【目次】

【「なにわの日」とは? 意味・いつなのかを解説】

■いつ? 誰が決めた?

「なにわの日」は7月28日です。2007(平成19)年度に、大阪市浪速区が「浪速区未来わがまちビジョン」をもとに制定した記念日です。

■意味

浪速区によれば、浪速区を「住みよい明るいまち」にしていくきっかけの日として位置づけられています。


【なぜ7月28日? 「なにわの日」の由来と制定の背景】

■なぜ7月28日? 「なにわの日」の由来

「なにわの日」が7月28日になったのは、「な(7)に(2)わ(8)」と読む語呂合わせに由来します。覚えやすい日付にすることで、多くの人にこの記念日に親しんでもらうことを意識したのでしょう。確かに、「な(7)に(2)わ(8)」は、1度聞けば忘れにくい語呂合わせです!

■「なにわの日」が制定された背景

「なにわの日」は、浪速区がもつ多彩な魅力を再発見し、その認知度を高めることを目的に制定されました。浪速区では、この日を中心に区民や地域団体が参加するイベントや啓発活動を行うなど、地域の魅力を再発見する機会として活用しています。地域ぐるみで歴史や文化を未来へ受け継ぐことを目指した取り組みのひとつなのです。


【「なにわ」「難波」「浪速」の違いとは? 漢字ごとの意味を解説】

■「なにわ」はさまざまな漢字で表記されてきた

「なにわ」は大阪市周辺を指す古い地名です。「難波」「浪速」「浪華」「浪花」など、時代によってさまざまな漢字で表記されてきました。いずれも「なにわ」と読みます(※)が、歴史的な文献や用途によって使い分けられています。

※「難波」は大阪市中央区の繁華街を指す場合には一般に「なんば」と読みます。「浪速」は大阪市浪速区の名称などに使われています。「浪花」「浪華」は、大阪を表す歴史的・文学的な表記として見られます。

■「難波」は古い文献に見られる表記

「難波」は古くから用いられた表記で、『日本書紀』や『万葉集』などにも登場します。「難波宮」や「難波津」といった歴史的な地名にも使われ、古代の政治や交通の拠点として栄えた地域を表しています。

■「浪速」は現在も受け継がれる表記

「浪速」は現在も大阪市浪速区の名称などに使われている表記です。また、「浪花」「浪華」は文学や芸能の世界で大阪を表す雅称として親しまれてきました。なお、「なにわ」の語源には、魚が多く集まる場所を意味する「魚庭(なにわ)」説や、潮の流れの速さに由来する「浪速」説などがあり、定説はありません。

■「難波」は「なんば」じゃないの?

現在の大阪には「難波(なんば)」という地名があります。そのため、「難波=なんば」と思う人も多いでしょう。もともと「難波」は古くは「なにわ」と読まれていましたが、時代とともに現在の地名としては「なんば」という読みが定着しました。

一方、「なにわ」は歴史や文化を語る際の呼び名として受け継がれ、現在も「なにわの日」や「なにわ文化」などにその名が残っています。


【「なにわ」はどこを指す? 大阪の歴史と地名の由来】

■「なにわ」は現在の大阪市周辺

「なにわ」は、現在の大阪市周辺を指す古い地名です。「難波」「浪速」「浪華」「浪花」などさまざまな漢字で表記され、現在では大阪全体を表す言葉として使われることもありますが、もともとは大阪市中心部にある上町台地(うえまちだいち)北部一帯を中心とした地域を指していました。

■地名の由来には諸説が

「なにわ」の由来には諸説あります。『日本書紀』には、神武天皇の東征の際、この地の潮の流れが非常に速かったことから「浪速(なみはや)」と呼ばれ、それが「なにわ」に転じたという神話が記されています。一方、「魚(な)が集まる場所(庭=にわ)」を意味する「魚庭(なにわ)」が語源という説もあり、現在も定説はありません。

■大阪発展の礎となった場所

「なにわ」は、現在の大阪市周辺の歴史の出発点となった地域です。古くから地理的に恵まれた場所であったことから、その後、港町や都として発展し、現在の大阪の礎が築かれました。


【「浪速」は古代から交通・経済の中心地だった】

■古代日本の「玄関口」:難波津

古代の浪速は、瀬戸内海と内陸部を結ぶ水上交通の要衝として発展しました。なかでも「難波津(なにわつ)」は、朝鮮半島や中国との交流の玄関口として栄え、外交使節や商人、多くの物資が行き交う国際港でした。また、大和朝廷と九州・大宰府を結ぶ海上交通の要衝でもあり、魚や塩をはじめとする物資が集まる物流の拠点としても重要な役割を果たしていました。

