【目次】

【「建国記念の日」っていつ?祝日の基本を押さえる】

■いつ?

日本の「建国記念の日」は、毎年2月11日 です。1966(昭和41)年に制定され、翌年の2月11日から実施されました。

■祝日となっている「理由」

日本では「国民の祝日に関する法律」(1948年法律第178号。以下「祝日法」と言う)により、年間16日の「国民の祝日」が設けられ、これを「休日とする」と定めています。また、「祝日法」は「建国記念の日」の主旨を、以下のように定めています。

「建国をしのび、国を愛する心を養う」

単にお休みを楽しむ日というだけでなく、「今の日本があるのは、長い歴史の積み重ねがあったからだよね」と、国の成り立ちに思いを馳せる日として設定されているのですね。

■なぜ「建国記念日」ではなく「建国記念“の”日」?

現在、世界に存在する独立国のうち、110数か国が、建国記念日に相当する記念日をもっているのだそうです。その根拠は、3分の2以上が旧植民地国からの独立記念日で、共和国創立記念日革命記念日が、これに次いでいます。いずれも自国民の民族的解放や、近代国家または社会主義国家としての建国を記念した日です。

ところが、日本には「○年○月○日に日本国が誕生した」という公的な歴史記録がありません。あまりに歴史が古すぎて、正確な成立記念日がわからないのです。そのため、「日本が建国された日」と断定する(=建国記念日)のではなく、「日本が建国されたことを記念して祝う日」という意味を込めて、「の」という一文字が挟み込まれました。

■日付の「由来」は?

では、なぜ根拠が曖昧なまま、「建国の日」2月11日に制定されたのでしょうか?

神話によると、日本を建国したのは太陽神である天照大神(あまてらすおおみかみ)の直系にあたる神武天皇(じんむてんのう/初代天皇)です。『古事記』や『日本書紀』によると神武天皇の即位は紀元前660年1月1日。この日付を現在の新暦(グレゴリオ暦)に換算すると2月11日にあたるため、この日が「建国記念の日」に定められました。

つまり、史実としての「建国の日」の特定は難しいものの、「日本の伝統的な物語(神話)上の記念日」を現代の祝日として採用しているのです。


【内閣総理大臣からのメッセージとは】

■内閣総理大臣からのメッセージ、発出のタイミングは?

内閣総理大臣による「建国記念の日」のメッセージは、毎年、首相官邸ホームページで「『建国記念の日』を迎えるに当たっての内閣総理大臣メッセージ」として公開されています。

近年は毎年掲載されており、歴代の総理大臣が国民に向けて日本の歩みを振り返り、未来への決意を述べる場となっています。2024(令和6)年当時の内閣総理大臣・岸田文雄氏のメッセージは2月9日に、2025年の石破茂内閣総理大臣のメッセージは2月10日に公開されました。

石破内閣総理によるメッセージの要旨をご紹介しましょう。

・困難な試練を乗り越えて、今日の平和と繁栄を築いた先人の努力に敬意を表する
・自由と民主主義を守り、人権を尊重し、法を貴ぶ国柄を育て、日本は今日に至った
・今後も自信と誇りをもてる日本を次世代に引き継ぐため、全力を尽くす

2026年現在、日本の内閣総理大臣は高市早苗氏です。どんなメッセージが発表されるのでしょうか。


【そもそも「建国」って何? 日本ならではの特色は】

■「建国」とは?

「建国」とは、新しく国を建てることや、初めて一国の基礎をたてることを指す言葉です。前述の通り、日本の「建国」は、世界の多くの国々とは異なり、神話と歴史が地続きになっているのが最大の特徴です。

一方で、日本以外の国々にとっての「建国」は、「戦いや宣言によって勝ち取った明確な出発点」という意味合いが強く、自国民の民族的解放や、近代国家または社会主義国家としての成立を「建国」としています。たとえば
以下の3国は、独立した日をもって「建国」としています。

アメリカ(7月4日)……1776年、イギリスからの独立宣言を採択。
インド(8月15日)……1947年、イギリスから独立。
ベトナム(9月2日)……1945年、フランスからの独立を宣言。

また、フランス(7月14日)のパリ祭は、1789年のバスティーユ牢獄襲撃(フランス革命の始まり)を記念する国民の祝日(革命記念日)です。ほかには、ドイツ(10月3日)の場合、1990年の、東ドイツと西ドイツが再統一した日が建国の日です。

■日本は世界最古の国!?

神話として伝えられている通り、紀元前660年に初代天皇である神武天皇が即位したことを日本の建国とするならば、神話上の紀元に基づいて数えると、2026年で日本は2688歳ということになります。

この伝承に基づけば、天皇の皇統は一度も途切れることなく続いてきたとされ、また、他国に長期的に支配された経験もないことから、日本は現存する国家の中でもきわめて長い歴史をもつ国のひとつだといえるでしょう。

エジプトや中国のほうが文明としての歴史ははるかに古いものの、両国はいずれも王朝の交代や異民族支配を幾度も経験しています。そうした点を踏まえると、日本は同一の皇統が連続してきたと伝えられる、世界でも極めて特異な国家であり、神話的伝承の上では「世界唯一の単一王朝国家」「現存する最古の国家」と表現されることもあるのです。


