【目次】
- 「ビーチサンダルの日」とは? 8月3日になった理由を解説
- ビーチサンダルはいつ生まれた? 日本で広まった歴史
- 「ビーチサンダル」の名前の由来とは? 「ビーサン」と呼ばれる理由も紹介
- ビーチサンダルとサンダルの違いとは? 素材や用途を比較
- 「ビーチサンダルの日」に知っておきたい豆知識|ハワイアナスやギョサンとの違いも紹介
【「ビーチサンダルの日」とは? 8月3日になった理由を解説】
ビーチサンダルを昔ながらの製法で手づくりしている株式会社TSUKUMOが制定したのが、8月3日の「ビーチサンダルの日」。ビーチサンダルをより多くの人に履いてもらい、足元から夏を楽しんでもらうのが目的です。
日付は「8」をビーチの「B」に、「3」をサンダルの「サン」に見立てて制定されました。
【ビーチサンダルはいつ生まれた? 日本で広まった歴史】
■発想はアメリカ人デザイナー
アメリカの工業デザイナー、レイ・パスティン氏が考案し、神戸の内外ゴム株式会社の独立気泡スポンジの技術によって、1952(昭和27)年、 世界初のビーチサンダル「ビーチウォーク」が誕生しました。
パスティン氏は、日本の草履や下駄が、足の指で鼻緒を挟むという脱げにくい構造と、着脱が簡単なことに着目。これを丈夫なゴム素材でつくってアメリカで売り出したいと考えたのです。
■日本のゴム技術
パスティン氏の発想を形にしたのが、内外ゴムの技術でした。同社が開発した「独立気泡スポンジゴム」は、軽くて弾力性があり、水を吸いにくい素材です。この技術を用いて、世界初とされるビーチサンダル「ビーチウォーク」が誕生しました。
■ひと月で10万足!
鼻緒が付いた日本の下駄や草履は左右同じ形が一般的でしたが、このビーチサンダルは右足用・左足用の区別がある足形に沿った形状。さらにソールはフラットではなく、かかとの部分を2mmほど高くして、履きやすさと歩きやすさを重視したのだとか。
1953(昭和28)年、アメリカへの輸出を開始。なんとハワイで1か月に10万足が売れるなど、一大ブームを巻き起こします。1955(昭和30)年には国内販売用として、日本人向けに改良した「ブルーダイヤ」を発表。このブルーダイヤの製法やデザインは、誕生時から現在に至るまで不変とか。ビーチサンダルのスタンダードとして、今もなお親しまれています。
【「ビーチサンダル」の名前の由来とは? 「ビーサン」と呼ばれる理由も紹介】
ビーチサンダルを英語にすると[beach sandal]? 実はこの名称、和製英語なんですよ。
■砂浜を歩くためのサンダル
誕生当時の世界初の商品名は[Beachwalk(ビーチウォーク)]。日本では、砂浜や水辺で履くサンダルを指して「ビーチサンダル」という名称が定着しました。
ちなみに、英語圏では歩くときに「パタパタ(フリップフロップ)」と音がすることから 「Flip-flops(フリップフロップス)」 と呼ばれるのが一般的です。
■「ビーサン」と呼ばれるわけ
「ビーチサンダル」は略して「ビーサン」と親しまれていますが、この省略語も日本独特のもの。日本語には「4音(2文字+2文字)」を中心とした省略語文化があります。「パソコン」や「エアコン」「コンビニ」「スマホ」「スタバ」「アマプラ」など、意識せずに使っているほど略語は生活に浸透していますよね。
昭和30年代以降、海水浴やプールなど水辺のレジャーが盛んになると、ビーチサンダルは夏の日常品として普及。「ビーチサンダル」も、会話のなかで言いやすく親しみやすい「ビーサン」として定着したのです。
【ビーチサンダルとサンダルの違いとは? 素材や用途を比較】
■サンダルの定義
足全体を覆わず、ストラップ等で固定する履物の総称です。素材は、レザー、合皮、布、コルク、樹脂など多様。タウンユース、ビジネス、ファッション、アウトドアなど、用途もさまざまです。
■ビーチサンダルの定義
ビーチサンダルは、サンダルの一種で、一般には足の親指と人さし指の間で鼻緒を挟んで履く、トング型のものを指します。ゴムやEVAなど、水に強く、軽量で乾きやすい素材が多く用いられ、海水浴やプールをはじめ、日常の気軽な履物としても親しまれています。
【「ビーチサンダルの日」に知っておきたい豆知識|ハワイアナスやギョサンとの違いも紹介】
■「鼻緒が健康にいい」といわれるわけ
ビーチサンダルには鼻緒(トング)がつきものですが、鼻緒を足の指で挟んで歩く動作は、足裏の筋肉や指の力を刺激するのだそう。これにより、外反母趾の予防や改善が期待できるとか。また、土踏まず(アーチ)の形成や、姿勢にも良い影響を与えるといわれています。
ビーチサンダルは歩いたり走ったりという基本動作のトレーニングにもなるので、近年では子ども用の土踏まず育成サンダルとしても見直されています。足の指の踏ん張る力を鍛えれば、転倒防止にも。
