「お盆」の正式名称「盂蘭盆」…読めますか?
明日・8月16日は「お盆」となる地域が多いので、本日は「お盆」に関連する日本語クイズをお送りします。過去に特に反響が大きかった言葉をピックアップし、切り口を変えておさらいしてまいります。
【問題1】「盂蘭盆」ってなんと読む?
「盂蘭盆」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:夏に先祖供養をする、いわゆる「お盆」のもとになっている言葉で、正式名称のような言い回しです。
<使用例>
「私の故郷がいちばん賑わうのは、送り火と花火大会がセットになった盂蘭盆祭のときです」

さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 盂蘭盆(うらぼん) です。

夏に死者の供養をする「盂蘭盆(うらぼん)」はもともと中国から伝わった仏教行事のひとつです。日本では『日本書紀』にも書かれている、606(推古14)年の宮中行事として行われたのが最初だという説が有力です。推古14年というと、日本初めての女性天皇といわれる推古天皇治世のもと、特に仏教を重んじた厩戸皇子(聖徳太子)が摂政として活躍したとされている時代ですね。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】お盆の「足をつけたキュウリやナス」…正式名称は?
お盆には、「足を付けたキュウリやナス」をお供えする慣習がございます。あの正式名称「精霊馬」の正しい読み方をお答えください。
ヒント:お盆に死者の供養のために設ける「精霊棚」の「精霊」も、同じ読み方をします。
<使用例>
「精霊馬は、キュウリを馬に、ナスを牛に見立てているのよ」


…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 精霊馬(しょうりょううま) です。

「精霊馬(しょうりょううま)」は、「盂蘭盆(うらぼん)」に設ける精霊棚(しょうりょうだな)に、位牌などとともに飾り供える「盆飾り(ぼんかざり)」と呼ばれるアイテムです。一般に、盆の入りから盆明けまでの期間(地域差がありますが、主に7月13日~16日や、8月13日~16日など)に飾ります。
キュウリの馬には、先祖の魂が「はやく戻って来られるように」、ナスの牛には「ゆっくりと帰るように」という願いを込めるものとされ、先祖の魂を歓迎するお供え物になります。
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本日は、8月16日の「お盆」にちなんで、関連ワードのおさらいクイズで、
・盂蘭盆(うらぼん)
・精霊馬(しょうりょううま)
の読み方、言葉の背景について、改めておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/『山川日本史小辞典改訂新版』(山川出版社)/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)/photo AC
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