「弓手(ゆんで)」は左手、では、右手はなんと言う?
明日、8月28日は、日本初の国産のバイオリンが完成した日、といわれております。1880(明治13)年のこの日、東京・深川の三味線職人、松永貞次郎氏が、国産初のバイオリンを完成させました。バイオリンと言えば、弓で弾く、という特徴がございますので、本日は「弓」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「弓手」の反対語は?
その昔、「左手」を意味する言葉に「弓手(ゆんで)」という言葉が使われておりました。では、この場合の「右手」の言い回しとして正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。
1:持手
2:矢手
3:馬手

さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 3:馬手(めて) です。

右手は馬を手綱を操るので「馬手(めて)」、左手はその際に弓を持つほうの手なので「弓手(ゆんで)」という呼び方です。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「弓形」ってなんと読む?
「弓形」の読み方として正しくなるよう、「○○○り」の○に、それぞれ、かな1文字ずつあてはめて完成させてください。
ヒント:「弦を張った弓のような形。弓形(ゆみがた)」を言う、昔からの言い回しです。
<使用例>
「あなたの眉って、整えなくても美しい弓形(○○○り)で、うらやましいわ」

さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 弓形(ゆみなり) です。

本シリーズの過去回で「身形(みなり)」「道形(みちなり)」など、「形(なり)」という言い回しを何度か扱いました。言葉そのものは、どれもそれなりにポピュラーですので、「形」にこのような読み方があること、心に留め置いてくださいね。
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本日は、8月28日、初の国産バイオリンが誕生した日にちなんで、「弓」という字の入った日本語から、
・弓手(ゆんで) ⇔ 馬手(めて)
という豆知識と、
・弓形(ゆみなり)
の読み方、言葉の背景などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/東京新聞ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