夏になると、クリアな白シャツや白ワンピースが恋しくなりますよね。しかし、実際に白アイテムを着てみるとピンとこず、いつの間にか苦手意識を抱きがちに。できれば大人の女性として、エレガントに白を自在に操りたいもの。白アイテムで知的で優雅な女らしさを目指すなら、「着こなしにグラデーション」を取り入れるのが正解です!
グラデーションは、白の色幅を考えるところから始めます。ピュアな白から、クリーミートーンのバニラホワイト、シルバーがかった白まで、ニュアンスのあるホワイトは実に豊富。さらに透け感やきらめきなど素材感の違いを上手に重ねていけば、繊細で優雅な女らしさは思いのまま。エレガントなホワイトこそ、夏の最高の贅沢なのです。
ただ、オールホワイトを着こなす場合はどうしても単調になりがち。そのため、おすすめは異素材の組み合わせによる、素材グラデーション。
これを意識すれば、とろみのあるシルク、透け感のある極薄のローン、表面に凹凸のあるニット……と同じような白を重ねていても、素材の差異が立体的なグラデーションになり、着映え効果は抜群! 素肌に近い夏だからこそ、さらっ、きりっ、とろっ、そんな肌の感触も重要です。
おしゃれを熟知した大人だから味わえる、白の醍醐味! それでは早速、素材グラデーションのコーデを見ていきましょう。
白にリッチな奥行きを生む「素材グラデーション」のコーデ
異なる素材の白を、どのように組み合わせればいいのか? 例えば、白が浮き立つクロッシェ調のコットンレースのジャケット、ストレートなラインを強調するハリのあるウールパンツ、ひと目で上質とわかるカーフ素材の靴、の3つは相性が抜群です。
クラシカルなクロッシェ(かぎ針編み)レースのジャケットは、一枚でも着こなしを決定づける主役アイテム。フェミニンなレースジャケットを、あえてきっちりスタイルに使用することが、リッチな奥行きを生みます。インナーはクルーニット、足元はローファーとシンプルに徹したトラッド調の白アイテムを重ねることで、エレガントなのに軽快スタイルが完成するのです。これなら、ビジネスシーンにもピッタリ。
ほかには、マットな薄手ニット×繊細チュールワンピースと、フリンジカーディガン×とろみ素材、といった2つの素材グラデーションコーデも大人の女性を魅力的に見せます。
大人の女性を魅力的に見せる「素材グラデーション」2選
■素材グラデーション1:マットな薄手ニット×繊細チュールワンピース
これは、素材合わせが新鮮なコーデ!バレリーナのチュチュを連想させる、繊細なチュールレースの半そでワンピースに、シンプルなカシミア混ニットのプルオーバーを重ねた抜け感あるコーディネート。フェミニン×カジュアル、クラシック×モダン、まったく異なる個性をもつ素材をあえて合わせるのも、優しい白がつくる素材グラデーションの妙です。
(1)透け感あるチュール
ごくごく薄いチュールのワンピース。インナーにキャミソールを重ねているため、ふんわりとしたボリューム感を実現するとともに、優しい透け感が美しいです。
(2)レース模様のバッグで
形は実用的なボストン型。しかしその表面はご覧のとおり、デリケートなカットワークレースが施されたバッグ。フラットな無地同士の着こなしのアクセントになります。
(3)ピンクゴールドを重ねて
シンプルニットの襟元には、オフホワイトにしっくりなじむピンクゴールドのジュエリーでグラデーション効果を狙いましょう。ペンダントは、長さにも変化をつけてみてください。
■素材グラデーション2:フリンジカーディガン×とろみ素材
次は、表情豊かな生地で白の迫力を印象づけるコーデ。生地自体に個性があるものを主役として選ぶことも、素材グラデーションをつくるひとつの方法です。
たとえば、フリンジをボーダー状に編み込んだニット素材のカーディガンを選んでみましょう。さらに着こなしのどこかに、艶感のあるアイテムや小物をプラスすれば、上下白のワントーンでも奥行きのあるグラデーションが完成します。
(1)軽快なフリンジが印象的
ボーダー状のフリンジが立体的なアクセントとなり、まとっただけで華やかな印象の白カーディガン。ふんわりはおるドロップショルダーの軽快な着心地も魅力的です。
(2)小物はシルバーでクールに
ホワイト・グラデーションの仕上げは、クールな輝きを加えて。ジュエリーはもちろん、ベルトやバッグもメタリックシルバーで統一。白をより都会的に見せてくれます。
(3)インナーでさりげなく艶を
素材グラデーションに欠かせないのは、シルクやとろみ素材の艶。写真のブラウスは、淡いシルバー系。肌に溶け込むように艶めく質感は、大人の女性をより魅力的に見せます。
*
濁りのない清冽な白をひとたび味方につければ、女性はだれよりも生き生きと強いオーラを授かることができます。日差しを跳ね返すほど輝きを放つ、初夏の白効果のまとい方に挑戦して、さらなる華やかさ、瑞々しさに磨きをかけましょう!
- PHOTO :
- 熊澤 透(人物)、小池紀行・池田 敦(パイルドライバー/静物)
- STYLIST :
- 大西真理子
- HAIR MAKE :
- 川原文洋(UM)
- MODEL :
- 立野リカ(Precious)、REI
- EDIT :
- 小林 綾、竹市莉子(HATSU)