2月11日は「建国記念の日」国民の休日ですね。ここで「あれ? 建国記念日っていうのではなかった?」と思った人もいるのではないでしょうか。実は「建国記念の日」と「建国記念日」は、「の」の有無によって意味が異なります。今回は、ビジネス雑談にも役立ちそうな「建国記念の日」についてさくっと解説します。

【目次】

日本は2025年で何歳になる?
日本は2025年で何歳になる?

「建国記念の日」の正しい意味は?「日付」や「由来」など基礎知識】

■意味

建国をしのび、国を愛する心を養うことを趣旨として制定された国民の祝日です。

■日付

うるう年や曜日に左右されず、毎年2月11日が「建国記念の日」です。1966(昭和41)年に制定され、翌年の2月11日から実施されました。

■由来

「日本」という国がいつできた(建国された)かご存知ですか? 

神話によると、日本を建国したのは太陽神である天照大神(あまてらすおおみかみ)の直系にあたる神武天皇(じんむてんのう/初代天皇)です。『古事記』や『日本書紀』によると神武天皇の即位は紀元前660年1月1日。この日付を現在の新暦に換算すると2月11日にあたるため、この日を「建国記念の日」にすると定めたのです。

現在存在する独立国のうち、百十数か国が建国記念日に相当する日をもっているのだとか。その内容は3分の2以上が旧植民地国からの独立記念日で、共和国創立記念日や革命記念日がこれに次いでいます。いずれも自国民の民族的解放や、近代国家または社会主義国家としての建国を記念した日です。

1776年7月4日に独立宣言を承認して新たな独立国家を形成したアメリカのように、何年何月何日に建国したとはっきりいえないのが日本。古代の建国説話に基づき制定されているのは、韓国の10月3日「開天節(かいてんせつ/ケチョンチョル)」と、日本の2月11日「建国記念の日」のみです。


なぜ「の」が入る? 世界最古の国? 「建国記念の日」の雑学

支配国からの独立や民族解放などによるものではないので、日本の建国と言われてもなんだかビシッとしたイメージがありません。そんな日本の「建国記念の日」にまつわる雑学をご紹介します。

■「建国記念の日」は復活祝日!

そもそも2月11日は1873(明治6)年に「紀元節」として神武天皇の即位日を祝して制定されたものですが、敗戦後、皇室と神道の繋がりをよしとしないGHQによって廃止されました。しかし、講和独立後に紀元節の復活が叫ばれ、昭和41年に「建国記念の日」と名称を変えて制定、翌年に「敬老の日」や「体育の日」と合わせて国民の祝日として実施されました。

■なぜ「建国記念日」ではなく「建国記念の日」?

アメリカの独立記念日やオーストリアの建国記念日のように、「この日から日本という国を建てます!」という日付が確定されないのがその理由です。「日本が建国された記念日」ではなく、「日本が建国されたことを祝う日」という考えに基づくため、「記念日」ではなく「記念の日」なのです。

■「建国記念の日」の行事

皇室や政府主導の行事はありませんが、各地の神社で「紀元祭」「紀元節祭」「建国祭」などの神事が行われます。たとえば明治神宮の神事自体は簡素なものですが、外部団体が大規模なパレードを実施。総勢5000名とも6000名ともいわれる参加者によるマーチングバンドと神輿が、外苑・表参道から明治神宮の社殿前まで行進します。

■日本は世界最古の国!?

紀元前660年に初代天皇が即位したとされることを日本の建国とすることから、2025年で日本は2685歳! 天皇制が一度も途切れることなく続き、他国に支配されたこともないため、現存する国家で最も古いのが日本というわけ。エジプトや中国のほうが歴史は長いのですが、両国は古代文明が発達していたものの王朝が何度も変わったり他国に支配されています。日本が「世界唯一の単一王朝国家」であり、「現存する最古の国家」なのです。

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2月11日に「建国記念の日」を迎えるにあたっての内閣総理大臣メッセージが首相官邸から発せられますが、特に何をする日…というイメージはありませんよね。今回の記事をきっかけに、日本という国の成り立ちを学んでみてはいかがでしょう。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『12か月のきまりごと歳時記(現代用語の基礎知識2008年版付録)』(自由国民社)/『日本国語大辞典』(小学館) :