夜、寝る直前にあなたは何をしていますか? スマホをいじっている、眠くなるまでテレビを見ている、温かいお茶を飲んで心を落ち着けている、本を読んでいる……など、いろいろあると思います。

睡眠が、身体のみならず精神的にも健康であるために重要であることは間違いありません。しかし、睡眠そのものだけでなく、睡眠の前の時間をどう過ごすかも、実はとても大事。睡眠前の過ごし方で「人生が変わる」と言い切るのは、著述家で産業カウンセラー、心理カウンセラーの植西 聰さんです。

植西さんは、睡眠前の時間を「ゴールデンタイム」だと言います。つまり、その時間をどう過ごすかで、人生を良いほうにも悪いほうにも変えられるのです。今回、心がポジティブになり、人間関係が良い方向へと変わる、睡眠前の思考習慣を教わりました。以下の6つをぜひとも、取り入れてみてください。

■1:新しい挑戦は「6割の出来」で満足する

完璧主義をやめよう

悩みを抱えやすい人というのは、完璧主義の傾向があると植西さんは言います。そういう人は目標のハードルが高いので、ちょっとうまくいかないだけで落ち込んでしまうのです。何事もいきなり完璧にできるわけではありません。失敗を繰り返しながら、少しずつでも完成度を高めていけばいいのです。

何かに新しく挑戦するときは、「6割できたら十分」と考えることで、気持ちが楽になって楽しく取り組むことができます。楽しく取り組めればおのずと続けることができ、いつのまにか実力がついているものです。

「目標を10割で設定して7、8割の出来ではガッカリしますが、目標を6割で設定していれば7、8割できたらうれしいですよね。例えば富士山に登るとき、いきなり頂上を目指すと難しいですけど、5合までとか今回は6合までなど決めて登れば、いつかは頂上に登れる可能性が高まります。細かく目標設定することが大事です。段階的にひとつひとつの小さな目標をクリアしていくことで、いずれ頂上にたどり着きます」(植西さん)

■2:落ち込むときは「〆切を決めて」トコトン落ち込む

悩んだりクヨクヨしてしまうことは誰にでもあります。とくに、悩みがあると夜寝る前につい、悶々と考えてしまいがちではないでしょうか。落ち込むのは悪いことではありませんが、それがずーっと続いてしまうのは、よくありません。そんなときは、「〆切を決めて、その間はどんなに落ち込んでもかまわない」と決めてしまうといいそうです。

「悩みの期間を1週間なら1週間と自分で決めてしまうんです。期間内は悩みきって、1週間たったらもう一切悩まない。あとは違う目標をつくって、切り替えるんです。悩みの期限を紙に書いて、見えるところに貼るのもいいですね。自分で決めることが重要で、そうすることで意外と見切りがつけられるものです」(植西さん)

■3:いつまでも報われないものは「別の可能性」に目を向ける

願いがなかなか報われないことってありますよね。そんなときは、どこかで見切りをつけることも大切です。「あきらめる」というと、なんだか後ろ向きに聞こえるかもしれませんが、「路線変更する」といえば前向きになれます。願いが強いほど「あんなに努力したのに」「あんなに時間をかけたのに」などともったいない精神に襲われるかもしれませんが、そこにこだわりすぎると、未来の希望が見えないままになってしまいます。

「もうこれ以上無理だと思ったら切り替えることで、かえって幸せにつながることもあります。先程の話にも通じますが、いつまでも同じ悩みで悩まず、〆切を自分で設定してしまうことです。国家試験に何度挑戦しても受からなかったら、『次回も受からなかったらあきらめる』と自分で決めて、別の道に進むなどですね。

私の知り合いの女性でも、結婚式間近で婚約者にキャンセルされてしまって悩んでいた方がいますが、その彼のことをあきらめたら、1年後に別の方と結婚できたということがありました。ひとつのことにとらわれず、手放すことで、違う幸せが手に入ることもあります」(植西さん)

■4:小さな命に触れて「心をやわらかく」する

動物の力を借りよう

疲れたり、悩んだりしたときは、「小さな命」に触れると心が落ち着きます。ペットセラピーという言葉があるように、動物には人の心を癒やし、安定させるパワーがあるのです。悩み事があって行き詰まっているとき、その人の心や頭の中は自分のことでいっぱい。そんな凝り固まった心をほぐすためには、動物の力を借りてしまいましょう。

