「毎日何かしらの記念日なのでは?」と感じるほど、日本人は記念日好き! 意味や由来がなくても日付の語呂合わせで制定されることも多いのです。1月5日は…「いちご」と読めるので、フルーツの「いちごの日」なのでしょうか? 今回はビジネス雑談にも役立つ、旬の「いちご」の話題です。
【目次】
【1月5日は「いちごの日」?】
■フルーツのいちごの日はいつ?
「1(いち)月5(ご)日」と語呂合わせできる1月5日が「いちごの日」と考えるのはとてもストレートですが、実は「いちごの日」は1月15日。かつて存在していた全国いちご消費拡大協議会という団体が制定したようです。
現在ハウスでの促成栽培が95%以上を占めるいちごですが、気温が低いと甘みが増すため出荷のピークを迎えるのがこの時期。おいしさが安定してて語呂合わせもいい「1(いい)月15(いちご)日」を「いちごの日」としたといわれています。語呂合わせ的には「11(いい)月15(いちご)日」のほうがで適している気がしますが、11月ではおいしさという意味で時期尚早ということですね。
ちなみに1月15日は「小正月(こしょうがつ)」でもあります。1月7日までの松の内を忙しく働いた主婦をねぎらう意味で「女正月」と呼ぶ地方もあります。松の内は「大正月(おおしょうがつ)」といいます。
■1月5日も「いちごの日」だった!
実は1月5日も「いちごの日」と呼ばれることも。ただしこちらはフルーツのいちごではなく、15歳の少年少女の呼称「いちご世代」を指した記念日。多くのいちご世代にとって1月5日は受験を控えた大切な時期なため、彼らやその家族を応援する日として制定されたようです。受験生のやる気を喚起するために学習塾が…といわれていますが、制定者は不明です。
【ビジネス雑談に役立つ「いちご」の「雑学」】
甘酸っぱい味わいだけでなく、赤くツヤツヤしていて形もかわいらしいところも人気の秘密と思われるいちご。世界各国で食べられているフルーツですが、生食での消費量は日本が世界一といわれているのだそう。
ビジネス雑談やランチトークにも役立つ、いちごの雑学をお届けしましょう。
■世界のいちご品種の半分は日本発祥!
日本には約300品種ものいちごが栽培されていて、世界全体の品種の半分以上が日本のものだという説もあるようです。
■ご当地いちご人気NO.1は?
現在も日本各地で品種改良が重ねられ、個性的な新品種や、生産地を代表する“ご当地ブランド”が生み出されています。ご当地いちごで全国的によく知られているのは、福岡発の「あまおう」。品種名は「福岡S6号」といい、2020年に改正された種苗法による「海外持ち出し制限品種」に指定されています。ちなみに「あまおう」の名前の由来は「甘いいちごの王さま」ではなく「あかい、まるい、おおきい、うまい」の頭文字です。
■生産量第1位は?
いちごの生産量は、ご当地ブランド「とちおとめ」と「とちひめ」をもつ栃木県。続いて「あまおう」の福岡県、「ゆうべに」「ひのしずく」の熊本県が3位となっています。
「とちおとめ」は栃木県のほか、茨城県、埼玉県、千葉県でも栽培が盛ん。関東地方で「いちごはとちおとめ!」という印象が強いのもわかりますね。
■色も形も美しい新品種は?
近年でいちごの新品種の当たり年だったのが2014年。
佐賀県唐津市のみで生産される白いいちご「天使の実」は、ひと粒の重さが平均60グラムと超大玉。ほんのり甘く酸味が低いのが特徴です。赤いいちごと紅白の組み合わにして、お祝い事に使われるケースも多いようです。
さらに2014年には、栃木県で新品種「スカイベリー」が登録されました。円錐形で大粒、明るく鮮やかな赤色で強い光沢をもち、酸味が低く甘さが際立ったジューシーで上質な味わいです。
■いつから食べられている?
いちごが日本で食べられるようになったのは、江戸時代末期の1830年代といわれています。オランダ船によって持ち込まれたので、当時はオランダイチゴと呼ばれていたのだとか。その後、明治時代に農業が近代化されるとともに欧米からさまざまな種苗が導入されるようになり、1900年ごろには外国品種を使ったいちごの営利栽培が始まりました。
■いちごの栄養価と効果は?
いちごの栄養価として、ビタミンCが豊富なのは知られていますが、みかんやグレープフルーツ、レモンの約2倍もあるのだとか。美容だけでなく風邪予防にもよさそうです。ビタミンB群である葉酸が多く、ポリフェノールの一種であるアントシアニンも豊富。目の働きを高めたり、眼精疲労を予防したりする効果も期待できます。
■いちごのツブツブは種じゃない!?
いちごの表面にあるツブツブは種ではなく、実はあのひと粒ひと粒が果実。それぞれの粒の中に種が入っていて、ひと粒のいちごは200個から300個の果実が集まった「集合果」というのだそう。果実だと思って食べているジューシーな部分は茎の先端の花床(かしょう)が膨らんだ偽果(ぎか)なのです。
■どこから食べる?
いちごは先端部分から熟していくため、ヘタ付近より先端のほうが糖度が高い傾向に。まるごとパクっと食べるなら、ヘタを除いてヘタ側から口に入れると、最後により甘い先端部分を味わうことになるのでおすすめです。
■+アルファでおいしい食べ方は?
子どものころ、いちごを潰して砂糖をまぶし、牛乳をかけて食べた…という人もいるのでは? これは、酸味が強い品種が多かった昭和時代の食べ方ですね。フランスではいちごにワインビネガーをかけて食べることもあるそう。ひと粒を2~3に切り分けてクリームタイプのバルサミコ酢をかけると、立派なデザートになりますよ。
■おいしさが長持ちする保存方法は?
いちごはとてもデリケートな果実。なので、おいしさが長持ちする正しい方法で保存しましょう。パックのままでは重なった部分から傷むことがあるので、パックから出して重ならないようにポリエチレン袋などに入れ、冷蔵庫で保存するといいようです。水洗いせず保存するが望ましいのですが、洗ったいちごを保存する場合は、カビが生えないよう水分をよくふき取ってから冷蔵保存を。特にヘタの部分からカビが生えやすいのでご注意を。
■ジャムには冷凍いちご?
いちごを砂糖で煮てジャムにする場合は、いったん冷凍してから使用するのがおすすめです。冷凍いちごは細胞壁が壊れていて砂糖をまぶすとすぐに水分が出てくるので、スピーディにつくれるのもメリット。冷凍いちごのほうが滑らかに仕上がるようです。市販の冷凍いちごでも、自分で冷凍したいちごでもOK!
■いちごの冷凍方法
水洗いしてヘタを取り、水分をよくふき取ってからフリーザーバックなどに入れて冷凍庫へ。
***
2024年は猛暑の影響が大きく、いちごも不作傾向にあったため価格が上昇。クリスマスケーキ高騰の一因になったようですね。春のイメージが強いいちごですが、味わいのピークは極寒期。おいしく食べて、美しく健康に!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/『世界大百科事典』(平凡社)/農林水産省ホームページ https://www.maff.go.jp/index.html/ 日本記念日協会 https://www.kinenbi.gr.jp/ :