やわらかに瞬きながら舞う光が涼しげな初夏の風物詩、ホタル。近年ではホタルを観賞できるところが少なくなったとも言われており、「ここ数年は見ていない」という方も多いのではないでしょうか。そんなホタルを保護し増やそうと環境づくりをしている地域や庭園もあり、地域によっては観賞できるホタルの数が増えてきているところもあるそう。
そこで今回は、関東近郊でホタルを楽しめるスポットを5つご紹介します。庭園でホタルを眺め、初夏の味覚をいただくグルメスポットやホタル観賞できる温泉スポット。さらに、のどかな自然の中で本格的にホタルを楽しみたい方には、1,000匹ものホタルの灯りが見られる地域や、ゲンジボタルとヘイケボタルの2種類の乱舞が同時に見られるスポットまで。
環境に敏感なホタルが見られるということは、水や空気が澄んでいる証拠です。ホタルの明かりに癒されながら、胸いっぱいに空気を吸ってリラックスする夕べで、今年の夏をはじめませんか?
■1:昭和の森車屋「蛍の夕べ」@東京都・昭島市
数寄屋造の料亭で日本料理と楽しむホタル
池を配した庭園を眺めながら食事を楽しめる、数寄屋造りの日本料理店「昭和の森車屋」。7月6日(金)〜7月16日(月)の期間中は、夕食に来店した方限定で特別観賞室から庭園に舞うヘイケボタルを見られます。
お料理は、会席やしゃぶしゃぶ、すき焼き、ヒレ鉄板焼きなどが用意されています。中でも、「桐、雪、月、花、葵、限定の会席」と6種類用意されている会席の献立は、旬の食材を生かし、初夏を味覚で感じられます。
28名乗りのマイクロバスもあり、事前の予約でバス送迎も受けられるそう。親戚や友人と集まり、静かな空間で季節の日本料理に舌鼓を打ちながらホタルを愛でれば、ほっとひと息ついていつもとは違う会話も弾みそうです。
開催情報
昭和の森 車屋「蛍の夕べ」
期間/2018年7月6日(金)〜16日(月)
時間/17:00〜22:00(L.O. 21:00)※20:00ごろが見頃です
予約の有無/要予約
料金/会席 ¥6,000〜(税サ別) ※ご予約のメニューにより異なります ※お食事代のみで、ホタル観賞は無料です
住所/東京都昭島市昭和の森フォレスト・イン昭和館1F
URL http://kuruma-ya.co.jp/event/4221.html
■2:ホテル椿山荘東京の「ほたるの夕べディナーブッフェ2018」@東京都・文京区
「都会のオアシス」に舞うホタルと贅沢ブッフェを楽しむ夜
広大な庭園でホタルが見られる5月下旬〜7月初旬にかけて、ホテル椿山荘東京では期間限定のディナーブッフェ「ほたるの夕べディナーブッフェ2018 〜記憶に残る、特別な日」が開催されます。
都会にありながら、豊かな緑にあふれ地下水の湧き出るホテル椿山荘東京の庭園。「都会のオアシス」ともいえるこの庭園では、毎年5月下旬になるとゲンジボタルのやわらかな光が瞬きます。
今年のブッフェには、毎年好評の「サーロインローストビーフ」が登場。目の前で取り分けてもらえます。
さらに今年の注目は、海の高級食材「鮑」を使った料理の数々。中華の王道オイスターソース煮込みや握り寿司、ミニ丼ぶり、酒蒸しの4つのメニューで贅沢に登場します。
ほかにも、ひつまぶしで味わう「鰻料理」や特製ビーフシチューなどのホテル伝統料理も並びます。デザートには、チェリーソースを青い炎でフランベする演出を楽しめる「チェリージュビレ」や、自分で好みのパフェをつくる楽しみも用意されているそう。
庭園で涼みながらホタルを見つけて目で楽しみ、一流ホテルのブッフェで好きなものを好きなだけいただく贅沢な夕べを楽しみませんか?
開催情報
ホテル椿山荘東京「ほたるの夕べ ディナーブッフェ2018」
期間/2018年5月18日(金)〜7月3日(火) ※予約人数が最小催行人数に満たない場合、取り止めになる場合もあります
時間/食事 19:00〜21:00
※受付は開催の約30分前から開始します
※日にちにより開催時間が異なります(18:00〜20:00、18:30〜20:30、19:30〜21:30)
※詳しくはホテル公式webサイトをご覧の上、予約時にご確認ください
予約の有無/要予約
料金/月〜木:大人¥9,800・小学生¥4,300・幼児(3歳〜)¥2,300、
金土日:大人¥10,300・小学生 ¥4,500・幼児(3歳〜) ¥2,500
住所/東京都文京区関口2-10-8
URL https://hotel-chinzanso-tokyo.jp/event/plan/805a7a5707c8487.html
■3:万葉公園の「ほたるの宴・花菖蒲展」@神奈川県・湯河原町
温泉地で感じる日本の初夏
言わずと知れた温泉地、湯河原。その温泉街の中心にある「万葉公園」で、6月上旬に「ほたるの宴」が開催されます。また、同時期に咲く花菖蒲を展示した「花菖蒲展」も同時開催予定です。
万葉公園のホタルは、公園内の「ほたる小屋」で飼育した幼虫を、3月中旬に湯河原小学校1年生の手によって放流したもの。放流された幼虫が自然に成虫となり、やわらかな明かりを灯します。
同時開催される「花菖蒲展」では、万葉公園入り口に立つ観光会館の多目的広場を菖蒲園に見立てて様々な花菖蒲が展示されます。その数は、開催期間を通して約160種類4,000鉢にもなるのだそう。
万葉集で詠まれた温泉街でゆったり温泉に癒されながら、花菖蒲とホタルで日本の初夏を満喫してみませんか?
