美食に散策、美肌温泉に名所巡りetc. 旅の目的はさまざまですが、この冬訪れたいのは、「絶景」を楽しむ湯宿! お部屋から温泉からロビーから、刻々と移り変わる絶景を眺めながら過ごす、ゆっくりとした贅沢な時間…。
雑誌『Precious』2月号では【一生に一度は訪れたい!絶景が広がる「おこもり湯宿」リスト】と題して、旅慣れた温泉好きも太鼓判を押す、珠玉の「絶景」×「湯宿」をご紹介しました!
今回はその中から、漫画家のヤマザキマリさんが愛する絶景湯宿を4軒まとめてお届けします。
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■1: 海・島絶景|広島県・鞆の浦「汀邸 遠音近音(みぎわてい おちこち)」
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「瀬戸内海に浮かぶ弁天島を眺めつつ湯に浸かる幸福…」
瀬戸内海のほぼ中央に位置し、古くから潮待ち、風待ちの港として栄えた広島県福山市の鞆の浦。その海沿いに佇む全室オーシャンビュー、温泉露天風呂付きの贅沢な宿。
「どこを写真に撮っても印象的な絵になる鞆の浦という街の魅力もさることながら、そんなロケーションにあって温泉も提供してくれる宿となれば、これはもう泊まらぬわけにはいきません。
全室露天風呂付きの部屋の大きな窓越しに見えるのは、まるで絵画のモチーフのような、穏やかな瀬戸内の海に浮かぶ美しい弁天島。そんな光景を自分のものにしてしまえるような入浴は、どこでも叶うものではないでしょう」
■2:海絶景|静岡県・伊豆稲取「食べるお宿 浜の湯」
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「潮風を浴びながら絶景風呂を堪能。さらに絶品の金目鯛の煮付けを楽しみます」
東京から車で数時間。こちらは、伊豆七島を一望する絶景と新鮮魚介料理が自慢。
「個室露天風呂や屋上にある大浴場で潮風を浴びながら、目の前に広がる雄大な青い海を見ていると、余計なことをいっさい考えなくなります。なにより、こちらは別名“食べる温泉”といわれるだけあって、伊豆の特産を使った美味しい食事は、温泉でほぐされた体に染み入ります。特に稲取でとれる金目鯛の煮付けは、食べ始めると箸を止めることができなくなること間違いなし。朝食にも豪華な舟盛りがでてきます」 。
2024年のリニューアルで新客室や個室食事処、新たな趣の貸切露天風呂やサウナなどが登場。
■3:白樺林絶景|北海道・ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」
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「白樺林と、 その先に広がる静かな草原と。真っ白な雪の季節こそ訪れたい宿です」
ニセコという土地を知り尽くしたオーナーによる“陰翳礼讃”がコンセプトの宿。「ニセコのダイナミックな景色をエンターテインメントとして堪能できるだけではなく、限られた時間のなかで北海道の魅力をじっくり堪能したいという人にはおすすめの宿だと思います。
また、ミニマムでセンスのよいインテリアの部屋に設えられた広い内風呂と、白樺林の向こうに広がる草原が見渡せる露天風呂。ふたつの個室的なお風呂を楽しむことができるのも魅力。季節ごとの彩りの変化にも目を見張りますが、特に真冬の、雪に覆われた静かな空間で浸かる露天風呂は、至高のデトックス効果をもたらしてくれます」
■4:鹿児島県・霧島「妙見石原荘(みょうけんいしはらそう)」
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「温泉と自然の調和、程よい距離感。等身大の品性と知性を感じられる名宿です」
湯よし、食よし、景色よし。1966年の開業以来、温泉ファンを虜にし続ける宿。
「宿を取り囲む緑豊かな美しい自然と、川べりから渾々と湧く極上の温泉を引き立てるための、慎ましさと謙虚な優美さ。ラグジュアリーを意識した温泉で感じてしまう、ちょっと意気込んだインテリアやおしゃれすぎる部屋のレイアウト、スタッフの爪先立ちの演出や待遇は、ここでは皆無。
温泉と自然の調和や、程よい距離感のもてなしなど、一流の宿に求められるすべてが、石原荘には実にさりげなく備わっているように思います。この宿の魅力は“等身大の品性と知性”。それに尽きるのではないでしょうか」
※情報は2024年12月現在のものです。最新情報は公式サイトなどでご確認ください。
※料金は、時期によって異なる場合があります。また、入湯税などが別途加算される場合があります。
問い合わせ先
- 汀邸 遠音近音 TEL:0570-025-577
- 食べるお宿 浜の湯 TEL:0557-95-2151
- 坐忘林 TEL:0136-23-0003
- 妙見石原荘 TEL:0995-77-2111
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- EDIT&WRITING :
- 田中美保、木村 晶(Precious)