エレガンスとは何か? 常に理想の女性像を追い求めてきたPreciousは、22年という歴史のなかで、さまざまな女性たちから多くのことを学んできました。凛とした姿勢、品格ある立ち居振舞、矜持に満ちた生き方…。
『Precious』4月号では〈創刊22周年企画〉として【「美しい佇まい」こそ、真のエレガンス】と題して、創刊以来語り継いできたPreciousの美意識、そこに漂う「美しい佇まい」について、改めて考えてみました。
今回はそのなかから、グレース・ケリーやマリサ・ベレソン、島田順子さんなど、これまでPreciousがフォーカスしてきた5人の女性たちの人生哲学を、当時の誌面と共にご紹介するコラムをお届けします。
「エレガンスを生きる人」のフィロソフィに触れて
往年の女優や先達たちの人生から垣間見える、仕事や人生に対する真摯な姿勢を、これまでPreciousでは深く掘り下げてきました。特に働く女性たちに影響を与えた、5人の人生哲学を改めて見てみましょう。
【Junko Shimada(島田順子)】エレガンスを一瞬たりとも諦めない強さに感銘
自らの名を冠したブランド“JUNKO SHIMADA”で、パリコレクションに参加し続けて40年以上。80代の現在も現役かつ、第一線で活躍するファッションデザイナー。本誌の特集では、島田さんのチャーミングな人柄とおしゃれの秘密に迫った。
【Sofia Coppola(ソフィア・コッポラ)】クリエイティブに働く現代の母親像の象徴
アメリカ出身の映画監督・脚本家。巨匠フランシス・フォード・コッポラを父にもち、ガールズカルチャーを牽引する存在として20代前半から世界で活躍。抜群のセンスでファッションアイコンとしても注目され続け、PreciousのSNAP企画の常連でもある。2021年には単独で特集し、魅力を改めてひもといた。
【Grace Kelly(グレース・ケリー)】時代を超えて愛される気品と純粋の化身
ヒッチコック作品などで女優として活躍したのち、モナコ公国の公妃に。“グレース・エレガンス”と絶賛された、圧倒的な品格の持ち主。フェミニン派のお手本として、上品かつクラシカルな着こなしをひもとくファッション企画も実施。名品と生きた女性としてもたびたび取り上げた。
【Marisa Berenson(マリサ・ベレンソン)】成熟した大人の魅力はすべてこの人から学んだ
1960年代末から米『VOGUE』の誌面を飾ったトップモデルであり、女優。映画『ベニスに死す』や『バリー・リンドン』などの名作映画に出演。比類なき美貌とオーラで、世界中を魅了した。時代を超える大人のファッションアイコンとして、70代になってからも“ディオール”などのパリコレクションに出席。
【Yuko Ando(安藤優子)】プレシャス世代を牽引する働く女性の第一人者
40年以上、第一線で活躍し続けるジャーナリスト。2020~2021年には、社会のニュースを解説する本誌連載「ニュースの核心」を担当したほか、時事問題について考える、不定期のジャーナリズム企画にも識者として出演。ファッションセンスが高く、TPOをわきまえた仕事服も注目されている。
自分の美意識を貫くまっすぐな女性は美しい!
「エレガンスを生きる」——それは、創刊から変わらないPreciousの揺るぎない美意識。取材やインタビューを通して、彼女たちの生き方をたどることで、その美しい佇まいの本質が見えてきました。
フェミニン派の象徴としてたびたび取り上げたのは、グレース・ケリーでした。女優からモナコ公妃への転身は、自ら人生を切り拓いた自立した精神の表れ。気高い佇まいには、「大人のおしゃれは、品格があってこそ輝く」というフィロソフィが感じられます。また、彼女が愛したアイテムが時代を超える名品揃いである点にも注目。のちに『ケリー』と呼ばれるバッグや、“グッチ”のフローラルモチーフなど、本物の価値を見抜く力も卓越していました。
エディターの藤田由美さんが、自身の携わった企画のなかで、エレガンスを生きるとはまさにこの人…と考えるのが、’70年代に人気を誇ったトップモデルで女優のマリサ・ベレンソンだとか。「伝統的な上流階級の出身らしい、ノーブルな美貌と気品ある佇まいで、多くの芸術家に愛されたミューズ。60代になってからも『ミラノ、愛に生きる』で、富豪のイタリアマダムとして登場。素のままと思わせるあまりのハマり役に圧倒されました。今もエレガントであり続ける姿に誰もが敬意を抱きます」
パリに憧れ、パリを愛し続けるデザイナー島田順子さんも藤田さんが感銘を受けたひとり。「直接お会いしてお話をうかがいましたが、フランス女性のエレガンスを追い求め、今なお近づこうと努力し続ける謙虚な姿勢や、年齢を重ねてもチャーミングで、ミニスカートやハイヒールをはいて仕事を続ける心意気は唯一無二。ぶれない女性像を求めて美意識を貫く、彼女の存在自体に感服しました」
新たな道を切り拓く働き方にも感化されて
現代を生きる等身大のミューズとして、クローズアップしたのがソフィア・コッポラです。偉大な父親をもちながらも、自らの実力でハリウッドを代表する映画監督・脚本家として活躍する彼女。最近はファッションブランドのデザインを手掛けるなど仕事の幅を広げています。その肩肘張らないしなやかな姿勢は、私服にも表れています。ふだんはデニム×ジャケットスタイルが定番。映画祭などの華やかな場でも、過度な露出はせず控えめで、洗練された気品を感じさせて…。女性として、また母として、クリエイティブな仕事に向き合い続けるタフな生き方も、共感を誘います。
安藤優子さんは、Preciousが描く理想のキャリア像を体現する存在。「仕事に向き合う前向きな姿勢はもちろん、柔軟な私生活にも、そして知的で凛とした着こなしにいつも刺激を受けました」と喜多容子(Precious エディトリアル・ディレクター)。男性中心のメディアの世界に揉まれながらも、確実にキャリアを積み上げていった安藤さんは、報道番組のメインキャスターも務めていたときに、大学院で学び直し、博士号を取得。現状に安住せず、さらなる高みを目指してアップデートしていく姿は圧巻。リアルな視点をもつ働く女性として、エレガンスの新たな道筋を示してくれました。
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- PHOTO :
- 小池紀行(CASK)
- EDIT&WRITING :
- 奥山碧子・喜多容子(Precious)

















