【目次】

「熟成肉の日」とは?由来

■いつ?

10月9日を「熟成肉の日」としています。

■由来

「熟成」を「10(じゅ)9(く)」と読んだ語呂合わせから、10月9日になりました。

■誰が決めた?

国産の黒毛和牛本来の美味しさを提供する「但馬屋」などの焼肉店やステーキ店を展開する、株式会社牛心(大阪府大阪市)が制定。同社では牛一頭を丸ごと仕入れ、温度や湿度などを厳しく管理、数十日間熟成させて「熟成肉」として提供しています。この「熟成肉の日」は日本記念日協会で認定されています。

■10月9 日は「センギューの日」でもあります!

10月9日を4桁の数字で「1009」と表して「センキュー」と読んだのが、仙台牛銘柄推進協議会と全国農業協同組合連合会宮城県本部。霜降りと赤身のバランスやきめの細かさなど、厳しい基準をクリアした最高ランクに格付けされた仙台牛を略して「仙牛(センギュウ)と読むことから、10月9日は「仙台牛の日」でもあるのです。


ビジネス雑談に役立つ「熟成肉」にまつわる雑学】

■「熟成肉」とは?

生肉を腐敗させることなく、一定期間寝かせて熟成させ、うま味や甘味、香りなどを凝縮させた肉のこと。2010年代に日本でも「熟成肉ステーキハウス」などが次々と続出し、“”熟成肉ブーム”が始まりました。

■熟成肉は腐ってるの?発酵してるの?国によって違う熟成肉のスタイル

一般に熟成肉といえば牛肉を乾燥熟成させたものを指します。発祥の地、アメリカでは「ドライエイジングビーフ(略称DAB)」と言います。

これは、温度約1℃・湿度70〜80%に保たれた保管庫に、肉の塊を吊るして強い風を当て、乾燥させながら熟成させる方法。熟成肉の種類には牛肉や羊肉、鹿肉などがありますが、いずれも熟成するとうま味が増すうえ、繊維質が分解され柔らかくなって食べやすくなります。ちなみに、「ドライ」といってもビーフジャーキーのようにカチカチなのは「干し肉」で、熟成肉とは異なります。

また、布などで肉を包んで乾燥を抑えながら、低温で1~2月ほどかけて寝かせる「ウェットエイジング(湿潤熟成)」と呼ばれる熟成法もあり、日本のレストランでも多く採用されています。

■美容や健康にもいい!?

熟成肉の代表格はやっぱり牛肉!

良質なたんぱく質の宝庫である牛肉には20数種類のアミノ酸がバランスよく含まれています。

特に熟成肉に適しているのは、脂身の多いロースやさしがたっぷり入った部位ではなく、脂肪が少ない分、たんぱく質、ビタミン、ミネラルが多い赤身肉。熟成させるとたんぱく質が酵素や菌のはたらきによってアミノ酸に分解され、約40日間の熟成でアミノ酸が5~6倍も増えるのだそう。

アミノ酸は筋肉や骨、髪の毛、皮膚、脳の神経伝達物質などを作る材料になるので、牛の熟成肉は美容や健康にも役立つといえるのです。

■「熟成」「発酵」「腐敗」の違い

もともと肉や食品に含まれる酵素や細菌などを利用して、うま味や風味を出したり柔らかくするなど、品質を向上させるための工程を「熟成」といいます。

微生物の作用によって有機物が分解されるとなんらかの物質が生成されますが、それが人間にとって有益である場合は「発酵」、害がある場合を「腐敗」と言います。

■なぜ高価? 熟成肉のメリットとデメリット

熟成肉は他の生肉と比べて割高だと感じる人は少なくないでしょう。これは熟成中に肉が保有していた水分が抜けて重量が減少し、可食部が少なくなるから。熟成過程で肉の表面に付着したカビや微生物は取り除かなくてはならず、その手間も価格に影響します。

さらに高品質な肉を仕入れて安全に熟成させるための環境維持など、設備投資にもコストがかかるため、価格が高くなる傾向があります。

熟成肉のメリットとデメリットを確認してみましょう。

・メリット:うまみ、香り、柔らかさが増す。美容や健康にいい

・デメリット:熟成には時間と手間、知識が必要。可食部が減り、コスト高になる

■世界一の熟成肉は何日寝かせた肉?

長期熟成では100日寝かせた肉も存在します。これは味噌漬けしたような独特の風味、うま味、そして、とろけるようなやわらかな食感なのだとか。

まあ、生ハムも熟成肉の一種。イベリコ豚ベジョータの血統100%である「5年熟成生ハム」は、なんと1本142万9,000円で販売され、「世界一高級な生ハム」としてギネス世界記録に認定されています

■ギフト需要に熟成肉!

5年熟成のイベリコ豚や30か月熟成・18ヶ月熟成など、複数の熟成期間を食べ比べできるギフトセットも登場。例えば50g(Sサイズの卵1個分程度!)で1万4,000円といった高級ラインもあります。「ギフトとしてお肉をいただく」のはテンションが上がる体験ですが、特に「美容や健康にもよく希少」という熟成肉は、特別な日の贈り物としても注目を集めています。

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市販の熟成肉は、正しい品質管理のもと適切な状態に保たれています。冷蔵保存といっても腐敗は進むので、安易に家庭の冷蔵庫で熟成肉をつくる(生肉を長期保存する)のは危険です。また、購入後は記載された保存方法に従い、賞味期限を守っておいしいうちにいただきましょう。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館) :