【目次】

「ミステリー記念日」とは?由来】

■いつ?

「ミステリー記念日」は10月7日です。

■由来

1849年10月7日、アメリカのミステリー作家、エドガー・アラン・ポー(エドガー・A・ポーとも表記) が亡くなったことに由来します。

ポーは“世界で初めての推理小説作家”といわれる人物。アメリカのみならず、世界中の小説好きや映画ファンを長いあいだ魅了し続けています。

日本では、彼の作品そのものよりも、「日本の推理作家・江戸川乱歩のペンネームの由来となった人」としての印象が強いかもしれませんね。

ちなみに、「ミステリー記念日」は 日本独自の記念日 です。


ビジネス雑談に役立つ「ミステリー」にまつわる雑学】

■「ミステリー小説」って?

「ミステリー」を『デジタル大辞泉』で引くと、【(1)神秘的なこと。不可思議。謎。怪奇。(2)推理小説。(3)秘跡劇。聖史劇。】とあります。
つまり、「ミステリー」という言葉だけでも、小説作品そのものを指すことがあるのです。

また、『角川類語新辞典』には【広い意味での推理小説。本格物・倒叙物・法廷物・ハードボイルド物など】と記載されています。

■「ミステリー小説」と「推理小説」は違う?

明確な違いは定かではなく、上記の『角川類語新辞典』にもあるように、同義として扱われることが多いようです。

ただ、「推理小説」の着地点は“謎解き”にあります。一方で「ミステリー小説」には、神霊・心霊・怪奇現象など、科学的・物理的に解明できない謎を扱うものも含まれます

「推理小説」は、警察や探偵、法廷などが中心となり、状況や物的証拠、証言、告白などをもとに論理的に事件を解決していくのが特徴です。
大雑把に言えば――“もやっとした余韻が残っても面白い”のが「ミステリー小説」、 “気持ちよくスッキリ解決する”のが「推理小説」と言えるかもしれません。

■日本初の推理小説

文芸や芸術作品のジャンルを明確に定義づけるのは難しく、「日本初の推理小説」についても諸説あります。

そのひとつが、明治21年(1888)に須藤南翠が発表した『殺人犯』。また、翌年に黒岩涙香が発表した『無惨』は、日本初の探偵小説といわれています。
ただし、「推理小説」と「探偵小説」の境界は曖昧で、どちらを“最初”とするかは研究者によって見解が分かれています。

■世界初のミステリー小説は?

もちろん、ミステリー記念日の由来となったエドガー・アラン・ポーの作品。1841年に発表された短編小説『モルグ街の殺人』です。パリで起きた母娘殺害事件を、名探偵デュパンが鋭い観察力と論理的推理で解明。犯人の意外性も衝撃を呼びました。

■最も売れているのは?

日本のミステリー(推理)小説で、もっとも売れているシリーズは2025年7月時点で東野圭吾の『マスカレード』シリーズです。
2011年9月にシリーズ第1作『マスカレード・ホテル』が刊行されて以来、『マスカレード・イヴ』『マスカレード・ナイト』『マスカレード・ゲーム』、そして最新作『マスカレード・ライフ』まで、累計発行部数は550万部を突破しています。

また、2024年に最も売れたミステリー小説は、覆面作家・雨穴による『変な家』。間宮祥太朗さん主演で映画化もされ、大きな話題を呼びました。

■昭和、平成、令和のミステリー作家

ミステリーや推理小説のロジックは、時代とともに進化してきました。
現代と、最初の東京オリンピックが開催された昭和39年(1964年)では、生活様式も価値観もまったく異なりますから…。それぞれの時代を代表する作家を挙げてみましょう。

・昭和時代:『砂の器』『点と線』『ゼロの焦点』などの社会派ミステリーを得意とした松本清張さん、『犬神家の一族』『悪魔が来りて笛を吹く』『八つ墓村』と金田一耕助シリーズの森村誠一さんが二大巨頭と言えるでしょう。

・平成時代:『理由』『火車』『楽園』『模倣犯』などの宮部みゆきさんと、東野圭吾さんで間違いないでしょう。いずれも現役作家として、平成から令和と、時代をまたいで長く第一線で活躍を続けています。

・現代:令和7年現在で、令和を代表する作家として注目されてるのが、令和5年に短編集『#真相をお話しします』が本屋大賞にノミネートされた結城真一郎さん、令和6年に日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞した荻堂顕さんなどです。

■世界三大ミステリーとは?

小説のことではなく、「マヤ文明の謎」ネアンデルタール人の絶滅」「アトランティスの謎」を指すことが多いようです。いずれも非常に高度な文明がなぜ滅亡したのか?が、今なお明らかになっていない、世界史上の大きな謎です。
なお、「ピラミッドの建設方法」「モアイ像の謎」などを含める説もあり、定義はひとつではありません。
非常に高度な文明がなぜ滅びたのか――先の見えない社会に多くの人が不安を感じずにいられない現代、気になりますね。

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終わりが見えなさそうな猛暑が続いていましたが、ようやくグッと涼しくなってきました。蝉ではない虫の音を聴きながら、ゆっくりと読書を楽しみたい季節ですね。ミステリー小説に夢中になって寝不足にならないようご注意を――。「読書の秋」が、まだ“死語”になりませんように。

この記事の執筆者
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