空間全体を美しく演出する「デザイナーズ水槽」

トップクラスのホテルや雰囲気のいいレストランで見かける、熱帯魚が優雅に泳ぐラグジュアリーな水槽。色鮮やかな魚たちが泳ぐその姿に、しばし見入ってしまいますよね。贅沢な空間へとインテリアを演出するこの「デザイナーズ水槽」が自宅にあったらな……と想像してみると、どんなに素敵でしょうか。

そこで今回は、そのサービスのフロンティア的存在である「アクアリンク」の代表取締役である中川 卓さんにインタビュー。高級車ブランド「レクサス」や「メルセデス」、ラグジュアリーホテル「ペニンシュラ東京」をはじめとする世界の一流企業の水槽などを手がける一方で、一般家庭へのデザイナーズ水槽導入サービスも積極的に行っています。設置にかかる金額やメンテナンス費用、 個人宅への導入事例など、その実態を伺いました。

デザイナーズ水槽は「熱帯魚が泳ぐ家具」

空間の雰囲気に合わせて設置する「デザイナーズ水槽」
空間の雰囲気に合わせて設置する「デザイナーズ水槽」

——「デザイナーズ水槽」と普通の水槽の違いはなんですか?

「一般的な水槽は 『魚を飼育するための飼育箱』という側面が強いのに対し、私たちが提案するデザイナーズ水槽は、水槽を含む空間全体をプロデュースしています。

イメージとしては、 『熱帯魚が泳ぐ家具』です。 

我々のデザイナーズ水槽は、設置する場所に合わせてサイズをミリ単位で指定して造りつけています。さらに、水槽の素材や色、水中のデザイン性にもこだわり、見た目も重視して仕上げています。壁に埋め込んだり、パーテーションに見立てた円柱型の水槽にしたり……と、あらゆるカスタマイズが可能です」

——となると、設置には大きなスペースが必要なのでしょうか?

「例えば、テーブルの面を水槽にするのであれば、そこまで広い空間でなくとも楽しめます。最近は一般家庭からのオーダーも増えているんです。

忙しくて犬や猫を飼えないというひとり暮らしの女性からのオーダーも多いです。あとは、小さなお子様のいるファミリーが熱帯魚の観察用に設置することも。その場合でもお子様が倒したり、登ったりする心配がないように設置します」

——特別大きなスペースは必要ないんですね。

「はい、一般のご家庭のスペースでも問題ありません。デザイナーズ水槽は、もともとお客様から『自宅にインテリアとして素敵な水槽を置きたい』とご意見いただいたことに着想し、それに応えたサービス。そこから広がり、一流企業の大きな水槽なども手がけるようになったんです」

意外にも低価格! 初期費用3万円で設置できる?

コスト重視であれば最低金額は3万円。では、こだわった場合はいくら?
コスト重視であれば最低金額は3万円。では、こだわった場合はいくら?

——デザイナーズ水槽の設置にはいくらかかるのでしょうか。

「ご家庭に設置する場合、初期費用はミニマムで3万円前後です。初期費用とは、水槽、水槽を設置する台、機器類、魚、施工費のすべてを含んだ費用です。ただし、壁への埋込みなど内装工事が必要な場合は、初期費用に別途工事費が加算されます」

——費用は意外に安いのですね。

「ただ、コスト重視なら3万円からということです。水槽は大量生産されているものを取り付けるような形になります。とはいえ、空間の雰囲気にできるだけ合わせるようにはいたします」

——では、コスト重視ではない場合はいくらかかるのですか? 

「例えば、写真のゆりかごの隣にある水槽で、50〜60万円ほどです。ただし、水槽の上下にある化粧板の選定などによって、値段は前後します」

埋め込み型のデザイナーズ水槽。木を基調としたモデルルームへの導入事例。
埋め込み型のデザイナーズ水槽。木を基調としたモデルルームへの導入事例。

——写真のように壁を施工して取り付けるのであれば、賃貸マンションでの設置は難しいということでしょうか?

