連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People
明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する『Precious』連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、京都・嵯峨嵐山で「発酵食堂カモシカ」を営んで10年を迎えた、代表取締役の関 恵さんにインタビュー!
『1000年続く事業に』と起業した関さんに、海外展開など今後の展望などについてもお話しをうかがいました。
【Kyoto】「命は命で元気になる」を掲げて、発酵食を日本に、世界に伝えていく
京都市・嵯峨嵐山にある「発酵食堂カモシカ」。建物の1階は発酵食を取り入れた食事やスイーツを提供する食堂で、発酵調味料の量り売りもしている。2階は自社のラボで製造したオリジナルの発酵食品などを販売。医療コンサルタントとして仕事をするなかで、予防医学の重要性に気付き、「発酵」をテーマに起業を決意。「命は命で元気になる。」をコンセプトに「発酵食を台所に取り戻す♪」ベく店をオープンして、昨年10年を迎えた。
「ここ3年ほどは、海外への展開に力を入れています。物を売ることと、発酵について伝えることを、両輪でやっていくことを大切にしています。最近ではスペインの方がいらして、味噌づくりのワークショップを開催しました。こちらから海外に出向くこともありますよ。ぬか床を日本から持っていって、現地の野菜を漬ける。“足しぬか” がない場合は、小麦が主食の国なら “ふすま” で代用できますよ、と。文化のインストールをする感じです。体が元気になることのメカニズムは、国が違っても変わらないと思うので」
これまでは「共感」に支えられてきた。これから先はそれを超えていきたいと語る。
「食堂でラーメンを出しているのも、そんな意味合いがあって。発酵をやっていると、健康マニアみたいに思われやすく、そこに共感しない健康食嫌いな人との橋渡しとしての、ラーメン。『共感する』と『完全にそっぽを向いている』との間にいる人は、とても多いと思うので、そこがこれからの10年の課題。なにしろ私は『1000年続く事業に』と起業したので、やることがたくさんあるんです」
販売、ワークショップ、情報発信、商品開発や販路の拡大。メッセージは広がっていく。
「発酵とは私にとって、『本質的な価値がある』もの。そして、本質的な価値って、やってもやってもわからないことに溢れているものなんです。だから飽きない。人生をかけるに値する大切な仕事だと感じています」
◇関 恵さんに質問
Q.朝起きていちばんにやることは?
縁側のカーテンを開けて、庭に野良猫(チッチ)がいるか確認。
Q.人から言われてうれしいほめ言葉は?
「『カモシカ』に出合って暮らしが変わった」。毎朝味噌汁を飲むようになった、とかですね。
Q.急にお休みがとれたらどう過ごす?
石川県など魚の美味しいところに家族と旅行。
Q.仕事以外で新しく始めたいことは?
海釣り。船が好き。
Q.10年後の自分は何をやっている?
子供や従業員と連携しながら「カモシカ」の事業を海外で広めている。
Q.自分を動物にたとえると?
ゾウガメ。ゆっくりだけど進んでゆく。夫がつくった「強みのカルテ」というのがあって、人の強みをあぶり出してキャッチコピーをつけるのですが、私は「うさぎも恐れる小さなゾウガメ」でした。
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- PHOTO :
- 香西ジュン
- 取材 :
- 木佐貫久代