富士山麓、河口湖を望む丘陵に建つ「星のや富士」。日本初のグランピングリゾートとして、焚き火を眺めながら過ごす時間や、アカマツの森の中で楽しむ体験型の食事など、四季を通して屋外で快適に過ごせる滞在を提供しています。

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「星のや富士」外観

その「星のや富士」が今年、食事を提供するレストランをリニューアルしました。調理の様子を間近に望めるカウンターが設けられ、つくり手の手元を眺めながら食事を楽しめる空間になっています。ここで供されるのが、コースディナー「ガストロノミック・ワイルド」です。

富士山麓の環境で育まれた地元の食材と食文化を大切にし、素材の魅力を最大限に引き出す調理法に、スキレットの器や炎の演出といったグランピングらしさを加えたコース料理。2026年12月14日(月)までは、夏から秋へと移ろう季節限定のメニューが登場しています。

今回はPrecious.jpのライターが実際に宿泊し、リニューアルしたレストランで季節限定コースの全4品と山梨ワインのペアリングを、翌朝には朝食「グリルモーニング」を体験してきました。本記事では、コースの内容を中心にご紹介します。

富士山麓の豊かな収穫をコースディナーで。「ガストロノミック・ワイルド」

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アカマツの森に囲まれた開放的なダイニング

ラグジュアリーな宿ではプライベート感が重視されることが多いなか、この場所ではあえて、ひとつの大きなテーブルを囲むように客とスタッフが同じ時間を過ごす設計を選んだといいます。

焚き火を囲むパブリックエリア「クラウドテラス」で生まれるようなゆるやかなつながりを、レストランにも持ち込むという発想です。実際に席に着くと、ほかの席の気配がほどよく伝わってきて、森全体でひとつの食卓を囲んでいるような心地よさがありました。

しつらえの細部には、森にすむ動物たちのモチーフがさりげなく潜んでいます。案内をしてくださったスタッフの方によれば、見つける楽しみも味わってほしいとのこと。料理を待つあいだ、視線を巡らせる時間もまた楽しいひとときでした。

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レストラン入口ではその日の食材が紹介されています
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今回新たにバーカウンターも設置

そんなダイニングに、今回季節限定メニューとして登場した「ガストロノミック・ワイルド」(1名 ¥14,520/税・サービス料込み、宿泊料別)。大鱒と柿のタルタル、ジビエと茸の土瓶蒸し、和牛と鹿肉の赤松燻り焼き、ババ・オ・レザンという全4品で構成されています。品数を絞った構成は、アクティビティで体を動かす時間の多いグランピング滞在に合わせたものだそうです。

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ダイニングに入る際は、好きなランタンを選んでから席につきます。室内ながらも、アウトドアらしい演出

また、ドリンクはグラスワインのほか、ビールや日本酒、ノンアルコールのドリンクも揃います。今回選んだのは、コースに合わせてソムリエがセレクトしたワインペアリング3種のセット。ワインの名産地としても知られる山梨のワインを含む3種類を、料理の特徴を活かすグラスで提供してくれます。

秋の始まりを告げる前菜「大鱒と柿のタルタル」

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「大鱒と柿のタルタル」

コースの幕開けは、大鱒のタルタルを、オーブンで香ばしく焼き上げたダッチベイビーとともに味わう前菜です。柿のピクルスやケッパー、エシャロットを合わせ、彩り鮮やかに仕上げられています。柿のまろやかな甘味とワインビネガーの爽やかな酸味が、大鱒の旨味を引き立てる一皿です。

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流木を使った器はシェフが気に入って作ったという特注品

印象的な器は、河口湖の流木をモチーフにして作られたもの。真鍮でできており、ずっしりとした質感です。この流木の形を活かしたワイルドなセッティングに心高ぶります。

いただき方は、まず缶の蓋を開けるところから。中には彩り豊かなタルタルがたっぷりと詰まっており、開けた瞬間の華やかさに思わず声が出ました。ちぎったダッチベイビーにのせて、まずはひと口。焼きたてのふわふわとした生地と、みずみずしいタルタルの相性が絶妙です。2口目からは、赤ワインとビーツを練り込んだ「ルージュ・サワークリーム」を添えて。ほどよい酸味が加わり、味わいにも食感にも変化が生まれます。

