サステイナブルな意識が高まり、本当に価値あるものを長く着続けることが新時代のキーワードに。

そこで、雑誌『Precious』3月号では、【NOT「着回し!」「着直し」という新たなる概念】と題して、セレブのドレスアップから「着直し」テクニックを学びます。ナビゲートしてくれるのは服飾史家の中野香織さん。

今回は、「着直し」文化が継承される英国王室から、キャサリン妃の「着直し」をご紹介します。

中野香織さん
服飾史家
(なかのかおり)『「イノベーター」で読むアパレル全史 増補改訂版』(仮タイトル)を5月に出版予定。2025年1月より、ラグジュアリー文脈で日本の伝統・卓越技芸を支援する「雅耀会」のアドバイザーを務める。

〈英国王室の麗しき「着直し」ヒストリー〉

「着直し」文化が継承される英国王室。時代を超えて愛されるプリンセスの「着直し」術にクローズアップ。

■1:軽やかに変化させるドレスのアップサイクル|キャサリン妃

「欧州では18世紀から“着直し”文化が定着していたので、その精神は英国王室に今も息づいています」(中野さん)

キャサリン妃はオフショルダーのドレスをキャップスリーブにお直し。

キャサリン妃
Catherine, Princess of Wales 左/2019年、右/2017年

小花柄のドレスは“マックイーン”のもの。デコルテを大胆に見せたオフショルダーからキャップスリーブにチェンジ。

■2:コーディネートのアレンジでモダンなエッセンスをON

「同じドレスを“着直す”からこそ、本来の個性や創造性が発揮できます」(中野さん)

真っ白なシフォンのドレスに黒いグローブでメリハリをつけて。

キャサリン妃
Catherine, Princess of Wales 左/2023年、右/2019年

“マックイーン”のワンショルダーは、シルクシフォン仕立て。二の腕までのロンググローブを合わせることでエッジィに。

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EDIT&WRITING :
池田旭香、喜多容子(Precious)
写真協力 :
Getty Images