「依怙地」ってなんと読む?「いこち」ではありませんよ!
明日・12月30日は『地下鉄記念日』です。1997(昭和2)年のこの日、日本で初めての地下鉄が、東京の上野~浅草間2.2kmで開通したことに由来します。大変な話題となり、開通日の1日で10万人近くの人が乗車したのだとか。ということで、本日は「地」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「依怙地」ってなんと読む?
「依怙地」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「つならないことに頑固なこと。また、そのさま。片意地」という意味の言葉です。
<使用例>
「父は依怙地なところがあるから、習慣を変えさせるのは難しいと思うわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 依怙地(えこじ) です。
「依怙地(えこじ)」の「依怙(えこ)」は「一方だけをひいきにすること」「頼ること」「私利」などの意味があり、四字熟語「依怙贔屓(えこひいき)」にも使われています。「依怙地」は「えこじ」「いこじ」どちらの読みでも使われる言葉で、意味も「意固地(いこじ)」と同じです。現代では「意固地(いこじ)」という言葉のほうがよく知られていますが、「依怙地(えこじ)」も方言や言い間違いではありませんので、覚えておきましょう。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「地辷り」ってなんと読む?
「地辷り」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「傾斜地の地表が徐々に下方に移動する現象」「状況が大きく変化すること」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「リーマンショックのとき、地辷り的に事業を縮小することになりました」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 地辷り(じすべ-り) です。
「辷」の字は「辷(すべ)る」という訓読みしかもたない字…つまり、日本でつくられた漢字「国字」です。部首の「しんにょう」は、もともとはこの字のように点がふたつつく形でしたが、よりわかりやすくしようという日本政府の指針により、1981(昭和56)年の『常用漢字表』以降、これに掲載される漢字の「しんにょう」は、すべて点ひとつで表記することになりました。「辷」は常用漢字ではないものの、しんにょうの中に「一」と書いて「すべる」と読ませた先人たちのセンスがとてもおもしろいですね。
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本日は、12月30日『地下鉄記念日』にちなんで、「地」という字の入った日本語から、
・依怙地(えこじ/いこじ)
・地辷り(じすべ-り)
の読み方、言葉の背景などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』/日本記念日協会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