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最初のペアリングはスパークリングワインでした

前菜に合わせて登場したのは、シャンパンと同じ瓶内二次発酵でつくられた甲州のスパークリングワイン。きめ細やかな泡と、柚子やカボスを思わせる和柑橘の風味が特徴で、大鱒の繊細な旨味を軽やかに引き立ててくれました。

蓋を開けた瞬間に香りが広がる、ジビエと茸の土瓶蒸し

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「ジビエと茸の土瓶蒸し」

続いて登場するのは、鹿の骨からじっくりと出汁をとったコンソメスープに、トリュフ、舞茸、花びら茸、大黒本しめじの4種の茸を合わせた土瓶蒸しです。鹿の生ハムとクレソンも加えられています。

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様々なきのこの旨味と滋味があふれる一品

蓋を開けると、茸の芳醇な香りとジビエコンソメの香りが湯気とともに立ちのぼります。スープはジビエ特有のクセがまったくなく、茸の香りと動物性の旨味が重なった滋味深い味わい。日が暮れて涼しくなってくる季節に、ほっと一息つけるような温かさです。

土瓶の中に潜んでいるお肉は、独特の風味はあれど、臭みはなし。想像以上の食べやすさが印象的でした。数種の茸をお箸で取り分けながらいただくと、それぞれの食感の違いも楽しめました。

松葉とヒバで炙る、野趣あふれる肉を味わう「和牛と鹿肉の赤松燻り焼き」

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「和牛と鹿肉の赤松燻り焼き」

メインディッシュは、串に刺した和牛と鹿肉を、目の前で松葉とヒバを使って豪快に炙る一品です。立ちのぼる炎と煙をそばで眺めるひとときは、グランピングならではの臨場感があります。

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松葉とヒバを使って炙り上げる

燻煙をまとった肉は、口に入れるとほんのりと森の香りが広がります。スモーキーではあるものの、香りが強すぎることはなく、素材の味わいを引き立てる程度。しっかりと脂ののった和牛にはわさびを合わせると後味がさっぱりとまとまり、赤身の旨味が濃い鹿肉にはカシスマスタードがよく合いました。甘みの効いたステーキソースを含めた3種のソースで、味わいの変化を楽しめます。

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付け合わせの朴葉焼きは、肉にも米にも酒のおつまみにもあわせたくなる味噌が印象的
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しょうがが効いたおにぎり

付け合わせは、茄子や八幡芋、蓮根などを朴葉焼きにした一品。炭火を仕込んだコンパクトなグリルで供され、温かい状態のままいただけます。野菜の下には、濃厚でコクのあるフォアグラ山椒味噌が敷かれており、山椒のピリッとした刺激がアクセント。野菜はもちろん、鹿肉やこのあと登場したおにぎりに添えても好相性でした。

締めには、生姜を効かせた炊き込みご飯のおにぎりが登場します。肉と合わせていただくのはもちろん、フォアグラ山椒味噌をつけると焼きおにぎりのような香ばしさが加わり、味わいがぐっと変わりました。

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燻煙や肉の風味に負けない赤ワインがペアリングとして登場

そして、メインディッシュに合わせてセレクトされたワインは、複数の品種をブレンドした軽やかな飲み口の赤ワイン。味わいがしっかりとしており、燻煙をまとった肉に負けることはありません。鹿肉との相性がとくに印象的でした。

白州ウイスキーを纏わせる、大人のデザート「ババ・オ・レザン」

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「ババ・オ・レザン」

コースの締めくくりは、山梨の収穫祭をイメージして仕立てられたデザート「ババ・オ・レザン」。お酒の効いたシロップをじっくり染み込ませた伝統菓子「ババ」をベースに、シャンティクリームと葡萄を贅沢に使った一品です。

仕上げは、テーブルで白州ウイスキーをかけて完成させる演出。フルーティーな香りと、ほのかなスモーキーさが余韻を添えます。生地は甘めに作られていますが、ウイスキーがしっかりと染み込むことで大人の味わいに。甘さ控えめのシャンティクリームを合わせると、後味がさっぱりと引き締まりました。

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最後の一品はデザートワインとともに

最後のペアリングとして登場したのが、葡萄を凍らせて甘みを濃縮させたデザートワイン。蜂蜜のような甘さがありながら後味はすっきりとしていて、ウイスキーが香るデザートともよく合いました。

山梨の恵みを味わう朝食「グリルモーニング」

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朝のダイニング。ビュッフェには山梨らしい果物たっぷりのスイーツやジャムも