開催情報
万葉公園「ほたるの宴・花菖蒲展」
期間/2018年6月1日(金)〜13日(水)
時間/19:30〜21:00(花菖蒲展は10:00〜)
予約の有無/不要
入園料/無料
住所/神奈川県足柄下郡湯河原町宮上566
URL http://www.yugawara.or.jp/event/hotaru/index.php
■4:「名草ホタルまつり」@栃木県・名草町
1,000匹のホタルを地域全体で楽しむ
栃木県足利市の繁華街から車で20分ほど離れた場所にある、自然豊かな名草町。ここで毎年開催されている「名草ホタルまつり」が、今年も6月10日(日)〜30日(土)に行われます。
名草町では地域の人々が1986年に「名草源氏ホタル保存会」を発足し、ゲンジボタルの養殖や保護など、ボランティアでホタルを守る活動に取り組んでいるそう。その活動が評価され、平成元年に当たる1989年には、環境庁(現・環境省)から「ふるさと生きものの里」に認定されました。
毎年、地域をあげて開催される「名草ホタルまつり」は今年で第30回を迎えます。ホタルの数は地域の人々の活動で少しずつ増え、今では約1,000匹ものゲンジボタルが夜空に舞う姿が見られます。
名草上町自治会館、名草中町自治会館では、特にホタルが見やすい場所を案内してもらえます。また、ゲンジボタル観賞のほかにも地元の農産物の販売もあるそう。景色でも味覚でも、美しい自然を体感できます。
開催情報
名草町全般「名草ホタルまつり」
期間/2018年6月10日(日)〜30日(土)
時間/19:30頃〜21:30頃
予約の有無/不要
料金/無料
住所/栃木県足利市名草上町他、名草川沿い(名草町全般)
URL http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/page/na-hotaru.html
■5:「月夜野ホタルの里遊歩道」@群馬県・みなかみ町
ゲンジボタルとヘイケボタルの同時乱舞が見られる
温泉と谷川岳をはじめとする豊かな自然で知られ、ユネスコエコパークに登録されている群馬県利根郡みなかみ町では、町内各所でホタルが見られるそう。中でも、上越新幹線・上毛高原駅近くにある「月夜野ホタルの里遊歩道」では、全国でも珍しいゲンジボタルとヘイケホタルの同時乱舞が見られます。6月上旬にゲンジボタルが舞いはじめ、6月下旬からヘイケホタルが見られるため、ホタルを楽しめる期間が長いのも特徴です。
今年のホタル観賞期間は6月16日(土)〜7月15日(日)の20:00〜21:00。地元のボランティア「月夜野ホタルを守る会」のスタッフが、コースの各所でホタルを観賞しやすいポイントをガイドしてくれるそう。
また、6月23日(土)には、第12回となる「月夜野ホタル観賞の夕べ」が開催されます。屋台やライブ、群馬のゆるキャラとの交流会など盛りだくさんに遊んでから、ホタルの観賞に出かける週末は、思い出の1日となること間違いなしです。
開催情報
みなかみ町「月夜野ホタルの里遊歩道」
ホタル観賞期間/2018年6月16日(土)〜7月15日(日)
時間/20:00〜21:00
予約の有無/不要
料金/無料
住所/群馬県利根郡みなかみ町月夜野1774-1
※上野毛高原駅 観光センターの住所です
※車は駅の駐車場を利用
「月夜野ホタル観賞の夕べ」
期間/2018年6月23日(土)
時間/12:00〜
予約の有無/不要
料金/無料
会場/矢瀬親水公園
住所/群馬県利根郡みなかみ町月夜野2936
URL http://www.enjoy-minakami.jp/event.php?itemid=1243
以上、関東近郊でホタルを観賞できるスポットを5つご紹介しました。
非常に繊細なホタルは、環境はもちろん強い光にも敏感です。満月の光でも光が弱まってしまうというほどなのだとか。そのため、フラッシュを使った写真撮影や懐中電灯の使用は、ホタル観賞ではNG。幻想的にふわふわと舞う光は、ファインダーや画面を通さず自身の目に焼き付けましょう。
今年は少し足を伸ばして、ゆったりと夕闇とホタルの明かりを眺める風流な夕べを楽しんでみませんか?
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- EDIT&WRITING :
- 廣瀬 翼(東京通信社)