【祝日としての成立プロセスを読み解く】

■戦前、2月11日は「紀元節」だった

そもそも2月11日は、1873(明治6)年に「紀元節」として神武天皇の即位日を祝して制定された祭日でした。しかし、1945年の敗戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)は「紀元節は軍国主義や超国家主義と結びついている」と判断。また、国家と皇室、すなわち神道の繋がりをよしとせず、1948年に「紀元節」は廃止されました。 その後、1952年にサンフランシスコ講和条約が発効され、日本が主権を回復すると、国民の間から「日本の建国を祝う日を復活させたい」という声が急速に高まってきたのです。

■「建国記念の日」成立までの議論

1950年代からは「紀元節」復活に向けた法案が何度も提出され、国会では激しい対立が続きました。賛成派・反対派の意見を集約すると…
賛成派:「国の歴史を大切にすべき」「民族の誇りを取り戻すべき」
反対派:「神話に基づいた日は非科学的だ」「戦前の軍国主義への回帰につながる」

この対立を解消するための妥協案として出されたのが、「神武天皇の即位日=建国の日」ではなく、記念日をあくまで「建国を記念する日(行事)」とする考え方でした。こうすることで、歴史的・学術的な論争を回避しようとしたのです。 こうして1966年、ようやく「建国記念の日」が祝日として追加され、翌1967年から実施されました。

■1980年代以降の議論

1980年代になると、中曽根内閣のもとで政府主催の式典開催が検討されるなど、「建国記念の日」は再び注目を集めます。そして現在もなお、一部の団体による反対集会や、「紀元節」への完全復帰を求める動きなど、多様な意見が存在しています。


【今どきの「建国記念の日」の過ごし方(2026年版)】

■トラベルやミュージアムで日本の美を再発見!

忙しい日常を離れ、洗練された空間で、日本の美意識に触れるのがおすすめです。

・動き出す浮世絵展 OSAKA( グランフロント大阪:大阪府
開催日:開催中~2026年3月14日(土) 葛飾北斎や歌川国芳など浮世絵師の作品300点以上が、デジタルアート作品として楽しめる没入型デジタルアートミュージアム。会場にはテーマごとに複数の立体映像空間が設けられ、ジャパンブルーと言われる藍色の世界を体感できる「藍」、繊細に表現された美人画の世界を巡る「麗」、季節のうつろいを鮮やかに彩る、花鳥風月の空間「彩」などの空間を体感することができます。

・浮世絵おじさんフェスティバル(太田記念美術館:東京都)
開催日:開催中~2026年3月1日(日) 約1万5000点に及ぶ浮世絵コレクションを収蔵する太田記念美術館が、2023年開催の「広重おじさん図譜」以来、約3年ぶりとなる「おじさん」にスポットを当てた展覧会を開催。浮世絵の風景画などの片隅にはしばしば味わい深いおじさんが描かれていることがあり、本展では前後期合わせて150点を超える作品を通して、浮世絵に描かれた多彩なおじさんたちを紹介するというユニーク企画。

LOVE いとおしい…っ!―鏑木清方の恋もよう、奥村土牛のどうぶつ愛―山種美術館:東京都
開催日:開催中〜2026年2月15日(日) 私たちの身の回りに存在する、さまざまな愛の形。恋人同士の燃え上がるような愛、親子や夫婦など家族への愛、生まれ育った故郷への愛、身近な動物への慈しみの愛…。また、最近よく耳にする「推し活」も、ひとつの愛の形といえるでしょう。この冬、山種美術館ではLOVEをテーマにした日本の近代・現代絵画を中心に取り上げ、ご紹介する特別展です。

橿原神宮での正式参拝と講演会(奈良県)
開催日:2026年2月11日 奈良県橿原市の橿原神宮および奈良県社会福祉総合センターにて、「橿原神宮参拝+講演会」が開催されます。本イベントは、建国記念の日にあわせ、日本書紀において初代天皇・神武天皇が即位したとされる橿原の地を訪れ、橿原神宮での式典参加および正式参拝と講演を同日に行うことで、日本の歴史や文化に触れる機会を提供することを目的としています。
※事前の申し込みが必要です。詳細については、公式サイトをご確認ください。

明治神宮「紀元祭」(東京都)
開催日: 2026年2月11日午前10時〜 毎年2月11日の「建国記念の日」に、日本の初代天皇とされる神武天皇の即位を記念して行われる神事です。当日は、明治神宮本殿にて日本の繁栄と平和を祈念する紀元祭が厳かに斎行されます。また、これにあわせて、原宿表参道周辺から明治神宮境内へと続くエリアでは、関係団体による奉祝行事として、神輿や山車、マーチングバンドなどが参加する大規模な「奉祝パレード」が行われ、都心は祝賀ムードに包まれます。

インスタグラムなど、SNSのハッシュタグを活用して、「#日本の風景」「#建国記念の日」で投稿される美しい写真を見て、次の国内旅行の計画を立てるのも有意義です!

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「建国記念の日」は、単なるカレンダー上の休日ではありません。神話の時代から続く壮大な物語と、そこに連なる私たちの原点を再認識する日でもあります。長い年月をかけて育まれてきた、日本の文化や美意識に触れることは、自分自身の感性を整え、明日への活力をチャージすることにも繋がります。こうしたことを意識するだけでも、もしかしたら、いつもの街並みが少し違って見えるかもしれませんね!

この記事の執筆者
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『12か月のきまりごと歳時記(現代用語の基礎知識2008年版付録)』(自由国民社)/『日本国語大辞典』(小学館)/内閣府「国民の祝日」について、「総理の支持・談話など」/政府広報オンライン「知ってそうで知らない「国民の祝日」とその趣旨や経緯」 :