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【「高校野球の記念日」とは?由来】

8月18日は「高校野球の記念日」です。1915(大正4)年のこの日、大阪府豊中市の豊中球場(豊中グラウンド)で、第1回全国中等学校優勝野球大会が開会されました。この大会は現在の高校野球の前身となった出来事であるため、8月18日は「高校野球記念日」とも呼ばれています。


【ビジネス雑談に役立つ「高校野球」の雑学】

■「全国中等学校優勝野球大会」開催日が、なぜ「高校野球の記念日」に?

旧制中学校とは、明治時代から戦前の日本に存在した中等教育機関で、現在の高等学校に相当します。修業年限は5年で、高等小学校卒業程度の知識をもつ12歳以上の男子に入学資格がありました。そして、1948(昭和23)年の学制改革により、旧制中学校は廃止され、新制高等学校が発足しました。このため、学制改革後の第30回大会からは「全国中等学校優勝野球大会」も「全国高等学校優勝野球大会」と改称されたのです。ただし、大会名称が変更されたあとも、通算開催回数はそのまま引き継がれた数字でカウントされており、今年(2025年)は第107回大会となっています。

■第1回全国中等学校優勝野球大会で優勝したのは?

第1回全国中等学校優勝野球大会には、地区予選を勝ち抜いた10校が参加し、8月22日に決勝戦が行われました。京都二中(京都府立京都第二中学校/現在の京都府立鳥羽高等学校)と秋田中(秋田中学校/現在の秋田高校)との対決で、2-1で京都二中が優勝したそうです。

■「高校野球」の定義は?

「高校野球」とは、高等学校の対抗野球試合を指します。これはご存知ですよね! 高校の野球には軟式ボールを使った大会や、定時制高等学校の大会もありますが、高校野球といえば、硬式ボールで行われる春の選抜高等学校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟共催)と、夏の全国高等学校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟共催)が、その2大行事となっています。いずれも第2次世界大戦前は新聞社主催の中等学校野球大会として親しまれ、大学野球とともに日本での競技普及に大きく貢献しました。

そして1946(昭和21)年に日本高校野球連盟(高野連)が設立され、大会は新聞社との共催となり、48年の学制改革に伴って高校野球と呼ばれるようになりました。

■高校野球といえば甲子園。いつから固定の会場になった?

兵庫県西宮市にある阪神甲子園球場が会場になったのは、1924年(大正13年)の第10回大会から。現在では「甲子園」といえば高校野球を連想する人も多いのでは。

■「夏の高校野球」には、全国から何校が参加するの?

夏の大会は、1915(大正4)年に全国中等学校優勝野球大会として予選参加73校でスタートしました。その後、予選参加校数は増加の一途をたどり、1978(昭和53)年第60回大会ではついに3000校を突破。また同大会以降、全国47都道府県のすべてから49代表(東京と北海道は各2校)が甲子園に出場するようになりました。

参加校の最多数は、2002(平成14)年と03(平成15)年の4163校です。しかしながら、ここからは参加校数は徐々に坂道を下り始め、2012(平成24)年には3985校と4000校を割り込み、新型コロナ禍で全国大会が中止になった2020(令和2)年には3589校、さらに23(令和5)年には3486校、25(令和7)年時点では3396校となっています。

高野連は1982(昭和57)年以降、加盟校数、部員数を発表していますが、部員数は2014(平成26)年の17万314人をピークとして減少に転じ、今年の発表では12万5381人。高校野球児は、11年間で26.4%減少したことになります。参加校数が減少に転じた2012(平成24)年夏からは、高野連は部員不足の学校同士が組んでひとつのチームになる「連合チーム」を認可しました。

春の大会は1924(大正13)年に全国選抜中等学校野球大会として始まり、第2回大会以降甲子園で開催されています。この大会は、地区の勝抜き方式をとる夏の大会とは異なり、学校の品位や校風、さらには地域性といった要素をも加味した独特な選抜方法を特徴としています。「春の選抜甲子園」とも呼ばれますね。

■高校野球での恒例。甲子園の土を持ち帰るのはなぜ?

高校野球では毎回、負けた選手たちがグラウンドの土を拾い集める光景が見られますが、これは公式に許可されている行為だとご存知でしたか? 土を持ち帰るのは、悔しさや感謝の気持ちの表れであり、次のステージへの決意表明だともいわれています。1、2年生のなかには「もう一度戻ってくる」という気持ちを込めて、持ち帰らない選手もいるようです。実は甲子園の土の持ち帰りは、新型コロナウイルスの感染拡大以降、各校に控えるよう呼びかけられていましたが、高野連は2023(令和5)年大会から、再び土の持ち帰りを認めています。

甲子園球場の土には、火山灰を含む鹿児島の黒土や水はけのよい京都の砂などが混ぜられていて、夏の全国高校野球の期間中は、日々、黒土や砂が補充されているため、枯渇することはありません。

■高校野球で人気の応援曲は?

吹奏楽部を中心とした応援団も、高校野球のシンボルですね! スタンドを盛り上げる応援曲には、伝統的に引き継がれている定番曲があります。

代表的なのは。「紅(X JAPAN)」「タッチ(岩崎良美さん)」「狙いうち(山本リンダさん)」「サウスポー(ピンク・レディー)」「アフリカン・シンフォニー」「ルパン三世のテーマ」「宇宙戦艦ヤマト」など。どれもブラスバンドの演奏を聞くだけで、「今年も高校野球の季節か…」とわかる名曲揃いですが、昭和時代の曲が多い印象ですね!

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第107回全国高校野球選手権大会は8月5日に開幕されました。かつては夏の高校野球が始まると、「本格的に暑い夏の到来」という印象でしたが、近年では7月から暑さが厳しく、選手たちも応援する人たちも大変ですね。決勝戦は8月23日に行われ、全国高校野球の頂点が決定します。さまざまな話題となっている本大会、選手たちには熱戦を期待したいものです。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『世界大百科事典』(平凡社) :