その体の不調、どこから来るもの?
ここ数年、一日で体重が1kg前後変化するほどの浮腫みが気になるエディターMです。生まれてこの方数十年、これまで何度も誌面やクチコミにつられ、ありとあらゆる美容健康法を試してきたみなさんに改めてお伺いします…! 予約の取れないサロン、ゴッドハンドによる施術、高額なグッズやサプリ、即効性のある美容整形や化粧品…。たくさん試した中で、お悩みを「根本的に」改善してくれた救世主は、どれくらい現れたでしょうか?
過去の戦歴を振り返ると、どれが一番効いたかなんて実のところ、自分でもよく解かっていないのかも。試してみたことを誰かとシェアしながら「あーでもない、こーでもない」と話に花を咲かせたり、「あれが効く!こんな風になる!」と魔法の言葉に吸い寄せられて衝動買いしたり、予約争奪戦に勝って叫んだり…手にしたことへの達成感が、記憶に残っているような気もしませんか(笑)。
何が理由になっているかハッキリしない心身の不調(不定愁訴)に向き合うには、どうしたらいいのか。今回は日本の伝統的な自然療法や東洋医学発想のトリートメントに迫ってみました。
東洋の「トリートメント」はここがスゴい!
東洋医学と西洋医学の違いは、実にさまざま。漢方、指圧、鍼灸など東洋ルーツのトリートメントの多くは、細やかなカウンセリングや、実際に身体に触れての施術など「時間をかけて向き合う」ものが多いですよね。即効性のあるもので紛らわせるよりも、根本から見直しをはかる継続性が肝。漢方薬やお灸でセルフトリートメントを続けながら、定期的に指圧や鍼を打ちに通うことで心身を整え、「大病を患う前」に先手が打てるイメージです。
日本では健康保険制度が整っていることもあり、病気が発症してからの通院でも、驚くほどの高額負担になるケースはイメージしにくいですが、海外では医療費の高さゆえ、「未病」段階でのケアや「予防医療」への関心などのヘルスケアに対する意識は高く、サプリメントや食事療法などの美容健康に関する習慣を、日々の生活に取り入れることは、当たり前になっているのだそう。
■1:見て、触って、症状の根本理由がわかる
「頭が痛い」「熱っぽい」「肩が重い」「腰が張る」「脚がだるい」…なんて口癖のようなボヤきも、実は根本的な原因から遠いところにある表現だったりします。ただの腰痛と思って指圧に行ったら、指圧師に不調の症状や生活習慣をいくつも言い当てられ、病院での検査をすすめられた結果、内臓疾患が見つかった…なんて話も、珍しくないのです。
病院では、医師と直接会話や触診があっても、ものの数分で終わってしまうことが多いですよね。混み合っていると、予約を取るのもひと苦労。西洋医学による処置は、理論や症例にあてはまるルートに沿って行われており、治療法や薬の処方もあらかじめ方程式が決まっていることが多いもの。限られた時間の中では、病名診断や治療法に納得ゆくまでとことん向き合えない、という事情もあります。
市販薬や美容健康モノも同じで、何故そうなっているのか? 細かいところを突き止めないまま、よさげなものに惹かれてしまうから、「なんとなく不調」の呪いが解けにくいんですよね。
■2:自分の本来の性質、暮らし方、死生観がわかる
「私は毎日8時間、冷房の効いたフロアでデスクに座って、ディスプレイとにらめっこ。首を前に突き出す姿勢が続いているから、頭部からの血流も悪くスッキリ寝つけないんです。頸部のリンパが詰まって肩凝りもひどいし、巻き肩と連動した、背中とお腹のたるみが悪化していて…」
なんて細かな説明ができるのは、自分の「生活習慣=クセ」を、客観的に調べたことのある人だけ。
「冷え」「姿勢が悪い」という大元の理由から、「睡眠不足」「肩凝り」「浮腫み」がわかったところで、さぁ、あなたならどうしますか? 医者なら、何科に行けばいいのか。果たして西洋医学のみで治るものなのか。大金を叩いて即効性を求めるのも、それはそれ。人それぞれで選択肢は山のようにあります。
どんなセルフトリートメントを選ぶかは「クオリティオブライフ=自分自身の死生観」を問うものでもあります。お酒、タバコ、食べ歩き、夜型生活…美容健康には悪そうな習慣でも、それで自分のメンタルやバイオリズムが落ち着くのであれば、究極言ってしまうと、自己責任。改善する必要はないのかもしれませんから。
何千何万という老若男女の身体に直接触れ、約1時間対話をしながら施術を数多く行うことは、いわば体質や性質、ライフスタイルや習慣、改善点や対処法をアナログに「ディープラーニング(機会学習)」していくようなもの。数千年にも渡るアナログな人智の集積は、ダテではありません。
東洋ルーツのトリートメントでは、パッと見ただけで体質や症状を言い当てられることだってあります。透視でもされてるかのような、何も隠せない気分(笑)。膨大な学習量や経験値があるからこそ、こういうケースだとこういうことが起きているのではないかという仮説を立て、抱えている症状とどんな風に共存していきたいのか、課題に対し選択がしやすい段取りをしてくれる。
まるで「エンジニアリング(工学)」のような施術を受けることができるんです。
■3:毎日続けると「おまじない」使いになれる!
