【目次】

【「インスタント・コーヒーの日」とは?由来】

■「誰が」決めたの? 「由来」は?

8月11日は「インスタント・コーヒーの日」です。日付は、1960(昭和35)の8月11日に、森永製菓が日本初となるインスタント・コーヒーを発売したことに由来します。ただし、この記念日を誰が制定したかについては、明確な資料がありません。


【ビジネス雑談に役立つ「コーヒー」の雑学】

■そもそも「インスタント・コーヒー」って何?

インスタント・コーヒーとは、コーヒー抽出液の成分を脱水粉末化したものです。お湯や水を注ぐとすぐに溶けて楽しめる、即席(=インスタント)コーヒーということです!

■インスタント・コーヒーの起源

その起源は18世紀にまで遡ります。1771年のイギリスで、水に溶かすタイプのインスタント・コーヒーが発明されましたが、製品を貯蔵できる期間が短く、市場には広がりませんでした。

その後、1906年にアメリカ合衆国でジョージ・コンスタント・ルイス・ワシントンという人がインスタント・コーヒー製法の特許を取得。「Red E Coffee」という名称で製品化し成功を収めました。これが現代のインスタント・コーヒーの元祖と言えるでしょう。初期のインスタント・コーヒーは軍隊での利用も多く、第二次世界大戦中には兵士たちの携帯食として重宝されました。

その後、本格的なインスタント・コーヒーの開発は、1946年にアメリカのコーヒーメーカーの老舗、マクスウェル社によって達成されました。それまでと比べて飛躍的に品質改善されたコーヒー成分の粉末化に成功し、インスタント・コーヒーの消費は急速に増加しました。とはいえ、コーヒーの魅力のなかでも最も重要な役割をもつ、コーヒーの香りを味わうまでには至らなかったため、レギュラーコーヒーと比べ、もの足りなさを感じる人が多かったようです。

ある程度の香りを保持し、味の優れたインスタント・コーヒーの開発がされたのは1951年です。

■日本のインスタント・コーヒーの歩み

1958(昭和33)年、日本で初めてのインスタント食品である「チキンラーメン」が日清食品から発売されました。この商品は世界初のインスタントラーメンとしても大きな話題となり、「インスタント」という言葉は社会的な流行語にこのブームを受け、森永製菓は1959(昭和34)年の創業60周年を前に、日本初の国産インスタント・コーヒーの製造設備導入に踏み切りました。

当時の日本人ひとりあたりのコーヒー消費量は、アメリカ人の100分の 以下でしたが、森永はこの需要は必ず増えると予想していました。

そして、デンマークに発注した設備を用いて、1960年にインスタント・コーヒーの第1号製品が発売されました。その新製品は、当時、世界でも珍しい100%ピュア原料の高品質なもの。 1杯あたり約10 円という低価格も魅力でした。このインスタント・コーヒーは、マスコミに大きく取り上げられたことや、時代にマッチした広告の効果もあって、発売直後から大ブームを巻き起こしました。コーヒー豆を挽いてドリップする手間が省けるというのは、多忙な日本人にとって、まさに革命的な商品だったのです。

■発売当時のキャッチコピーは…?

森永製菓のインスタント・コーヒーは、「タッタ… 5 秒でホンモノの味」というキャッチコピーも大きな話題となりました。森永製菓はその後も多くのフレーバーを開発し、インスタント・コーヒー市場をリードしていきます。

■コーヒーにまつわるほかの記念日は?

・ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日  …1月9日
ジャマイカコーヒー輸入協議会が制定した杵日です。ジャマイカ産コーヒーの最大の需要国である日本とジャマイカの関係を大切に、ジャマイカ産コーヒーの名物である「ブルーマウンテンコーヒー」のさらなる普及を目的としています。日付は、ジャマイカ産コーヒーがキングストン港より日本向けに初めて1400袋(1袋は約60Kg)もの大型出荷をした1967年1月9日に由来します。

・エスプレッソの日  …4月16日
コーヒーマシンなどを手がけるデロンギ・ジャパン株式会社が制定しました。イタリアの豊かなカフェ文化のひとつであるエスプレッソの普及が目的です。日付はイタリア国際カフェテイスティング協会が定めた「イタリア エスプレッソ デー」を、日本で最初に行った日が由来。

・ドリップコーヒーの日  …10月22日
神奈川県横浜市に本社を置き、コーヒーなどの通信販売を手がける株式会社ブルックスが制定した記念日です。誰でも簡単に、おいしく入れられるドリップバッグコーヒーのよさを多くの人に知ってもらうことを目的としています。日付は秋が深まり、よりドリップコーヒーが美味しくなる時期と、10と22を「ド(10)リップコーヒーを、ふぅ~ふぅ~(22)しながら飲んで、心も体も温まってもらいたい」との思いから決まったそうです。

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忙しい朝など、時間がないときに手軽に楽しめるインスタント・コーヒーは、現代人の日常にもはや欠かせない存在です。お湯を注ぐだけでカフェ気分を味わえるのは、嬉しいですね。ぜひ、ご自分の「お気に入りの一杯」を見つけてくださいね。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /モリナガデジタルミュージアム(https://www.morinaga.co.jp/museum/history/detail/product/80) /コーヒー豆研究所(https://coffee-labo.co.jp/super-delicious-instant-coffee/?srsltid=AfmBOooJSxz4HshvzEdisazNsuU3OQd0HkmGVbp7Uk8g1a5tRuShcsKK) :