【目次】
【「はちみつの日」とは?由来】
■いつ?
「はちみつの日」8月3日です。全日本はちみつ協同組合と、一般社団法人日本養蜂協会との共同で、1985(昭和60)年に制定されました。
■由来
日付けはハチで「8」、蜜で「3」の語呂合わせで8月3日に。栄養価が高い健康食品としてのはちみつを普及させることが目的です。ちなみに「みつばちの日」は3月8日。
「世界ミツバチの日」は5月20日ですが、これは養蜂が盛んなスロベニア政府の提案に基づき、国連総会で制定された国際デーのひとつ。生態系の中で花粉を媒介するミツバチは、地球上で最も熱心に働く生物のひとつであり、その役割が重要であることを認識する日とされています。
【ビジネス雑談に役立つ「はちみつ」の雑学】
■はちみつって何?
ミツバチが草木の花蜜 (かみつ)を集め、それを唾液腺から出る酵素の作用で分解、濃縮させたものが「はちみつ」です。翅(はね)を動かして風を送り、水分量を20%程度まで減らしてて仕上げるのだそう。あのねっとりした濃度にすることで、成分的に変化することも腐敗することもほぼなく、半永久的に貯蔵することができるといわれています。すごい!
■はちみつの歴史
スペイン北部のアルタミラ洞窟の壁面には、はちみつの採取風景が描かれています。このことなどから、はちみつは紀元前1万8000~前1万5000年ごろより人々に利用されてきた、最も古い食物のひとつであるといわれています。日本では飛鳥時代の643(皇極2)年に、百済(くだら)人の余豊という人が現在の奈良県にある三輪山で養蜂した(が失敗した)という記事が『日本書紀』にあります。当時、はちみつは主に神事に用いたり、薬用として使われていたよう。やがてお酒や化粧品、パンや菓子などの添加物として利用され、料理の材料へと広がっていきました。
明治時代初期にセイヨウミツバチが入ってくるまで、飼養の対象はニホンミツバチのみ。セイヨウミツバチなどほかの種と違い、ニホンミツバチは環境の変化や刺激に対してとても敏感です。絶滅危惧種ではありませんが、ニホンミツバチによるはちみつは大変希少というわけ。
■はちみつの種類
日本産の主なはちみつの種類を挙げてみましょう。ミツバチが蜜を採取する花の種類は、はちみつの風味に大きく影響します。一般的に、日本産のはちみつは外国産のものより癖が少ない(ものを日本人が好む)といわれています。
・レンゲはちみつ:レンゲの花蜜からつくられた単一蜜源によるはちみつ。淡黄色で上品な香り、癖のない味。
・ソバはちみつ:ソバの花蜜からつくられた単一蜜源によるはちみつ。黒っぽい色で独特の香りがあり、渋みや苦みがある。
・ミカンはちみつ:ミカンの花蜜からつくられた単一蜜源によるはちみつ。淡黄色で柑橘類特有の香りと酸味をもつ。
・リンゴはちみつ:リンゴの花蜜からつくられた単一蜜源によるはちみつ。淡黄色、甘酸っぱいリンゴの香りと酸味をもつ。
・トチノキはちみつ:トチノキの花蜜からつくられた単一蜜源によるはちみつ。赤みがかった淡黄色でやさしい香り、風味がよく甘さは控え目。
・アカシアはちみつ:アカシアの花蜜からつくられた単一蜜源によるはちみつ。色は淡く、ほのかな香りで上品な甘さ。
・百花はちみつ:数種類の花の蜜が混じり合った複数蜜源によるはちみつ。配合によって色や風味に違いがでる。
■はちみつの価値
歴史的に薬用利用などもされてきたことからもわかるように、はちみつは利用価値が高いものです。近年は栄養的価値のほか、殺菌や消炎、造血細胞賦活性などについての科学的研究がすすみ、医薬的効能も再評価されています。
■はちみつNGな人
はちみつは利用価値が高い反面、アレルギーなどを引き起こすことも。注意が必要な人を挙げておきます。
・1歳未満の乳児:はちみつに含まれるボツリヌス菌は、腸内環境が未発達な乳児にとっては大変危険です。乳児ボツリヌス症を引き起こす可能性があり、重篤な場合には死に至ることも。ボツリヌス菌は加熱しても死滅しないため、はちみつそのものだけでなく、はちみつ入り食品も避けるべき。
・蜂アレルギー:蜂蜜に微量に含まれる蜂毒が、アレルギー反応を引き起こす可能性が。じんましんや嘔吐、呼吸困難などその症状は多岐にわたり、アナフィラキシーショックを起こすこともあるので危険です。
・糖尿病:糖分が高いため、血糖値の変動に影響を与える可能性があります。糖尿病を患っている方は、医師に相談し、摂取量を調整するか、摂取を控えるのが賢明です。
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ミツバチが採集してきた木の樹脂と、ハチの唾液を混ぜ合わせてできるのが「プロポリス」。のど飴でおなじみの成分ですね。これはハチが巣の隙間などに塗って、外敵や雨などから巣を守るのに利用されます。
また、女王バチとなる幼虫を育てるために使用されるのが、働きバチの咽喉腺から分泌される特殊な栄養物質。「ロイヤルゼリー」と言いますが、たんぱく質や各種ビタミンが多く含まれ、女王バチは生涯これしか口にしないといわれています。人間にもさまざまな効能があるようですが、近年特に免疫力を向上させると注目されています。はちみつ以外にも、みつばちは私たちの生活にさまざまに役立っているのですね。
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- Precious.jp編集部
- 参考資料『世界大百科事典』(平凡社)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/一般社団法人 日本養蜂協会 https://www.beekeeping.or.jp/ :