(○○ん)を知りたいわ」

○に入る、それぞれのかなは何でしょうか?
○に入る、それぞれのかなは何でしょうか?

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 所以(ゆえん) です。

見た事があるけれど読みかたがわからない…という方も多かったのでは?
見たことはあるけれど、読み方がわからない…という方も多かったのでは?

「所以」は、漢文を訓読するときの「以て(もって)~する所となる」という構成から来た言葉だという説が有力です。「そえ」という読み方もございますが、現代ではあまり使われないので、「ゆえん」で覚えておくのがよいでしょう。「原因、理由」を表す「所為(せい)」と混同されやすいですが、表記から違います。

また、「所以」と同じ読み方をする熟語に「由縁」がございますが、こちらは「ものごとの始まりや由来」を意味する言葉で、地名の起源や、ものごとの因縁などを意味するケースで使われます。一方、「所以」は、「縁」とは関係なく、シンプルに「理由。わけ」を指すケースでも使われます。知恵をはたらかせるときには、目の前の事象の「所以」を考えてみることが不可欠…ということで、1問目にしてみました。

さて2問目は、知恵といえば賢さ、ということで、「賢」という字の入ったクイズです。

【問題2】「賢しら」ってなんと読む?

「賢しら」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「利口ぶった態度」「差し出がましい口を利くこと」などの意味をもつ言葉です。

<使用例>

「賢しらにお節介を焼いたせいで、余計な仕事を押し付けられたわ」

「○○しら」。
「○○しら」。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 賢しら(さか-しら) です。

「賢」の表外読みに「賢しい(さか-しい)」がごさいます。

「賢しら」は、「賢い」というよりは「利口ぶった態度」で、ちょっと鼻につくような様子を言う言葉です。主に、そういう態度や人を揶揄する言葉ですが、例文のように、自身の行動を謙遜するケースでも使えます。

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本日は、11月7日『知恵の日』にちなんで、

・所以(ゆえん)

・賢しら(さか-しら)

読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。

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Precious.jp編集部 
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/新潟県ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
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小出 真朱