「ぞくぼう」ではありません!「嘱望」ってなんと読む?
明日、8月12日は、国連の定めた国際デーのひとつ『国際青少年デー』です。若者たちの力と可能性をたたえる日…ということで、本日は、若者の前途を有望視する際に使う熟語から、日本語クイズをお送りします。
【問題1】「前途有為」ってなんと読む?
「前途有為」という四字熟語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「将来、活躍できる才能がある」という意味です。
<使用例>
「前途有為な若者たちの巣立ちを、共に祝いましょう」

さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 前途有為(ぜんとゆうい) です。

「有為(ゆうい)」は「能力があること」という意味で、単体でも「有為な若者」などと使える言葉です。同じ表記の「有為(うい)」と混同しやすいですが、こちらの意味は「仏教用語で、因縁によって起こる現象。生滅する現象世界の一切の事物」と、かなり哲学的でニュアンスの違う言葉です。
「有為転変(ういてんぺん)」という四字熟語もあるため、先に「有為(うい)」を連想する方が多いようですが、「有為(ゆうい)」という言い回しや、今回のクイズになった「前途有為(ぜんとゆうい)」、また「有為多望(ゆういたぼう)」などの四字熟語もぜひ覚えておいてください。スピーチなどで使われます。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「嘱望」ってなんと読む?
「嘱望」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「人の然と、将来に望みをかけること。期待すること」という意味です。
<使用例>
「若手の皆さんの羽ばたきを、おおいに嘱望しております」

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 嘱望(しょくぼう) です。

「嘱」の字は、「嘱望(しょくぼう)」のほか「嘱託(しょくたく)」などの熟語にも使われます。字のつくりに目が行き「ゾク」と誤読してしまうケースもあるようなので、お気を付けください。「嘱望(しょくぼう)」も、前途に期待を寄せる熟語として、スピーチに使われる定番の言い回しです。
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本日は、8月12日『国際青少年デー』にちなんで、若者の前途を有望視する熟語から、
・前途有為(ぜんとゆうい)
・嘱望(しょくぼう)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/国連広報センターホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