人にはなかなか言えない、デリケートな口臭対策。ガムや飴、スプレーなどの消臭アイテムがあれば大丈夫だと思っていませんか?

お口のケアは、大切な大人の身だしなみのひとつ。特に口臭は人から指摘されにくく、しかも自分でも気づきにくいため、なおさら日ごろからきちんとケアをしておきたいものですよね。

「歯科医視点のアンチエイジング」でTVや雑誌、全国での講演で活躍中の宝田恭子先生によると、日ごろのちょっとした生活習慣を改善することで、口臭予防はもちろん、見た目をより若々しくキレイに変えてくれる効果があるのだそう。この機会に正しい知識を身につけて、美容と健康のためにも、口臭予防を実践してみましょう。

人に言えない口臭の悩みを解決!さらに若返りも叶える、唾液の力とは?

口の中が唾液で潤っていれば、口臭だけでなく肌ツヤUP!

口臭の主な原因は、口の中の汚れを細菌が分解するときに発生するガスだといわれています。特に女性の場合はホルモンの影響を受けるため、生理のとき、妊娠中、更年期など人により口臭がきつくなることも…。

そこで口臭をケアするのに必要なのが「唾液」の力。唾液は口の中の汚れを取り除いて、口臭や虫歯、歯周病の元となる細菌の繁殖を抑えてくれる働きがあるのです。

「口臭は、病的なものではない限り、コントロール次第で人に不快感を与えないようにすることは可能です。口の中のにおいは常に変化していて、ピークは朝目覚めた時。寝ている間に唾液の分泌が減って細菌が増殖するため、誰でもにおいが強くなります。ですから、朝食は毎日きちんと取るようにしましょう。舌や体が動き出すと唾液腺も活発になって、においが軽減されますよ。また、昼食前や夕食前も口臭が発生しやすいタイミング。人は空腹になると、唾液が少なくなって口の中が乾燥し、口臭が発生します。そんな時は応急処置として、水を飲んで口臭レベルを落とすといいですよ」と宝田先生。

また、唾液には老化の原因とされる活性酸素を除去したり、食べ物の消化を助けてくれる役割も。「腸や体に負担をかけずに消化されれば腸の調子がよくなり、代謝が上がって太りにくい体質になったり、肌のツヤがよくなるなど、内側からの美しさを保つことができるのです」。

「ながら食い」「早食い」はNG! 口臭を招く5つのNG習慣

食事の仕方によっては口臭の原因に…

食事の仕方や生活習慣によって、日ごろから口臭ケアを意識していても、自分でも気づかないうちに口臭を悪化させていることもあるそう。口臭を促進させてしまう5つの「NG習慣」を教えていただきました。

■1:よく噛まずに食べる

やわらかい食べ物ばかり食べていると、そしゃく数が減り、唾液の分泌量が減ってしまいます。「ながら食い」「早食い」もよく噛まないことにつながる食べ方に。

■2:食事中に水、お茶を飲む

食事中に食べ物を水やお茶で流し込むように飲んでいる習慣があると、唾液が薄まったり、分泌量が減るためNGだそう。

■3:お茶やコーヒーのカフェイン摂取&つくりおき

緑茶、紅茶、コーヒーに含まれるカフェインには、唾液の分泌を妨げる性質が。また、お茶をいれてから時間が経つと酸化してにおいが発生しやすくなるため、つくりおきや一度につくって何杯も飲むのはマイナスです。

■4:口呼吸

口を開けたままの呼吸が習慣化すると、口の中が乾いて唾液が蒸発しやすく口臭の原因に。

■5:酸っぱいフルーツ

柑橘類など、酸性の強いフルーツの食べ過ぎに注意。口の中が酸性に傾くとにおいがきつくなるため、食べた後は水で口をゆすぎましょう。

これらの習慣は、口臭だけでなく虫歯や歯周病にもつながるそうで、毎日の歯磨きはもちろん、しっかり唾液を出し、よく噛んで食べ物と絡ませながら食べることが最も簡単で効果的なセルフコントロールとなるのだとか。また、噛めば唾液の量が増えるだけでなく、口元や頬の筋肉も鍛えられるので顔のたるみ対策にも効果的だそう(顔のたるみ対策には、姿勢よく食べることが前提です)。

玄米や食物繊維が豊富な根菜、ナッツ類など、固い食べ物を1回の食事に意識して取り入れるとよいそうです。

今日から始めたい! 唾液の分泌を促す「唾液腺マッサージ」

首の下を刺激すると、唾液がジワーッとでてくる

口臭予防のアイテムには水や飴、ガムなどがありますが、これらは一時的なケアには効果があっても、過剰な摂りすぎは唾液を出す機能が低下する原因になるのだそう。

「人間の体の機能は、年齢にかかわらず使わないと衰えていきます。唾液腺については『使えば衰えない』と、学説が塗り替わりました。そこでおすすめしているのが『唾液腺マッサージ』です。唾液腺は主に耳下と首の下にあって、外側から優しく刺激することで唾液の分泌を促します。人さし指と中指を耳の裏に置き、そのまま顎まで、下の付け根を意識しながらさすったり、軽く押すようにマッサージしましょう。唾液が出てくるのを感じるまで繰り返すことがポイントです」

唾液の量は、普段の生活の中でのちょっとした心がけで増やすことが可能のよう。毎日続けて、日ごろから自分の体の機能を確認しておくことが大切です。

口臭対策にはもちろん、美容と健康のためにも意識して取り入れてみてはいかがでしょうか。

シリーズ「大人のデンタルケア」

宝田恭子さん
歯科医師
(たからだ きょうこ)宝田歯科医院院長。日本アンチエイジング歯科学会監事、睡眠改善インストラクター。1956年東京都生まれ。従来の歯科医療に、口元の筋肉を中心とした表情筋を鍛えるトレーニングを取り入れ、口元からトータルに考えた健康法、美容法が話題に。テレビ、雑誌、講演などで活躍。『唾液美人でエイジレス&きれい』(インプレス)ほか、著書多数。
この記事の執筆者
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WRITING :
廣瀬真理子
EDIT :
渋谷香菜子