■鼻緒のある履物を履くときの注意点
ビーチサンダルは、鼻緒を足の指で挟みながら履くのが特徴です。ただし、足に合わないものを長時間履くと、鼻緒が当たって痛みや擦れが生じたり、歩きにくさを感じたりすることがあります。サイズや鼻緒の位置を確認し、長距離の歩行や足場の悪い場所では、かかとを固定できる履物と使い分けることが大切です。
■地球にやさしい「アップサイクル・ビーサン」
年間何百万足も海に漂着・破棄されると言われているビーチサンダル。アフリカのケニアなどでは、海岸で回収した廃ビーサンを洗浄・加工して、鮮やかな「動物のアート彫刻」や「カラフルなインテリア」に生まれ変わらせる取り組み(Ocean Soleなど)が世界的に注目されています。
コーヒー事業を展開するUCC上島珈琲株式会社は、前述のTSUKUMO社とともに、抽出後のコーヒー豆を活用したアップサイクル・ビーチサンダルの開発を2024年に行いました。同じくTSUKUMO社は、大阪府阪南市の協力のもと、捨てられてしまう牡蠣殻を活用したアップサイクル商品なども手掛けています。
■ブラジル生まれの「ハワイアナス」も草履がヒントに
ポルトガル語でハワイアンを意味する[Havaianas(ハワイアナス)]。日本の草履をヒントに、ブラジル産ラバーを使用し、ファッション性の高いデザインに仕上げられたサンダルが誕生したのは1962年のこと。ハワイアナスを象徴するソールに配されたエンボス加工も、日本の草履に使われる藁の質感に着想を得たものです。ハワイアナスはわずか2年で、ブラジル中のほとんどの人々が愛用する国民的なブランドになりました。
ハワイアナスを生んだアルパルガタス社は、1966年にゴムサンダルの特許を取得。これにより、公式に「ビーチサンダルの生みの親」となったというわけ。特許証明書には、ソールに2本のストラップが施されたデザインが記されています。
フランスでのワールドカップサッカーを記念して、ストラップにブラジルの国旗が付いたモデル「Havaianas Copa(ハワイアナス コパ)」が登場して大人気を博したり、ジャン・ポール・ゴルチエのショーでコラボしたり。ハワイアナスは水辺のサンダルとしてだけでなく、ハイファッションの世界でも注目されるようになり、世界中のブランドやデザイナーとのタイアップ商品も続々誕生しています。
■漁師愛用の「ギョサン」
「ギョサン」をご存知ですか? 古くから東京都小笠原の漁師の間で「滑らないサンダル」として愛用されていたもので、通常のビーチサンダルとは違って鼻緒とソールが一体成型のサンダルです。主に漁業者が好んで履いていたことから「漁業従事者用のサンダル」「漁協で扱われていたサンダル」を略して「ギョサン」。ソール裏の形状によってグリップがよく効き、滑りにくいという点が最大の特徴です。漁業従事者だけでなく、サーファーやダイバー、釣り人などの間で人気が広まっています。
■足袋屋からビーサン専門店へ「げんべい商店」
約170年前の江戸末期、神奈川県の葉山町に足袋屋として創業した「げんべい商店」。時代が変わって旅の需要が少なくなると、町のよろず屋へ。そしてビーチサンダル誕生直後から、日本での販売を手掛けました。開発元の内外ゴムの記録によると、げんべい商店は国内でもごく初期から販売していた店舗とされています。現在は「まるげ」の愛称でビーチサンダルやTシャツなどの企画・販売を手掛けています。
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海やプールに行かなくなってもビーサンだけは愛用中、という人もいるのでは? 筆者もそのひとりですが、「そういえば履いていないものが…」とクローゼットから新品のビーサンを発見! 「ビーチサンダルの日」を機に、室内履きとしておろしてみようと思います。
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- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉プラス』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/ハワイアナスジャパン( https://havaianas.co.jp/ )/Uzuriジャパン( https://uzurijapan.com/ )/ぎょさんネット( https://www.gyosan.net/ )/UCC上島珈琲( https://www.ucc.co.jp/company/news/2024/rel240807.html )/げんべい商店( https://www.genbei.shop/ ) :

