翌朝の朝食も、リニューアルしたダイニングでいただきました。夜はランタンにより、シックなイメージでしたが、朝は愛らしいオーナメントが空間を飾ります。

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ランタンの代わりにテーブルにはオーナメント
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カウンター席のオーナメントも愛らしいデザイン

メインプレートは、和朝食、洋朝食、フルーツ朝食の3種類から、その日の気分に合わせて選ぶスタイル。サラダやスープ、スイーツなどビュッフェボードに並ぶ料理とドリンクは自由に取って好きなだけいただけます。

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朝食イメージ

ビュッフェのラインナップには、レストランで焼き上げるダッチオーブンブレッドや、山梨県ならではのフルーツを使ったデザートなどのほか、ラベンダーミルクやハーブティーも用意されており、朝の気分に合わせて選べるのもうれしいところです。

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「グリルモーニング」和朝食。ほうとうの味噌汁や大鱒の塩麹グリルなど山梨らしさを味わえる構成

今回選んだメインプレートは、一番人気だという和朝食。これまで洋食の朝食が中心でしたが、リニューアルに伴い新たに登場したそうです。

内容は、大鱒の塩麹グリル、出汁巻き玉子、ほうとう味噌汁、白米という、山梨らしさを感じる構成。食べごたえのある大鱒と、優しい甘みを感じるほうとう味噌汁が、朝の胃袋に染み渡りました。

河口湖を望むキャビンで過ごす。全40室の絶景空間

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今回宿泊したキャビン(客室)

客室は全40室のキャビンタイプ。窓から天気がよければ河口湖を望む絶景が楽しめる贅沢な空間設計が魅力です。時間や季節により移りゆく景色の儚さも感じられ、ついゆったりと外を眺めて過ごしてしまいます。

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クラウドテラス

滞在中は、リゾートの中腹にあるパブリックエリア「クラウドテラス」も楽しみのひとつ。最上部のライブラリーカフェでは、本を片手にゆったりと過ごせます。

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訪れた日は雨だったので室内で提供されましたが、晴れの日は焚き火を使ってコーヒーを淹れます
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雨と木々の音を聞きながら、ホッと一息

チェックイン時には、焚き火でお湯を沸かし、豆を挽いてコーヒーを淹れる体験も用意されています。桃のフィナンシェとともに、ほっと一息をついてから部屋に移動することができました。

雨の日もしっかりと焚き火は健在
雨の日もしっかりと焚き火は健在

訪れた日は雨だったため、室内での提供でしたが、おいしいコーヒーと山梨らしく桃を使ったフィナンシェをいただきながら森の中でくつろぐひとときは、贅沢な時間となりました。

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夕涼みビアデッキではビアカクテルを提供。ノンアルコールもあります
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まるまるとしたぶどうが添えられたカクテルをいただきながら、暖炉の前でくつろぎのひとときを過ごしました

夕方には、同じく「クラウドテラス」にて「夕涼みビアデッキ」が開催されていました。この日はぶどうを使ったビアカクテルが登場。雨の森でしか聞くことができない葉と水滴の音、そして焚き火の音を聞きながら、夕飯前に静かなひとときを過ごすことができました。

ほかにも朝から夜まで、様々なアクティビティが用意されている点も星のや富士の魅力。ぜひ、滞在時は様々なアクティビティでこの空間でしか味わえない時間を満喫してみてください。


ライブ感あふれるリニューアルしたダイニングでいただくコースディナーは、記念日の旅や、気の置けない相手とのひと晩にふさわしい体験。秋が深まるにつれてアカマツの森の表情も変わり、季節ごとに異なる「豊かな収穫」を味わえます。

この季節ならではのひとときを求めて、「星のや富士」を訪れてみてはいかがでしょうか。

※仕入れ状況により、料理内容や食材が一部変更になる場合があります。

問い合わせ先

  • 星のや富士 
  • 「ガストロノミック・ワイルド」季節限定メニュー
    提供期間/~2026年12月14日(月)
  • 予約/公式サイトにて当日17:00まで受付
    対象/宿泊者
  • TEL:050-3134-8091(星のや総合予約)
  • 住所/山梨県南都留郡富士河口湖町大石1408

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この記事の執筆者
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WRITING :
ミノシマタカコ
EDIT :
小林麻美