「実際にペットを飼わなくても、好きな動物の写真や動画を見るのでもいいですし、猫カフェなどに行くのもいいですね。犬や猫じゃなくて、好きな動物が爬虫類なら爬虫類でも。ペットセラピーは万人に有効だと思います」(植西さん)

■5:「人によって成長スピードは違う」と考える

誰にでも、どうしても苦手な人や合わない人はいます。また、仕事をしていると、イヤな上司や取引先に傷つくことを言われたり、非常識な態度をとられて憤慨することもあると思います。世の中には、悪意を持って傷つけてくる相手や、理不尽な態度をとってくる相手もいるものです。

そういうときは、「人はそれぞれ、違うスピードで成長している」と考えるといいそうです。思いやりや礼儀に欠く人に遭遇したとき、「あの人は間違っている」という思いが沸いてきたら、「あの人はゆっくり成長している最中だから」と考えるのです。自分もまだまだ至らない点があり、生きている限り、成長途中と言えます。同様に世界中の他人は皆「成長の途中」なのです。

「成長している人がいれば、成長していない人もいます。もし、未熟だと思う相手がいたら、『成長の途中だから仕方ない』と思う。相手に完璧さを求めても、人それぞれ違うのだから、それよりも柔軟に考えたほうがいいということですね。人を変えるのは難しいですが、自分の考え方を変えればうまくいくんです。自分の尺度で考えすぎないということが大事ですね」(植西さん)

■6:「楽しそうに生きている人」を観察して真似する

好きな人の言動を参考にしよう

夢をかなえた人は共通して、ツキや運気を味方につけているだけでなく、「うれしい」「楽しい」「幸せ」など普段からプラスの言葉を使っています。もし「最近ついていない」「落ち込むことばかりだ……」と思うときは、そういう夢をかなえた人に会いに行くといいそうです。そこで彼らからプラスの言葉をもらうことで、自分も何か変わるきっかけがもらえるかもしれません。

「夢をかなえた人が周りに思いつかない場合は、好きな偉人の伝記を読んだり、好きな有名人のインタビューを読んだり、講演会に行ったり、テレビの中の好きなタレントなどを見るのでもいいですね。楽しそうに生きている人の言葉遣いや行動、しぐさなどには、なりたい自分になれるヒントがたくさんあります。いいなと思う部分はどんどん真似していくといいでしょう」(植西さん)

以上、人間関係が良い方向へ変わり、心が前向きになる、眠る前の思考習慣6つでした。最後に植西さんから、アドバイスをいただきました。

「眠る前のウトウトとしているような時間にプラスのことを考えると、潜在意識に入っていって必ずいいことが起きます。自分がいいと思う音楽を聴いたり、今楽しくなくても楽しいことを思い出したり、プラスの言葉をテープに録音して暗示のように聞いたりする。

模造紙に好きなものや目標などを書き込んだり、なりたいイメージの切り抜きを貼ったりしたファンタジーMAPを眺めるのもいいです。毎日、眠る前にそういったプラスのことを考えるか、悩んだりマイナスのことを考えるかで、かなり差がついてしまいます。だからその積み重ねは重要です。眠る前だけはとくに意識していいことを考えてみてください。人生が変わります」

上記の思考習慣を少しずつでも意識して実践することで、心の状態は変化します。気づけば気持ちが前向きになり、人生が楽しくなってきますよ!

植西 聰さん
著述家、産業カウンセラー、心理カウンセラー
(うえにし あきら)学習院大学卒業後、資生堂に勤務。独立後、人生論の研究に従事。独自の『成心学』理論を確率し、人々を明るく元気づける著述を開始。1995年、「産業カウンセラー」(労働大臣認定資格)を取得。『「折れない心」をつくるたった1つの習慣』(青春出版社)、『幸せを引き寄せる自分の愛し方100の方法』(ビオマガジン)、『悩みごとの9割は捨てられる』(あさ出版)など著書多数。
『眠る前に1分間ください。明日、かならず「良いこと」が起こります。』著・植西聰 キノブックス刊
この記事の執筆者
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WRITING :
Mami Azuma
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