【目次】

【「弾性ストッキング」の読み方は?「弾性」が表す意味】

■読み方

「弾性」は「だんせい」と読むので、「弾性ストッキング」は「だんせいすとっきんぐ」ですね。

■「弾性」の意味

「弾性」とは、力を加えると変形し、その力を取り除くと元の形や体積に戻ろうとする性質のことです。バネやゴムを伸ばして放すと元に戻る、あの作用です。注射器の先をふさいでピストンを押して離すと元に戻るように、液体や気体も圧縮に対して弾性を示します。「弾性をもつ」「弾性がある」のように使います。

■「弾性ストッキング」とは

足首から足首から上方に向かって圧迫力が弱くなるようにつくられた医療用ストッキングのこと。下肢の静脈の血流を改善する効果があり、下肢静脈瘤やリンパ浮腫の治療、深部静脈血栓症の予防などに欠かせません。


【10月26日「弾性ストッキングの日」の由来と目的】

「日本静脈学会 弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター養成委員会」が制定した記念日です。弾性ストッキングを広く一般にPRすることが目的で制定されました。

日付は1848年10月26日に、イギリス人のウイリアム・ブラウン氏が「弾性ストッキング」の特許を取得したことにちなみます。


【「着圧ストッキング」と同じもの?名称と用途を整理】

同じような効果を期待するものとして、「着圧ストッキング」や「着圧ソックス」のほうがなじみがあるでしょうか。「着圧ストッキング」「着圧ソックス」と呼ばれる製品には、一般衣料品と、一般医療機器として届け出られた製品があります。「着圧」という名称だけでは区別できないため、パッケージなどに記載された「一般医療機器」の表示や製造販売届出番号を確認しましょう。

■「弾性ストッキング」と「着圧ストッキング」の違い

法律(薬機法)上の分類において、「弾性ストッキング」は一般医療機器に該当します。これは、四肢の静脈血やリンパ液のうっ滞を軽減・予防し、静脈還流を促進することを目的としたものです。そのため、足首側を最も強く、上方に向かって段階的に圧迫力を弱める構造(段階的減圧構造)が必須とされています。

一方、市販されている「着圧ストッキング」や「着圧ソックス」には、「一般衣料品(雑貨)」のものと、国に届出を行った「一般医療機器」のものの両方が存在します。したがって、「着圧」という名称や、パッケージに記載された圧迫力の数値(hPaやmmHg)だけで医療機器かどうかを区別することはできません。

製品を選ぶ際には、パッケージなどに「一般医療機器」の表示や「製造販売届出番号」が記載されているか、また、自分の使用目的やサイズに合っているかを必ず確認しましょう。なお、下肢静脈瘤やリンパ浮腫などの治療・予防を目的とする場合は、自己判断せず、事前に医師などの医療従事者に相談して適切な製品を選ぶことが大切です。

■こんなときに「弾圧ストッキング」

・用途1:静脈血流のサポート(筋ポンプ作用の補助)

足首から上方に向かって段階的に圧力を弱める「段階的圧迫設計」により、足元に溜まりがちな血液やリンパ液を心臓へスムースに送り返します。

・用途2:むくみやだるさの予防と改善

血管から組織へ余分な水分が漏れ出るのを抑え、足の重だるさや張り、疲労感をやわらげます。

・用途3:疾患の治療と血栓予防

下肢静脈瘤の症状緩和や進行の予防、リンパ浮腫のケア、および手術後や長時間の移動時に起こりやすいエコノミークラス症候群(肺動脈血栓塞栓症)の予防を目的に用いられることがあります。

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・こんな人、こんな場合に

立ち仕事やデスクワークで足がむくむ人、飛行機などで長距離移動をするとき、足のだるさが強い人、足の血管がボコボコと浮き出ている人など。基本的には医師が必要と判断した場合に使用されるもの。病気や妊娠に伴うむくみに使用する際は、医師に相談して選ぶのが賢明です。

・どこで買える?

