【目次】

【「ムーミンの日」」とは?由来】

■ムーミンの日は「誰が」「いつ」決めたの?

8月9日は「ムーミンの日」です。世界的に有名な児童文学作品『ムーミン』の記念日として、作品の出版60周年にあたる2005年に、日本国内での「ムーミン」のライセンス管理などを行う株式会社ライツ・アンド・ブランズが制定。日本記念日協会により、認定・登録されています。

ということで、今年2025年は、ムーミン小説出版80周年と「ムーミンの日」制定20回目となるダブルアニバーサリーイヤーです!

■ムーミンの日の「目的」と「由来」は?

この記念日は「ムーミン」の魅力をさらに多くの人へ伝えると共に、親しみをもって応援してもらうことが目的とされています。日付は『ムーミン』シリーズの作者であるトーベ・ヤンソンの誕生日(1914年8月9日)に由来します。


【ビジネス雑談に役立つ「ムーミンの仲間たち」の雑学】

■そもそも「ムーミン」って?

『ムーミン』はフィンランドの作家であり画家のトーベ・ヤンソンによって生み出された作品です。実はオリジナルは小説。 1954年にイギリスの夕刊紙「イヴニング・ニューズ」にて、ムーミン・コミックスの連載が開始され、1960年以降はトーベから弟のラルスが執筆を引き継ぎ、1975年まで続きました。現在、日本では小説、児童文庫とともに、全9冊の日本語翻訳本が手に入れられます。

■ムーミン村のキャラクター、いくつ言える?

白くて丸々として、大きな鼻をもつムーミン一家を主人公とした『ムーミン』シリーズ。メインキャラクターをご紹介しましょう。

ムーミントロール……好奇心旺盛な男のコ。世界は楽しくて不思議な魅力に溢れていると信じています。
ムーミンパパ……小説家。大の冒険好きで哲学的な思考を好みます。かなりの夢想家でもあります。
ムーミンママ……いつも冷静でしっかりもの。ムーミン屋敷の精神的な大黒柱です。
スノークのおじょうさん……ムーミントロールのガールフレンド。ハッピーでエネルギッシュだけど、少々気分屋。
リトルミイ……怒りっぽく口も荒いけれど、前向きな女の子。果敢で怖いもの知らず。
スニフ……大の宝物好き。特にきらきらしたものに目がない。ムーミントロールの友達。
スナフキン……思索を好む放浪者。ハーモニカを吹き、釣りをして世界中を旅する。

■「私の知ってるムーミンと違う…」と思ったら

日本で最初に『ムーミン』のアニメーションが放送されたのは、1969(昭和44)年から70年代にかけて。ナレーションは今は亡き、女優の岸田今日子さんでした。実はこの初期のムーミンアニメは、フィンランド国内ではほとんど知られてはいません。その理由は、アニメの内容が原作とはかなり違うものであったため。ムーミンの原作者、トーベ・ヤンソンが日本以外での放送を認めていなかったからです。

主な違いは…たとえば、日本では「ノンノン」と呼ばれていたムーミンのガールフレンドの本来の名前は「スノークのおじょうさん」。スナフキンは日本のアニメではギターを弾いていましたが、原作で彼が奏でる楽器はハーモニカ。

また、ムーミン村では現金で買い物することができて、アニメでは自動車も登場していましたが、この点についても、自然豊かなムーミン谷が都会のようになってしまっていると、トーベ・ヤンソンは感じたようです。さらにリトルミイについても、原作のムーミンシリーズより、かなり暴力的で冷血なキャラクターとなっていました。

実はこの初期シリーズのアニメーターチームの中には、あの宮崎駿さんが参加していたそうです。本国での評価が低かったのは、残念ですね。一方で90年代以降のムーミンアニメは高評価され、フィンランドでもいまだにフィンランド語とスウェーデン語の両方でテレビ放送されているそうです。

■素朴な疑問…「ムーミンってカバなの?」

結論から言えば、ムーミンはカバではありません。昭和版アニメの『ムーミン』(フジテレビ系)では、本来は白いはずのムーミントロールやムーミンママ、ムーミンパパの体に薄い青やグレーの色がつけられていました。さらにキャラクターの初期の顔が角張っていたことなどから、「ムーミンはカバだ」と思い込んでいた人が少なくなかったようです。

