「しょうしょう」とも読みますが・・・「悄悄(○○○○)」、なんと読む?
明日、9月21日は、世界中で愛される詩や児童文学作品を遺した、宮沢賢治の忌日です。1933(昭和8)年のこの日、37歳の若さでこの世を去った天才は、実は、生前は文学者としての才能を十分に認められておらず、刊行された著書は『春と修羅』、『注文の多い料理店』のたった2冊でした。今や代表作として知らぬ人のいない『雨ニモ負ケズ』『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』などは、賢治の死後、その才を惜しむ人々の手によって世に発表されたのです。なんとも数奇で、せつないですね。
宮沢賢治の作品には、臨場感のある擬態語が多く使用されておりますので、本日は、辞書に掲載されている「擬態語」から日本語クイズをお送りします。
【問題1】「諄諄」ってなんと読む?
「諄諄」の、読みがな4文字の、擬態語としての正しい読み方をお答えください。
ヒント:「話などをしくこく繰り返していうさま」「思いきりの悪いさま」を表す言葉です。
<使用例>
「話が諄諄(○○○○)と長すぎると、何が要点なのか、かえってわかりにくくなるわ」

さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 諄諄(くどくど) です。

「諄諄(じゅんじゅん)」と読むと「よくわかるようにくり返し、丁寧に教える様子」という意味になります。「諄」は「丁寧」「繰り返す」などの意味をもつ字で、「諄(あつ)い」「諄(ねんご)ろ)」と読むとポジティブな意味に、「諄(くど)い」と読むとネガティブな意味になります。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「悄悄」ってなんと読む?
「悄悄」読みがな4文字の、擬態語としての正しい読み方をお答えください。
ヒント:「気落ちして元気がないさま。また、元気なく、その場を立ち去るさま」を表す言葉です。
<使用例>
「このまま尻尾を巻いて悄悄(○○○○)と立ち去るわけにはいかないわ!」

さて、正解は?
※画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 悄悄(すごすご/しおしお) です。

「悄悄」は、「しょうしょう」と読むと「静かでもの寂しいさま」「元気がなく打ちしおれているさま」という意味になります。「悄」は「憂える、しおれる」「ひっそり」「厳しい、激しい」などの意味を内包する字で、「悄気(しょげ)る」という単語にも使われる字です。「悄悄(すごすご/しおしお)」は、ふたつとも意訳的な読み方による擬態語です。
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本日は、9月21日、宮沢賢治の忌日にちなんで、辞書に掲載されている「擬態語」から、
・諄諄(くどくど)
・悄悄(すごすご/しおしお)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/花巻市ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