東洋発のトリートメントの中でも手軽なセルフケアの「お灸」は、いま密かに若い世代にもブームがきはじめてるんですって。火を使わないタイプ、香りが良いアロマ灸、熱さが「5辛」のように強弱で選べるものなど、さまざまな種類が登場。ドラッグストアでも見かけることがあります。灸の原料は植物の蓬(よもぎ)。天日干しして乾燥させ、臼で挽く作業を繰り返すことで余分なものが取り除かれ、艾(もぐさ)ができあがります。
症状に合わせたツボに温熱刺激を与えることで、自然治癒の力を促すのがお灸の働き。WHO(世界保健機構)では、361個もツボがあると定められているんですって!
mogusanoが提供しているのは、セルフケアに適した台座灸(だいざきゅう)と呼ばれる、初心者でも扱いやすいスタンダードなタイプ。セルフでやるとなると、日常的に火を扱うことやヤケドが怖いという方も多いと思いますが、あえて「燃やす」ということをmogusanoは推奨したいんだそう。
お灸と向き合う時間を、毎日の習慣に組み込み、「おまじない」のようにすることを意識してもいいのかも。東洋のオーガニックハーブともいえる艾を、火で燃やす。自然と共に生きる人間の原始的な部分を感じるひとときも、またいいものです。
「mogusano」のここがスゴい!
お灸は「カラダとココロのバランス崩れ」を改善するのが得意。頭痛、肩こり、冷え、むくみ、イライラ、不眠、生理痛など、日々の生活でたまった疲れやストレスが原因の症状には、特におすすめです。人や状態によって有効なケアの仕方も異なるので、ちょっとした体調や気分の変化に対してコーチングを受けられるのは「続けよう」と思うモチベーションにもなります。可愛らしいパッケージが定期的に自宅に届くのもうれしい!
ありそうでなかった「日本の伝統療法・お灸」と「アプリを通じた対話型サポート」の組み合わせ。「mogusano」はどのような背景から立ち上がったサービスなのでしょうか? 発案者の尾碕万美さん、鍼灸師の山川義人さんにお話を伺いました。
「忙しい毎日を過ごしていると、ちょっと体調がイマイチでも『病院に行くほどではない』『少し我慢していれば自然に治るだろう』と判断してしまう方も多いですよね。私自身もそうでした。頭が痛くてもとりあえず市販の頭痛薬を飲んでおけばいいか…と、体質や環境のせいにして諦めてしまう。ところが『灸』に出合って、頭痛だけでなく日々抱えていた不調が改善していくのを実感し、セルフケアの考え方が根本的なところにまで至ってなかったことを知ったんです」(尾碕氏)
「mogusanoの対話型サービスには、どんな美容健康法を試してみても『浮腫みが取れない』『疲れが抜けない』という相談が最近は多いですね。『灸』は艾を燃やすというシンプルなものですが、『浮腫みを取る』といっても、体質、日常習慣、生活環境によってケアするポイントは人それぞれ。それこそ何通りもの組み合わせがあります。場合によっては通院をおすすめすることも。『その症状にはどんな原因が考えられるか、どんな方法があっているのか』といった根本的な改善を図るためには、やはり知識と臨床経験があり、あなたに寄り添ってくれる専門家との『対話』が重要だと感じています」(山川氏)
ネットを通じたサービスによくありがちな、例文で決まり切った回答しか来ないもの、AI(人工知能)やチャットボットのような無機質さもなく、こちらがニュアンスたっぷりの話し方をしても、画面の向こうに居る専門家と「対話」ができるのは、安心するしうれしいもの。
テクノロジーが発達しているからこそ、人間の知恵や熱量が伝わる、ホスピタリティの感じられるサービスになっているのがスゴいと感じます。ちょっと試してみたくなりませんか?
次回は、「お灸」を通じた美容健康法と合わせて知りたい「骨格と筋肉の関係」に迫ります。
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- EDIT&WRITING :
- 飯塚美穂