夏になると、クリアな白シャツや白ワンピースが恋しくなりますよね。しかし、実際に白アイテムを着てみるとピンとこず、いつの間にか苦手意識を抱きがちに。できれば大人の女性として、エレガントに白を自在に操りたいもの。白アイテムで知的で優雅な女らしさを目指すなら、「着こなしにグラデーション」を取り入れるのが正解です!

グラデーションは、白の色幅を考えるところから始めます。ピュアな白から、クリーミートーンのバニラホワイト、シルバーがかった白まで、ニュアンスのあるホワイトは実に豊富。さらに透け感やきらめきなど素材感の違いを上手に重ねていけば、繊細で優雅な女らしさは思いのまま。エレガントなホワイトこそ、夏の最高の贅沢なのです。

ただ、オールホワイトを着こなす場合はどうしても単調になりがち。そのため、おすすめは異素材の組み合わせによる、素材グラデーション

これを意識すれば、とろみのあるシルク、透け感のある極薄のローン、表面に凹凸のあるニット……と同じような白を重ねていても、素材の差異が立体的なグラデーションになり、着映え効果は抜群! 素肌に近い夏だからこそ、さらっ、きりっ、とろっ、そんな肌の感触も重要です。

おしゃれを熟知した大人だから味わえる、白の醍醐味! それでは早速、素材グラデーションのコーデを見ていきましょう。

白にリッチな奥行きを生む「素材グラデーション」のコーデ

ジャケット¥470,000(サン・フレール〈エルマンノ シェルヴィーノ〉)、ニット¥43,000(コロネット〈アバティ〉)、パンツ¥129,000(キートン)、サングラス¥53,000(ケリング アイウエアジャパン〈ボッテガ・ヴェネタ〉)、ネックレス¥811,000(TASAKI)、バッグ¥185,000(トッズ・ジャパン)、靴¥80,000(J.M. WESTON 青山店)

異なる素材の白を、どのように組み合わせればいいのか? 例えば、白が浮き立つクロッシェ調のコットンレースのジャケット、ストレートなラインを強調するハリのあるウールパンツ、ひと目で上質とわかるカーフ素材の靴、の3つは相性が抜群です。

クラシカルなクロッシェ(かぎ針編み)レースのジャケットは、一枚でも着こなしを決定づける主役アイテム。フェミニンなレースジャケットを、あえてきっちりスタイルに使用することが、リッチな奥行きを生みます。インナーはクルーニット、足元はローファーとシンプルに徹したトラッド調の白アイテムを重ねることで、エレガントなのに軽快スタイルが完成するのです。これなら、ビジネスシーンにもピッタリ。

ほかには、マットな薄手ニット×繊細チュールワンピースと、フリンジカーディガン×とろみ素材、といった2つの素材グラデーションコーデも大人の女性を魅力的に見せます。


大人の女性を魅力的に見せる「素材グラデーション」2選

■素材グラデーション1:マットな薄手ニット×繊細チュールワンピース

これは、素材合わせが新鮮なコーデ!バレリーナのチュチュを連想させる、繊細なチュールレースの半そでワンピースに、シンプルなカシミア混ニットのプルオーバーを重ねた抜け感あるコーディネート。フェミニン×カジュアル、クラシック×モダン、まったく異なる個性をもつ素材をあえて合わせるのも、優しい白がつくる素材グラデーションの妙です。

(1)透け感あるチュール

クリームがかったチュールレースとオフホワイトのニット、そしてアイボリーホワイトのバッグ……。このコーデは、ニュアンスある白の微妙なグラデーションになっていて洗練された美しさがあります。 プルオーバーニット¥90,000・パフスリーブのチュールワンピース¥287,000・バッグ¥225,000・靴¥80,000(ラルフ ローレン〈ラルフローレン コレクション〉)、ピアス¥958,000・ペンダント[短]¥325,000・[中央]¥270,000・[長]チェーン¥42,500・チャーム¥275,000・バングル[右手]¥920,000・[左手]手首側から¥920,000・¥1,560,000(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク)

ごくごく薄いチュールのワンピース。インナーにキャミソールを重ねているため、ふんわりとしたボリューム感を実現するとともに、優しい透け感が美しいです。

(2)レース模様のバッグで

レース模様のバッグで

形は実用的なボストン型。しかしその表面はご覧のとおり、デリケートなカットワークレースが施されたバッグ。フラットな無地同士の着こなしのアクセントになります。

(3)ピンクゴールドを重ねて

ピンクゴールドを重ねて

シンプルニットの襟元には、オフホワイトにしっくりなじむピンクゴールドのジュエリーでグラデーション効果を狙いましょう。ペンダントは、長さにも変化をつけてみてください。


■素材グラデーション2:フリンジカーディガン×とろみ素材

次は、表情豊かな生地で白の迫力を印象づけるコーデ。生地自体に個性があるものを主役として選ぶことも、素材グラデーションをつくるひとつの方法です。

たとえば、フリンジをボーダー状に編み込んだニット素材のカーディガンを選んでみましょう。さらに着こなしのどこかに、艶感のあるアイテムや小物をプラスすれば、上下白のワントーンでも奥行きのあるグラデーションが完成します。

(1)軽快なフリンジが印象的

これは、白から淡いシルバーへとまとめたプラチナグラデーションのコーデ。カーディガン¥68,000(ドゥロワー丸の内店〈ドゥロワー〉)、ブラウス¥49,000(VINCE 表参道店)、パンツ¥63,000(エスカーダ・ジャパン〈エスカーダ〉)、サングラス¥42,000(ケリング アイウエア ジャパン〈サンローラン〉)、ペンダント[ダイヤ付き]¥120,000・¥42,500・バングル[太]¥127,000・[細]¥2,100,000(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク)、ベルト¥25,000(ブラミンク)、バッグ¥170,000(キートン)、靴¥110,000(ピエール アルディ 東京)

ボーダー状のフリンジが立体的なアクセントとなり、まとっただけで華やかな印象の白カーディガン。ふんわりはおるドロップショルダーの軽快な着心地も魅力的です。

(2)小物はシルバーでクールに

小物はシルバーでクールに

ホワイト・グラデーションの仕上げは、クールな輝きを加えて。ジュエリーはもちろん、ベルトやバッグもメタリックシルバーで統一。白をより都会的に見せてくれます。

(3)インナーでさりげなく艶を

インナーでさりげなく艶を

素材グラデーションに欠かせないのは、シルクやとろみ素材の艶。写真のブラウスは、淡いシルバー系。肌に溶け込むように艶めく質感は、大人の女性をより魅力的に見せます。

濁りのない清冽な白をひとたび味方につければ、女性はだれよりも生き生きと強いオーラを授かることができます。日差しを跳ね返すほど輝きを放つ、初夏の白効果のまとい方に挑戦して、さらなる華やかさ、瑞々しさに磨きをかけましょう!

PHOTO :
熊澤 透(人物)、小池紀行・池田 敦(パイルドライバー/静物)
STYLIST :
大西真理子
HAIR MAKE :
川原文洋(UM)
MODEL :
立野リカ(Precious)、REI
EDIT :
小林 綾、竹市莉子(HATSU)