血管外科や皮膚科などの病院やクリニックの売店、調剤薬局、医療専門ECサイトなど。

「弾性ストッキング」は厚生労働省に届け出された一般医療機器なので、一部の商品はドラッグストアなどでも購入できます。しかし医療行為として利用する場合は、医師の指導や処方のもと、足のサイズ(足首・ふくらはぎ周囲等)を採寸して適した圧迫圧の製品を選ぶこと。また、対象となるリンパ浮腫や慢性静脈不全による難治性潰瘍などでは、医師の指示に基づいて購入した弾性着衣等の費用が、所定の条件のもとで療養費の支給対象となる場合があります。

■こんなときに「着圧ストッキング」

・用途1:日常的な足のむくみや疲労の軽減

仕事や日常生活で、足に溜まった水分や倦怠感をほどよい締め付けでスッキリさせます。

・用途2:美脚、ボディラインの引き締め

着用することで脚のラインをすっきり見せます。

・用途3:就寝中のフットケア(夜用・就寝用製品着用時)

寝ている間にマイルドな圧力で足をケアし、翌朝の足を軽くする製品もあります。就寝中に使用する場合は、くれぐれも就寝用と明示された製品を選び、使用方法を守りましょう。

・こんな人、こんな場合に

夕方になると靴がきつくなる人、足がパンパンにむくむ人、日常のデスクワークや立ち仕事で軽度のむくみが日々気になる人、病院に行くほどではないけれどだるい足をリフレッシュさせたいときなど。

・どこで買える?

一般衣料品なので気軽に買えます。ドラッグストアやバラエティショップ、衣料品店、量販店、各種ネット通販で見つけることができるでしょう。


【「圧迫圧」「段階的圧迫」とは?製品説明を理解する基礎用語】

・圧迫圧:「医療用弾性ストッキング」や「弾性包帯」「着圧ソックス」などが、皮膚およびその下にある静脈や組織を外側から押しつける圧力の強さのこと。

・段階的圧迫:「弾性ストッキング」の圧迫圧は、足首のほうが強く、上方になるにつれ段々と弱くなり、製品全体で圧が均一ではありません。これは、血液やリンパ液は重力によって足元に溜まりやすいため。膝や太ももに向かって上方にいくほど圧力を段階的に減圧させるよう設計されています。この圧力勾配によって、静脈の血液を上方(心臓)へ押し上げる力をサポートするのです。

・下肢静脈瘤:下肢の静脈にある弁の機能が低下し、静脈血が逆流して血管がこぶのように膨らんだ状態をいいます。

・筋ポンプ作用:歩行時などにふくらはぎの筋肉が収縮・弛緩することで、静脈を押しつぶして血液を上方(心臓)へ送り出す仕組み。「ふくらはぎは第二の心臓」と呼ばれる所以です。

・リンパ浮腫:リンパ液の流れが妨げられ、脚や腕などの皮下にリンパ液がたまることで生じるむくみのこと。がんの手術や放射線治療後に起こることがあります。

・圧迫療法:「医療用弾性ストッキング」や「弾性包帯」を着用し、外側から適度な圧力を加えることで静脈の血流をサポートし、むくみや逆流を抑える治療法。

・弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター:日本静脈学会が認定する資格です。弾性着衣や弾性包帯を適切に使用するため、製品の選択や着脱方法などの指導を担う医療従事者を対象としています。

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「弾性ストッキング」は医療機器とはいえ、気軽に買えるのも事実です。とはいえ常につらいとか、日常生活に支障をきたすほどのむくみやだるさがあるなら、医療機関に相談するのが得策! 「弾性ストッキング」は治療や予防に、「着圧ストッキング/ソックス」は日常ケアにと、使い分けるのがいいようです。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『デジタル大辞泉プラス』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/ 日本静脈学会( https://js-phlebology.jp/ )/厚生労働省( https://www.mhlw.go.jp/index.html ) :