■政治の舞台:「難波宮」

浪速は港町であるだけでなく、日本の政治を支えた都市でもありました。記紀には仁徳天皇が難波高津宮を営んだと記され、645年には孝徳天皇が難波へ遷都して、難波長柄豊碕宮を造営しました。現在の難波宮跡では、孝徳朝の前期難波宮と、聖武朝に再建された後期難波宮の遺構が確認されています。

■現在も残る古代浪速の足跡

現在の大阪市中央区には、国史跡「難波宮跡附法円坂遺跡」を含む難波宮跡公園が整備され、当時の都の中心部だった場所を見学できます。また、「澪標(みおつくし)」は、かつて難波津へ船を導いた航路標識で、大阪市の市章にも採用されています。古代から人や物、文化が集まった浪速は、現在の大阪が「商都」と呼ばれる礎を築いた場所といえるでしょう。


【大阪を代表する観光スポットと「なにわ文化」】

■大阪を代表する観光スポット

大阪には、歴史ある名所から最新の観光スポットまで、多彩な見どころがあります。豊臣秀吉ゆかりの大阪城をはじめ、「通天閣」がそびえる新世界グリコの看板で知られる道頓堀活気あふれる黒門市場などは、大阪を代表する人気スポットです。また、世界中から観光客が訪れるユニバーサル・スタジオ・ジャパンも、大阪を象徴する観光地として親しまれています。

■人を惹きつける「なにわ文化」

大阪の魅力は観光地だけではないですよね! 「食いだおれ」の言葉に代表される食文化や、漫才・落語などのお笑い文化、人情味あふれる気質など、大阪でしか味わえない文化に惹かれる人は多いはず。たこ焼きやお好み焼きなどの粉ものから、豊かな風味を生み出すだし文化、伝統的な箱寿司、歴史を重ねた老舗料亭まで、大阪には多彩な食文化が息づいています。商人の町として育まれた親しみやすさや、訪れる人を楽しませる心意気も、「なにわらしさ」を語るうえで欠かせない魅力です。


【「なにわの日」に知っておきたい大阪の豆知識】

■「天下の台所」と呼ばれた理由は?

江戸時代の大坂には、各地の大名が蔵屋敷を構え、年貢米や特産品が集まりました。堂島の米市場、天満の青物市場、雑喉場の魚市場が栄え、なかでも堂島米市場の米相場は全国の基準になったとされています。

こうした経済都市としての姿は、現在「天下の台所」という言葉で広く表現されています。ただし、この呼称は江戸時代から一般に使われていたものではなく、近代の歴史家・幸田成友が大阪の特徴を表す言葉として用いたものと考えられています。

■「関西弁」ではなく「大阪弁」?

大阪弁は、親しみやすくテンポのよい話し方が特徴です。漫才やテレビ番組の影響もあり、全国で最も知られている方言のひとつですね。ただし、こうした言葉の中には、大阪だけでなく京都や兵庫など関西各地で使われているものも少なくありません。関東では大阪・京都・神戸の話し言葉をまとめて「関西弁」と呼ぶこともありますが、実際には地域ごとに言葉やイントネーションが異なります。地元の人なら、同じ関西の言葉でも「大阪らしい」「京都らしい」と聞き分けられることも珍しくありません。

「大阪、関西ならでは」と言えるフレーズの代表格は…

◆「もうかりまっか」「ぼちぼちでんな」

大阪商人の会話を象徴する表現として、漫才や創作物などを通じて全国的に知られるようになった言い回しです。ただし、現在の日常会話で誰もが挨拶として使っているわけではありません。

◆「知らんけど」

大阪ならではの気質やユーモアが感じられるフレーズですね!

■「大阪」と「大坂」の違い

現在は「大阪」と書くのが一般的ですが、江戸時代までは「大坂」と表記されることが多くありました。明治時代になると、「坂」の字が「土に返る」を連想させるとして、公文書では「阪」が用いられるようになり、現在の表記として定着したといわれてます。

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「なにわ」という名前には、古代から受け継がれてきた歴史や文化、人々の暮らしの記憶が息づいています。港町として栄え、都が置かれ、商人の町として発展し…今もなお新しい文化を発信し続ける大都市・大阪。その歩みを知ることで、普段何気なく目にしている「なにわ」という言葉にも、より深い意味が感じられるのではないでしょうか。「なにわの日」には、歴史ある名所を訪ねたり、ご当地グルメを味わったり、大阪ならではの人情や言葉に触れたりと、この街の魅力をあらためて楽しんでみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『デジタル大辞泉プラス』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『世界大百科事典』(平凡社) /『国史大辞典』(吉川弘文館) /独立行政法人日本芸術文化振興会「文化デジタルライブラリー」(https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/) /レファレンス協同データベース「妖怪と幽霊の違いとは?」(https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?id=1000248152&page=ref_view&utm_source=chatgpt.com) /浪速区「『なにわの日』のイベント」(https://www.city.osaka.lg.jp/naniwa/page/0000114233.html) :