サッカーのワールドカップで日本中が熱狂したのは、記憶に新しいところ。2019年にはラグビーワールドカップ、2020年にはいよいよ東京オリンピックと、大規模なスポーツの祭典が日本で相次いで開催されます。
ワールドカップやオリンピックのようなメジャーな大会は、テレビ観戦でも熱く盛り上がりますよね。ただ、仲間内で集まって、自宅やお店などの「室内」で観戦する際には、ハメをはずさないように要注意! 観戦中の態度が、思いがけず周囲に迷惑をかけたり、不快感を与えたりすることもあるんです。
そこで、マナー講師の武冨美惠子さんから、スポーツを室内で観戦するときのNGマナーを教わりました。これから試合を楽しむときは、トラブルを起こさないように以下の7つを気を付けましょう。
自宅でスポーツを観戦するときに気をつけたいNGマナー7選
■1:大声で騒いだり壁や床を叩いたりする
応援に熱がこもると、ピンチやチャンスの場面で「行け!」「危ない」などと、思わず大きな声を上げてしまうことってありますよね。もちろん、みんなでワイワイ盛り上がるのはスポーツ観戦の醍醐味ではありますが、住宅事情によっては、声のボリュームには配慮しないと、ご近所迷惑になりかねません。
とくに、海外で開催されている大会で、時差の関係上、試合が夜中や明け方に行われている場合には、大声を張り上げるのは禁物。また、声を出すだけにとどめず、エキサイトして壁や床をたたいてしまうのは、時間帯を問わずNGだと心得ましょう。
■2:選手を口汚く罵る
スポーツ観戦においては、その人の本性が現れやすいもの。応援している選手やチームが劣勢に置かれると、テレビ画面に向かって罵声を浴びせたり、無意識のうちに舌打ちしたりしていませんか?
家族などの、気心の知れた人物しかその場にいなければ問題ないのですが、グループ観戦でまだそれほど親しくない人物もいる場合は、「この人って、こんなに下品だったの?」と、ドン引きされることになりかねません。自宅観戦だからといって弛緩しすぎず、発言にはくれぐれも注意しましょう。
■3:「ルールや選手名」をまったく把握せずにグループ観戦する
もともとまったく興味のなかった競技でも、お祭り的なイベントをきっかけにハマるのはよくあること。
「誰かのうちに集まって、みんなで応援しましょう!」というグループ観戦の企画に、「よくわからないけれど、なんだか面白そう」というノリで参加するのは問題ありません。ただ、参加するからには、当日までにその競技のルールや、著名な選手名くらいはきちんと押さえておくこと。
基本的な知識ゼロの状態で臨むと、試合中に何が起こっているのかまったくわからず、ひとりでしらけて雰囲気を壊すおそれがあります。また、無理に話に加わろうとして、うっかり選手名やチーム名を言い間違えてしまうのも、ファンにとってあまり気分のよいものではありません。
インターネットで調べればいくらでも情報は出てきますし、また、その競技に詳しい人に教えてもらうのでもいいので、必ず予習をしてからグループ観戦を楽しみましょう。
■4:試合中に質問しまくる
ある程度、予習していたとしても、実際に試合を観戦すると、「あれ、何でこんなことになっているの?」と疑問に思うことはいくらでも出てくるはず。
もし、教え好きの人と2人きりで観戦しているなら、いろいろ質問してみるのもアリでしょう。ただ、グループでの観戦中に、疑問点が出るたびにやたら「今のは何?」と質問魔になってしまうのは、考えもの。
スピード感がある競技では、試合展開から目が離せません。サッカーやバスケットボールなどは、ちょっとした拍子に流れが大きく変わることもあるのに、いちいち質問を挟むと、自分も周囲も大事な場面を見逃してしまうおそれがあります。
もちろん、疑問点が生じるのはその競技に関心があるからこそ。質問すること自体は悪いことではないのですが、タイミングに要注意です。ハーフタイムやCM中であれば、観戦妨害にならないので「さっき●●だったけど、あれってどういうことだったの?」と質問してみるといいでしょう。
■5:CM中などにチャンネルを変える
これは家族など、身内だけでの観戦で、気安さからついやってしまう行為かもしれません。さすがに試合が動いている最中にやる人はいないと思いますが、CMやハーフタイム中に手持ち無沙汰だからといって、チャンネルを勝手に変えるのはNG!
CMのごく短い時間において、チャンネルを切り替えるのは何だか落ち着きませんし、ゲームの余韻を壊すおそれがあります。また、ハーフタイム中に流れる試合前半の振り返りなどを見逃したくない、というファンだっているんです。
その場にいる全員が、何となく見ている……というケースでなければ、試合中にむやみにチャンネルを変えるのはやめましょう。
■6: 試合が終わる前に持論を熱弁する
その競技に対する愛情やこだわりが強い人ほど気をつけたいマナー違反が、これ。
テレビの実況や解説を遮って、「この戦術にはこういう意味があって……」と持論を得々と述べたり、「この監督はわかっていないな~。自分ならこうするのに」などと采配にダメ出ししたりしては、周囲は気が散って、純粋にゲームを楽しむことができません。
もちろん、誰かから質問されたり、解説を求められたりした場合は別ですが、基本的には自分が語るよりも“観る”ことに集中しましょう。
■7:大差がついた途端に応援をやめる
格上相手との対戦では、試合途中で大差がつくなどして、勝負の行方がほぼ決まってしまうこともあります。応援していたチームや選手が敗戦濃厚だとガッカリするのは当然ですが、だからといって「あ~、もう終わった終わった」などと投げやりな発言をしたり、応援をやめて別のことを始めてしまったりするのは、好ましくありません。
挽回するのが不可能なほどリードされて、誰よりも辛く苦しく悔しい思いをしているのは、選手やチームのほう。それでも、最後まで諦めずに勝負に挑み続けている選手を、ファンの側が見放してしまうのはいかがなものでしょうか。どうか試合終了まで選手の可能性を信じて、温かいエールを送り続けましょう。
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室内観戦の場合は、現地での観戦ほど「これをやってはダメ!」という厳密なルールはありません。ただ、ひとつだけ絶対に押さえておきたいのは、その競技や選手に対する愛情や敬意です。観戦ビギナーもファン歴が長い人も、お互いの立場に配慮しつつ、画面越しに精一杯のエールを送って、現地さながらに盛り上がりましょう!
ライフサポーターDre-am
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美