【目次】
【「パンツの日」とは?由来】
■「誰が」決めた?「由来」は?
「パンツの日」は8月2日。1984年に奈良県のインナーウエアメーカーの磯貝布帛工業(2013年に株式会社イソカイとして破産手続き済み)が、自社ブランド『シルビー802』の商品名にちなみ、記念日として制定しました。その後、大阪府のトランクスメーカーであるオグランジャパンも、8月2日を「パンツの日」に制定。こちらは「パ(8)ンツ(2)」の語呂合わせが由来となっています。
「パンツの日」の「パンツ」は、ズボンのパンツではなく、下着のほうです。お間違えなく!
■「目的」は?
「パンツの日」制定の目的は、恋人や家族に「パンツのプレゼントをしましょう!」と広報すること、だそう。女性が本命の男性にこっそりパンツをプレゼントする日でもあるそうですよ。「#Twitterトレンド大賞2018」の「最も話題になった記念日部門」では、「パンツの日」が2018年の年間トレンド1位となりました。記念日が定着した現在では、さまざまな衣類・下着メーカーが、「パンツの日」にまつわるイベントやキャンペーンを実施しています。
【ビジネス雑談に役立つ「パンツの日」と「ショーツ」の雑学】
■日本橋で起きた火災がパンツの普及を後押しした
今から10年前の2015年、お笑いタレントのとにかく明るい安村さんの「安心してください、はいてますよ!」が大流行し、「ユーキャン新語・流行語大賞」で大賞を受賞しました。このように、現代においてはいわゆる「ノーパン」は人々を不安にさせるものですが、日本でパンツが定着し始めたのは意外に最近で、昭和に入ってからのことだそうです。
直接の要因は、1932(昭和7)年に起きた日本橋、白木屋百貨店での火災でした。火はあっという間に燃え広がり、14人もの死者を出す大惨事に。犠牲者の多くは若い女性、しかも和装をした女性店員でした。当時、和装の女性は下着は履かず、腰巻をつけていただけだったため、屋上へと逃れた多くの女性たちは建物から救命ネットに飛び降りるのをためらってしまったのです。救命ロープを使って下へ降りようとした女性も、熱風によりまくれ上がる裾の乱れを直そうと、ロープを持つ手を緩めた瞬間、墜落してしまったそう…。
この火災以降、一気に「女性はパンツを履こう」という風潮が広がっていったそうです。しかしながら、男性の間では「男はふんどしを締めるべき」という考えが根強く残り、なかなか男性用パンツの普及は進みませんでした。男性用パンツが一般的になったのは、第二次世界大戦後の「日本の欧米化」以降のことだそうです。
■下着が「パンツ」と呼ばれるようになったのはいつ?
1970年代まで、日本では女性の下着を指す言葉として「パンティー」が一般的でした。それが、男女や年齢の区別なく使われる「パンツ」が広く用いられるようになったのは、1980年代後半ぐらいからです。現在の日本の下着業界では、女性用・女児用を「ショーツ」、男性用・男児用は「パンツ」と呼称するのが一般的です。
■パンツを英語で言うと?
日本語では、下着のパンツのことをショーツ、あるいはパンティー、男性物ならブリーフ、トランクスなどと呼びますね。でも、英語では男女を問わず[underwear]となります。ただし、アメリカでは女性用・女児用のものを[panties]とも呼ぶことも。男性用の肌に密着する下着としては[briefs]も使われます。さらに、英語で「Tバック」を意味するのは[Thong(ソング)]です。「Tバック」は和製英語のため、海外では通じませんよ。フランスでは[Tanga(タンガ)]ですね。ただし、この言葉はお尻を半分位包むショーツも含みます。
着衣としてのパンツは、アメリカでは通常[pants]。」少しフォーマルな表現として[trousers]も用いられます。また、日本の下着業界では女性用の下着を「ショーツ」と呼称していますが、英語で[shorts]というと半ズボン(ショートパンツ)の意味になることが多いので注意が必要です。
■英語の[panties]や[briefs]が複数形なのはどうして?
下着のパンツを英語で表現すると、単体であっても複数形の「s」が付いた複数形になります。この理由は、これらのアイテムはもともと2枚の布からつくられていたから。現在の下着の原型がつくられた19世紀初頭、下着は2枚の布で足を包んだだけの簡易的なものでした。その布の枚数をカウントし、現在も下着には複数形の「s」が付くようになったといわれています。
■「パンツの日」に行われるイベントは?
・オグランジャパン
8月2日の「パンツの日」を制定したインナーウエアなどの販売店、オグランジャパンでは、『ご当地パンツ プレゼントキャンペーン』を実施中。応募期間は8月5日まで。
※詳細は「X」で[@ogran_japan]を検索してください。
・グンゼ
グンゼでも「パンツの日」を記念して、『パンツEXPO スペシャルセールを開催中』。8月4日まで、お得な限定セットを提供しています。
※詳細は公式サイトを確認してください。
■パンツにまつわる記念日はほかにもある?
・ワコールのパンツの日
8月2日は、京都府に本社をおく下着メーカーのワコールが制定した「ワコールのパンツの日」でもあります。由来は、8と2で「パンツ」と読む語呂合わせから。日本記念日協会により認定・登録されています。記念日を通し、日常生活の中で「パンツ」への意識を高めてもらうことを目的としています。
・ストレッチパンツの日
ストレッチパンツの日は2月2日。これは、婦人・紳士・子供服の製造・卸し・小売などを手掛けるバリュープランニングが制定しました。自社製品である「ミラクルストレッチパンツ」の履き心地のよさなど、数々の魅力をPRするのが目的で、日付は1999年の2月2日に「ミラクルストレッチパンツ」が誕生したことに由来します。
・パンツゼロでリラックスの日
こちらは、日本古来の文化であり、伝統的な下着の「ふんどし」の普及と理解と関心を高める活動を行う一般社団法人日本ふんどし協会が制定した記念日です。就寝時くらいはパンツを止めて、一切の締め付けのない状態でリラックスして眠ってほしいとの願いが込められているそうです。日付は「パ(8)ンツ(2)ゼロ(0)」の語呂合わせから8月20日となりました。
***
8月2日は「パンツの日」です。グンゼの公式ホームページによれば、どんな素材であっても、お洗濯を繰り返せば劣化は免れないもの。肌着は消耗品のため、1年程度で買い替えるのが望ましいそうです。「パンツの日」をきっかけに、「いつ買い替えて(捨てて)いいのかわからない」と迷っていた下着を、一掃してしまうのもいいかもしれませんね!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:グンゼ公式ホームページ(https://www.gunze.jp/store/mens) :