【目次】
【作業服の日とは?「由来」と「意味」】
■いつ?「由来」
3月29日は「作業服の日」です。これは作業服の通信販売などを手掛ける、まいど屋株式会社(本社:埼玉県川口市)が制定したもの。日付の由来は、「3」は作業の「さ」、「29」は服の「ふく」という語呂合わせです。
■「意味」
作業服のPRとともに、作業服を必要とする第二次産業従事者への感謝を示したもの。新年度の4月1日から、新しい作業服を着てさらに頑張ってもらいたいとの願いも込められています。
【作業服とは?役割と特徴をわかりやすく解説】
作業服を日常的に必要としている人もいれば、まったく縁がないという人もいるでしょう。けれど「作業服の日」にちなみ、その役割や種類などを知識としてチェックしてみましょう。
■作業服の機能・役割
作業服には、大きく分けて3つの重要な機能・役割があります。
| 機能・役割 | 内容 |
|---|---|
| 安全確保 | 切り傷や火傷といった怪我、化学物質や薬品の付着、熱や静電気といった体に危害を及ぼす危険から守ります。また、熱中症や低体温症など、労働環境に潜むリスクの軽減も期待できます。 |
| 効率向上 | 道具の収納ポケットや、体の可動を妨げない立体裁断、吸汗速乾性のハイテク素材などで、パフォーマンスをサポートします。 |
| 品質保持 | 作業前に着替えることで、外部からの汚れや埃などを現場に持ち込みません。 |
【 作業服の種類と用途|選び方のポイント】
■現場によって異なる「種類と用途」
作業現場によって求められる機能は異なり、用途に応じた専用の作業服が存在します。
| 種類 | 用途・特徴 |
|---|---|
| 防火・耐火服 | 溶接や鋳造など、高温や火の粉にさらされる現場用。難燃性に優れた素材が使用されます。 |
| 静電防止服 | 静電気による火花厳禁のガソリンスタンドや半導体工場などで必須。 |
| 高視認性安全服 | 蛍光色や反射素材を使用し、夜間や悪天候時でも高い視認性を確保。道路工事や空港滑走路などでの作業で着用します。 |
| 空調服・発熱服 | 外気を取り込むファンや電気ヒーターにより、衣服内の温度や湿度環境を調整します。 |
| クリーンルームウエア | 塵や埃、静電気、毛髪や皮膚片などが製品に付着しないよう設計された作業服。半導体や食品、医療現場などで使用されます。 |
■アウトドアやタウンユースにも!「選び方のポイント」
「作業服」というと、加工製造業などの第二次産業の現場で着るもの――という認識はもはや古い! 近年ではその機能性をもちつつおしゃれに寄ったカラーやデザインなども登場し、ファッションアイテムとしての「ワークウエア」が人気です。アウトドアレジャーで着用する際に抑えておきたい、選び方のポイントをシーンごとに紹介しましょう。
・BBQや焚き火を楽しむなら
火気のあるところでは、難燃性に優れた素材や、綿100%がおすすめ。難燃素材や難燃加工が施されたものなら、少々火の粉がかかったくらいでは大丈夫です。「防炎」「溶接用」といったタグ付きの作業服やキャンプ用のワークパンツなどは、最強の耐火性能を誇ります。
・山歩きやテント設営には
脚の屈伸や腕を伸ばすなどのアクティブシーンには、3Dカッティング(立体裁断)やガゼットクロッチ(股下のマチ)があると動きやすくて便利。長時間の移動や作業でも疲れにくいという利点があります。
・天候の変化に対応するのは
撥水や吸汗速乾機能に優れた素材を選ぶべき。急な雨や高温などに対応する作業服を選ぶことで、体へのストレスは軽減されます。体を濡らさない、冷やさない、そして籠もった熱や湿気は素早く放出することが重要です。撥水加工(テフロン加工)されているものは、泥汚れが付きにくく落としやすいという利点も。
・防虫対策にすぐれた商品も
虫を寄せ付けない成分を付着させた繊維による「防虫ウエア」も話題に。殺虫剤大手メーカーのアース製薬が技術協力した素材を使ったウェアも展開されています。
【 作業服の歴史と変遷】
■産業革命前後