「壁をいじれない場合は、置くだけタイプの水槽が設置できます。もちろん、ただ置くだけ、なんてことはありません。インテリアとして、お客様のイメージ通りに空間の雰囲気に溶け込むよう意識します。壁に埋め込む場合でも、壁を壊すのではなく、壁を新たにプラスで取り付ける方法をとります」

——設置後、メンテナンス費用はいくらかかるのでしょうか。

「メンテナンス料金は、弊社から月に1回の訪問で、1万円前後です。弊社の場合、ここが圧倒的に安いと思います。通常、一般的な飼育ノウハウでは、毎週1回はメンテナンスが必要です。しかし、弊社では月1回で可能なノウハウを独自に導入しました。だからこそ、実現できている価格帯です」

水槽の中身を定期的に更新して、変わる景色を楽しもう!

初心者の方には、海水魚はニモとドリーでおなじみの「カクレクマノミ」や「ナンヨウハギ」、淡水魚は「ネオンテトラ」や「グッピー」、「エンゼルフィッシュ」など小さな魚が人気だそう。
初心者の方には、海水魚はニモとドリーでおなじみの「カクレクマノミ」や「ナンヨウハギ」、淡水魚は「ネオンテトラ」や「グッピー」、「エンゼルフィッシュ」など小さな魚が人気だそう。

——熱帯魚の飼育知識は必須ですか? 

「いえ、知識の少ない方にも飼育いただけます。タイマー設定でエサが自動的に落ちるようになっているので、基本的に月1回のメンテナンスを受けていれば、お客様自身での管理は不要です。

デザイナーズ水槽を検討する方は、『熱帯魚が好きだから置きたい』という方よりもインテリアとして導入したい、という人がほとんどです。水槽の中身というよりも、空間の演出に興味がある方からのオーダーが圧倒的に多い。

ただ実際に設置すると、熱帯魚に興味をもちはじめる方が多いんです。設置後に熱帯魚を入れ替えることも可能ですし、月1のメンテナンス時に熱帯魚や岩造りなど、中身の相談も併せて承っていますよ」

——管理不要であれば導入ハードルも低くなりそうです。しかし、急に魚が死んでしまった、なんてこともありそうですが…。

「メンテナンス料金の5〜10%ほどの保険料をお支払いいただくことで、万が一魚が死んでしまった場合に同等の金額の魚に取り替えるよう対応可能です。

夜中にポンプがとまった、魚が死んでしまった、誤って水槽に不純物を入れてしまった……など、不慮の事故の場合に備えて、24時間365日体制でメンテナンス体制をとっているのでご安心ください。電話で対応方法のご説明をし、場合によっては出張(エリアは関東・関西に限る)して解決いたします」

個人宅で、1部屋に3台の水槽を置く事例も

自宅を「魚がいる華やかな水の世界」に

都内のマンションに設置されたこだわりのデザイナーズ水槽。3つの水槽と窓を組み合わせたテーマとは?
都内のマンションに設置されたこだわりのデザイナーズ水槽。3つの水槽と窓を組み合わせたテーマとは?

——具体的にどのような演出をしたのか、事例を教えてください。

「写真は、港区の個人宅の導入事例。1部屋に3台の水槽を設置しました。手前から円柱水槽、四角型カウンターバー付き水槽、奥に珊瑚礁の水槽です。こちらは、水槽のデザインだけでなく、中身の熱帯魚にもこだわりがあります。

まず手前の円柱水槽には深場にいるサメなどを演出しています。真ん中は海の中層を泳ぐカラフルな海水魚を演出。そして、一番奥には浅瀬の珊瑚礁を演出しています。つまり、手前から徐々に水深が浅くなっていき、最後は『窓=六本木の空』へと続く設計になっているのです。海底から空へ、この空間全体は『天空』へと続くことをテーマにしました」

——水槽越しに見る夜景は最高に癒されそうです。

「家に生き物がいるというのは、想像以上に心を豊かにしてくれるもの。熱帯魚がいる華やかな水の世界は、一度経験するとはまること間違いなしですよ」

自分のライフスタイルに合わせた設置が可能で、安心のメンテナンス付きで、この価格。熱帯魚が泳ぐ家具が自宅に設置されたなら、特別な空間になるはず。アクアリンクは銀座にショールームを設けています。気になった方は、ぜひそちらに足を運んでみてはいかがでしょうか。

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この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
松崎愛香
EDIT :
高橋優海(東京通信社)