では、ムーミンの正体はいったい何なのでしょう? 原作者のトーベが書いたスウェーデン語でのムーミンの名前は[Mumintrollet]。日本語では英語読みで「ムーミントロール」と訳されています。

トロールというのは北欧の伝承に登場する妖精です。日本では伝承や想像上のかわいらしいキャラクターを広く「妖精」と呼ぶことがあるので、広義には「ムーミンは妖精」と言っても間違いではありません。しかし、北欧でいわれる「トロール」は毛むくじゃらでで大きな鼻をもち、夜行性で太陽に弱いというのが一般的。一方、トーベが生み出したムーミントロールは、短い手足は「トロール」の特徴ですが、白くて、明るいおひさまが大好き。ですから、ムーミンは「ムーミントロール」というトーベオリジナルの架空の生き物、と言うのが正しいのもしれません。

■ムーミンの体の大きさはどのくらい?

ムーミンの公式サイトでも、実は「はっきりしたひとつの答えはない」のだそうです。ただし、ひとつの説として「電話帳くらいの大きさ」という答えが知られています。私たち人間と同じサイズをイメージしていませんでしたか? 実は彼らは小さいのです! これは雑誌『MOE』(白泉社)1990年5月号のインタビューで、児童文学家の角野栄子さんからの、「ムーミンはどれ位の大きさでしょうか」という質問に、トーベがこう答えたのだそうです。

ただ、フィンランドの電話帳のサイズ感も定かではなく、唯一無二の決定的な答えと断言することは難しいそう。矛盾や謎がたくさんあることも、ムーミンシリーズの魅力なのだそうですよ。

ムーミンママが苦手な家事は何?

家庭的で、いつも優しいムーミンママ。「理想のママ」といったイメージですが、実はムーミン・コミックス『ふしぎなごっこ遊び』(筑摩書房刊/冨原眞弓訳) に、「わが家はだらしなくてお気楽すぎるかも…」と悩む場面があります。ほかにもいくつかの理由から、「ムーミンママの得意な家事はお料理、苦手なのは掃除や片づけ」だと結論づけることができそうです。

■ムーミンたちが冬眠前に食べるものは?

ムーミンたちは寒さを避けるため、長い冬の間、冬眠して過ごします。ご存知でしたか? そして「冬ごもりの前になると、ムーミンたちは、針葉樹の葉っぱをたらふくおなかにつめこむ」のだそうです。あまりおいしそうには思えませんし、実際にムーミンも「チクチクする…モミの葉っておいしくない…」と不満げな態度をとりますが、ママは「まあね。でも昔からこうなのよ」と諭します。おもしろいですね!

■限定グッズ販売のほか、スペシャルイベント オンライン配信も!

8月9日の「ムーミンの日」に合わせ、ムーミン80周年とのダブルアニバーサリーイヤーを記念して、特別なアートを使用した新作アイテムや、ノベルティがもらえる企画が今年は目白押しです。ムーミン公式ファンクラブ限定の記念イベントも、東京近郊とオンラインで開催されますよ。室井滋さんによるムーミン小説の朗読、白鳥英美子さんによるテーマソングの歌唱など、年に一度の特別企画が盛りだくさんです。

※詳細は「ムーミン」公式サイトをご覧ください。

■ムーミンの日スペシャルウィーク 2025 in 「ムーミンバレーパーク」

埼玉県飯能市にあるムーミンの物語をテーマにしたテーマパーク「ムーミンバレーパーク」でも、「ムーミンの日スペシャルウィーク 2025」を開催。8月9日から8月17日までの間、さまざまな企画でゲストを歓迎。さらに期間中は、限定グッズの販売もありますよ。
※詳細は「ムーミンバレーパーク」公式サイトでご確認ください。

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「ムーミン」のアニメーションが、初期の昭和版と現在のものと、大きく違っていたとは意外でしたね。「ムーミン」全集は9巻からなるシリーズです。この機会に読んでみてはいかがでしょう。SNSでは、ムーミンの小説からピックアップした名言も話題です。あなたの今の心にぐっとくる一文が見つけられるかもしれません。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『デジタル大辞泉プラス』(小学館) /一般社団法人日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp) /「ムーミン」公式サイト(https://www.moomin.co.jp/moominsday) /「ムーミンバレーパーク」公式HP(https://metsa-hanno.com/event/39098/) :