世界的に見ると、18世紀にイギリスで起こった産業革命のころは、機能よりユニフォームとしての役割が強かったようです。日本では江戸時代中期に江戸の職人たちが着た、屋号や紋を染め抜いた半纏(はんてん)も作業服ですね。耐火が求められる鍛冶屋のエプロンや、石工夫のキャンバス地の服など、素材の耐久性が求められた時代もありました。
■「ジーンズ」の誕生
ゴールドラッシュが起こっていたアメリカで、デニム生地を使用した「ジーンズ」が誕生したのが1873年。「工具を入れるポケットがすぐに破れる」という鉱夫の悩みに応えたのがリーバイ・ストラウト社でした。ポケットなどの接合部分にリベット(鋲)を用いて補強したジーンズは、作業服最大の開発といえるでしょう。
■軍服技術が作業服に
大量の労働者を支えるための効率性が求められるようになり、機能性や耐久性に優れた軍服の技術が登用されるように。カーゴパンツ(これももとは作業服でした!)の大きなサイドポケットはその一例ですが、頑丈なツイル生地を使用したり、MA-1のようなフライトジャケットの構造が作業服にも浸透していきます。
■ファン付き空調服の登場
20世紀後半になり、作業服の素材は工学の飛躍的な進歩によって「着る道具」とも言われるように。吸汗、吸湿、速乾、放熱はますます進化・高度になります。そして2000年代に入るとファン付きの空調服が登場! これはソニーのエンジニアだった市ヶ谷弘司氏の、「水が蒸発する時の気化熱で体を冷やす」というアイディアが発端だとか。水を使用したシステムで検討されましたが、重さや手間の問題から「ファンで風を送り込んで汗を蒸発させる」という現在の方式に辿り着いたのだとか。
そして2004年、世界初となるファン付き作業服が市販化。2010年代半ばには「バッテリーやファンが重い」「膨らむので見た目が悪い」「高価である」などが改良されて爆発的にヒットします。さらにスポーツウエアのようなスタイリッシュさも加わったことで、アウトドアレジャーやガーデニングや家庭菜園を楽しむ層にも注目されるようになりました。
■ワークマンの飛躍と功績
今ではタウンユースとしても人気の「ワークマン」のウエアですが、もともとはプロの職人向けに高機能かつ低価格な作業服を提供する専門店としてスタートしました。1979年に群馬県伊勢崎市で創業し、フランチャイズ展開により全国へと店舗網を拡大していきます。
2018年には新業態「WORKMAN Plus」を展開し、一般消費者向けの商品ラインを強化。さらに2020年には「#ワークマン女子」をオープン。機能性とデザイン性を兼ね備えたアイテムで、アウトドアや日常使いの分野でも支持を広げました。
SNSを活用したマーケティングや、一般ユーザーに特化した商品構成などにより、作業服専門店から機能性アパレルブランドへと進化を遂げています。
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過酷な作業現場で培われた技術を背景に、日常やレジャーへと広がりを見せる「ワークマン」。高い機能性と手に取りやすい価格帯で、多様なニーズに応える存在として注目を集めています。近年ではキッズラインも登場。その活躍の場は用途や世代を超えて広がっています。
作業服は、ラグジュアリーとは異なる価値軸において、私たちの暮らしを快適に支える存在へと進化しています。「作業服の日」をきっかけに、その機能美に改めて目を向けてみてはいかがでしょうか。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:一般社団法人 日本記念日協会( https://www.kinenbi.gr.jp/ )/『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/まいど屋株式会社( https://maido-ya.com/ )/株式会社ワークマン( https://www.workman.co.jp/ ) :

















