2023年、麻布台ヒルズのタワープラザ3Fにオープンしたイノベーティブタイ料理レストラン「SAAWAAN BISTRO(サーワーン ビストロ)」。タイ・バンコクにあるミシュラン1つ星レストラン「SAAWAAN(サーワーン)」のカジュアルラインです。
そんな「サーワーン ビストロ」にて、2025年3月1日(土)~3月31日(月)の期間、「チェンマイフェア」が開催されます。

本フェアでは、タイ北部・チェンマイにあるミシュラン掲載店「KITI PANIT(キティ・パニット)」とコラボレーション。
「キティ・パニット」は築130年の歴史ある建築をリノベーションして作られたお店で、タイ北部の伝統料理を中心に提供しています。今回のフェアでは、王道のタイ料理や日本ではまだ珍しいタイ北部の伝統的な料理を、コースやアラカルトでいただけます。

注目は、前菜からデザートまで6品構成のコース料理「チェンマイコース」です。メインは3種類の中からひとつを選べます。ラオスやミャンマー、中国などの影響を受けたスパイス料理が主流の北部料理。コースではモダンにアレンジしたものをいただくことができます。
今回、Precious.jpがひと足早く「チェンマイコース」を体験させていただきました。本記事では、実食レポートを交えながらメニューの詳細をご紹介します。
サーワーン ビストロ「チェンマイコース」実食レポート

山と川に囲まれたチェンマイは、スパイスのほか、お野菜や豚、鶏、ハーブなどを用いたお料理が多くみられます。
はじめに登場するのは、小さな木箱に入った「ナスの『ナムプリック』」。「ナムプリック」とは、チェンマイの伝統料理のひとつで、ナスや唐辛子を焼いて潰し、ディップソースにしたもの。豚の皮や野菜などをディップしていただく料理です。
コースでは「ナムプリック」をアレンジしたアミューズを提供。カリッとした鶏皮の上に、ナスやお野菜のペーストをのせていただきます。
新食感のこちらの料理、見た目以上にスパイシー。タイのお料理を日本で提供するにあたり、日本人の舌に合うようにかなり辛さは抑えて料理を作っているそうなのですが、それでもしっかりとした辛さが感じられるひと品でした。辛いもの好きにはたまらないコースになりそうです。

タイ北部で定番の「チェンマイソーセージ」。上にのせられているのはタイの生姜「ガランガル」で、ソーセージの中には、レモングラスとライムが詰めてあります。
こちらもしっかり辛みが感じられるひと品です。辛みの中に、ハーブやガランガルの爽やかな味わいが広がり、とても美味でした。

ソーセージと一緒にタイのビール「ブッサバー」をいただきます。タイ南部特産のジンジャーフラワーを使用したビールです。フルーティーな飲み口で、辛味のある料理との相性抜群です。しっかりとした味わいのお料理に、ビールがどんどんすすみます。

お料理はまだまだ続きます。3品目は「⽜⾁のグリル ジウソース」。柔らかい牛肉の上に、タマリンドのソース、米粉のパウダーを振ったひと品。ミントとキュウリを合わせたサラダと一緒にいただきます。酸味のあるソースと爽やかなサラダがお肉のおいしさを引き立てます。

お料理と一緒にいただいたのは「ジンパクチー」。ジンとパクチーを合わせたカクテルで、風味付けに「ビターズ」というリキュールを使っています。コリアンダーのエスニックな清涼感がプラスされて、本場タイでお食事をしているような気分に。すっきりいただける一杯でした。

お魚料理は「鮮魚のレッドカレーソース」。川海老で作った魚醤のソースに、タマリンド、ドライスパイス、ハーブなどを合わせたレッドカレーソースを使ったひと品です。グリルした真鯛に、しっかり辛いカレーソースがよく合います。

ここで、口直しにいちごのソルベが登場。といっても日本人が思い浮かべるような甘いソルベではなく、すっきりとした甘みにハーブが効いた味わいなんです。タイのマッケーンペッパーという爽やかな香りの山椒を使ったひと品です。初めて食べる味に驚きながらも、メインディッシュを待つことに。
メインディッシュは選べる3種類

メインディッシュは選べる3種類。今回は3品すべてを特別に体験させていただきました。なおメイン料理では北部で定番の「黒米」と、魚醤とビネガーで和えたきのこのマリネも一緒にいただきます。
ひとつ目、「イノシシのタイハーブグリル」は、タイのハーブでマリネしたイノシシの肉をスパイスでソテーしたひと品。グリルしたナスが添えられています。
イノシシのお肉に臭みはなく、まるで豚肉のようなジューシーさを楽しめます。スパイシーなカレーソースが食欲を増進させます。

2つ目は「骨付き豚肉のディープフライ」。カリカリに揚げた豚肉に、自家製のスウィートサワーソースが添えられています。コリアンダーのサラダとともにいただきます。
豪快な骨が乗っていて、テーブルの上が一気に華やかに。
味はソースが甘酸っぱく、これは辛さが不得意な方でも食べやすいお料理かと思います。日本人にも食べやすい味付けになっています。揚げた豚肉もジューシーでおいしかったです。

3つ目は「グリル野菜とハーブのカレー」。タイ北部の伝統的なスパイスを使ったレッドカレーです。
本来タイでは、パイナップルで甘みを付けることも多いそうですが、今回はたまねぎで甘みを付けて仕上げています。野菜と一緒にいただきます。
こちらはしっかり本格派のスパイシーなカレー。タイ料理がお好きな方にはぜひおすすめしたいひと皿です。

メインディッシュのあとに登場するデザートは、「百合根とココナッツの餅」。もちもちとした食感のもち米の上に、ココナッツミルクをかけて食べる、日本ではあまり見かけないタイの伝統デザートです。
温かいもち米の中にはキャラメリゼした百合根が包まれています。シャキっとした食感がアクセントになっています。ほんのり甘い新食感のデザートは、辛い料理が続いたコース料理の〆に相応しいひと品でした。
タイ料理に欠かせないのは、甘味、酸味、辛味、塩味、旨味の「五味」。「サーワーン ビストロ」では、五味の要素をはじめ、伝統に基づいた調理の要素を大切にしつつ、新たなエッセンスを加えたモダンなタイ料理を提供しています。
今回ご紹介したお料理は、コース料理のほか、アラカルトでも楽しむことができます。カジュアルに本場のお料理をいただけるのがうれしいですね。
スパイシーな料理が多いタイ南部のお料理とはまた違って、ハーブやドライスパイスを使った料理が多いタイ北部料理。辛さだけでなく、香りや爽やかさ、お野菜の甘みといった、さまざまなおいしさを楽しめるのも魅力的でした。
ぜひみなさんも、1か月間行われる「チェンマイフェア」に足を運んでみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- SAAWAAN BISTRO(サーワーン ビストロ)
- 営業時間/ランチ 11:00~14:00L.O.、ディナー 17:30~23:00(フードL.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)、バー 11:00~23:00(L.O.22:30)
- 定休日/火曜
- TEL:03-6441-0737
- 住所/東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ森JPタワー タワープラザ 3F
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- TEXT :
- 伊東ししゃも 編集者・ライター
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- EDIT :
- 小林麻美