サステイナブルな意識が高まり、本当に価値あるものを長く着続けることが新時代のキーワードに。

そこで、雑誌『Precious』3月号では、【NOT「着回し!」「着直し」という新たなる概念】と題して、セレブのドレスアップから「着直し」テクニックを学びます。ナビゲートしてくれるのは服飾史家の中野香織さん。

今回は、リタ・モレノ、グウィネス・パルトロウ、ジェーン・フォンダ、マリオン・コティヤール、4人の女優の着直し術をお届けします。

中野香織さん
服飾史家
(なかのかおり)『「イノベーター」で読むアパレル全史 増補改訂版』(仮タイトル)を5月に出版予定。2025年1月より、ラグジュアリー文脈で日本の伝統・卓越技芸を支援する「雅耀会」のアドバイザーを務める。

セレブのドレスアップから学ぶ、巧みな「着直し」テクニック

「トレンドをつくり出すと共に、社会的なメッセージを発信する役割を担うセレブリティたちは、“着直し”を上手に楽しんでいます」と中野さん。セレブスナップから検証する、「着直し」学をチェック。

■1:時空を超えて、同じ服を自分らしく「着直す」

年齢を重ねても愛用できる珠玉の一着

かつて着たお気に入りのドレスを、年を重ねて「着直す」こともセレブの傾向のひとつ。思い入れのある一着だからこそ、年齢にとらわれず、自由な感性で自分らしい着こなしを。リタ・モレノは1962年のオスカー授賞式にまとったドレスを2018年の『アカデミー賞』で。グウィネス・パルトロウは1996年のスーツを2021年にもまとって登場。

リタ・モレノ(Rita Moreno)

リタ・モレノ
Rita Moreno

56年もの時を経て「着直す」という美学を体現するリタ・モレノ。自宅のクローゼットに眠っていた和モダンなドレスを、ベアトップにリメイクして「着直し」を。

グウィネス・パルトロウ(Gwyneth Paltrow)

グウィネス・パルトロウ
Gwyneth Paltrow

1996年『MTVビデオ・ミュージック・アワード』で着用した“グッチ”のスーツ。真紅の端正なスーツは、2021年に開催された“グッチ”100周年の記念イベントでも着用。

■2:ヘアスタイルを変えてモード感を演出

スタイリングの印象をヘアカラーで操作

同じ洋服の印象を変化させるには、ヘアスタイルも大きな鍵に。ジェーン・フォンダは、2014年『カンヌ国際映画祭』で見せたブロンドヘアから2020年の『アカデミー賞』ではシルバーヘアに変化。マリオン・コティヤールは、2008年に着用したドレスを2023年にも着用。その間に髪色がブラウンからキャッチーなピンクに。

ジェーン・フォンダ(Jane Fonda)

ジェーン・フォンダ
Jane Fonda

繊細なビーディングを施した“エリー・サーブ”のドレスを2014年と2020年にまとったジェーン・フォンダ。シルバーヘアに変えたことで、端正な美しさが高まっている。

マリオン・コティヤール(Marion Cotillard)

マリオン・コティヤール
Marion Cotillard

2008年にスパンコールの煌めきが美しいミニドレスをまとったマリオン・コティヤール。2023年のメットガラには同じドレスをピンクの髪色にチェンジして着用。

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EDIT&WRITING :
池田旭香、喜多容子(Precious)
写真協力 :
Getty Images
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