最近、心が疲弊している、ストレスがたまっているという方はいませんか? 心はいくつになっても元気でいられるものです。ぜひ心の元気をつくり出してみましょう。

でも、心の元気といってもどうやってつくればいいのかわかりませんよね。

そこで今回は、プレゼンテーション・プランナー、伝わる表現アドバイザーの山本衣奈子さんに“ココロ”が元気になる方法を教わります。

「ココロが元気になる」ってどういうこと?

「ココロが元気になる」ってどういうこと?
「ココロが元気になる」ってどういうこと?

山本さんは、「ココロが元気になる」方法をセミナーや研修で多くのビジネスパーソンたちに伝えています。ところで、この「ココロが元気になる」とはいったいどういうことを意味するのでしょうか?

「『ココロの元気』とは、“ココロが気持ちの良い状態であること”を意味しています。フラットな状態ともいえます。『元気』というと、『カラ元気』という言葉があるように、いつも以上にパワフルな状態、と思われがちですが、必要以上に上向きであったり、プラス思考に振り切れていたりする必要はないと考えています。特別なことはなくても、“気持ちの良い状態”であるとき、ココロはとても元気なものなのです」

ココロが弱るとなくなるものとは?

では、ココロの元気がなく弱ってしまうと、どうなるのでしょうか?

「ココロが弱ると、知らないうちにあるものがなくなっています。その代表例は、『動く力』『考える力』『笑う力』です。何もしたくない、何も考えたくない、そういえば笑ってない…。気が付くとそんな状態になっていたりします。とはいえ、“なくなる”といっても、まったくのゼロになってしまっているのではありません。“減っている”というほうが合っているかもしれません。著しくそれぞれの力が減ってしまっているのに、戻し方が分からなくてますます減らしてしまっている、そんな悪循環がますますココロを弱らせていきます。でも、それはつまり、なくなっているのではないからこそ、戻してあげることができるということです」

ストレスとはどう違う?

ストレスは大敵といわれますが、ココロが弱ることとストレスはどのように違うのでしょうか?

「ココロの元気とストレスはまったくの別物ということではありません。ストレスによって、ココロの元気が奪われていくことも多くあります。ただ、ストレスには発生過程というものがあり、『刺激→評価→反応』という流れで起こっています。一方、ココロの元気には必ずしもそういった明確な流れがあるわけではなく、“なんとなく”上がったり下がったりすることがあります。ココロのエネルギーのようなものと考えていただければよいかと思います」

大人女性必見!ココロを元気にする方法

そこで40代以上の大人女性へ向けて、山本さん自身の体験も踏まえて、ココロを元気にする方法を教えていただきました。

「経験上、40代以上になると、環境や立場の変化もさることながら、身体もいろいろと変化してきて、さまざまな要因でココロの元気が失われてしまうように思います。自律心や責任感から、ひとりで頑張り過ぎてしまって、顔で笑ってココロで泣いて・・・という人も多いのではないでしょうか。これまで、講師やカウンセラーとしてたくさんの人と向き合ってきたなかで、そして自分自身の経験から見出してきた、ココロの元気において大切なポイントをご紹介します」

■1:ココロの元気がなくなっていることを受け止める

ココロの元気がなくなっていることを受け止める
ココロの元気がなくなっていることを受け止める

「まずは元気がなくなってしまっている自分をしっかり受け止めてあげないと、ココロの元気は失われていく一方です。ガソリンの不足ランプが点滅しているのに見ないふりをして無理やり車を走らせるようなものです。ただでさえ減ってしまっているのに、そのまま全力で走り続けたら必ずエンストします。『ああ、今弱っているね』と、ココロの中で自分にそう声を掛けてあげて、一旦しっかり止まる。まずはちゃんと自覚して受け止めてあげることが大切です」

■2:明日でもいいことは明日やる

明日でもいいことは明日やる
明日でもいいことは明日やる

「先延ばしなんてとんでもない!と考える方もいるかもしれませんが、それをせずにがんばるのは元気なときにすることであって、弱っているときにすることではありません。どうしても今日でなければならないことは別として、明日でもいいことは明日にしたっていいのです。案外、無理に今やるより、もう少し元気があるときにやったほうが早く、かついい結果になる、なんてこともあるものです。がむしゃらにやるのは元気になってからにしましょう」

■3:人と関わる

「弱っているときに人と関わるのはしんどい、ということもあるかもしれませんが、基本的に人は人との関わりが多いほうがココロの状態が良くなるといわれています。なにも長々と会話をする必要はありません。例えばお店に入って、店員さんに今日のおすすめを聞いてみるとか、ほんのひと言でもいいのです。気の置けない友人に会ってただ他愛もない話をするのでもいい、人との関わりをつくることで、ココロは元気になりやすくなります」

■4:気分のいいときにしていることをあえてする

気分のいいときにしていることをあえてする
気分のいいときにしていることをあえてする

「ココロの元気がなくなると、『こんなときに何もしたくない』と思えてきますが、そんなときだからこそしたほうがいいこともあります。それが『気分のいいときにしていること』です。ココロの元気が失われていくような状況だと、つい後回しにしてしまいがちなこと。例えば“ゆっくりお風呂に入る”とか“犬と戯れる”とか“おいしいものを食べる”とか。

ココロは頭の言うことをそんなに素直に聞いてくれませんが、身体の動きには案外素直についてきます。『どうしよう』と頭であれこれ考えるより、行動を意識したほうが、ココロへアプローチしやすいということです。ココロの元気が足りないときほど、『気分のいいときにしていること』を率先して取り入れる時間と工夫を持ちましょう」

■5:他人と比べない

「子どもの成長スピードやその道のりは驚くほど皆、違うものです。半年で歩く子もいれば、1年経ってもハイハイすらしないという子もいます。でも、どれもおかしいわけではありません。人は皆、異なるものです。好き嫌いも違えば、得手不得手も違いますし、好みだって人それぞれです。

違っているのが当たり前なのに、違っていることに不安を覚えたり、自信を無くしたり、嫉妬心を抱くことでココロの元気を失っていったりしています。それでは時間も労力ももったいない。自分の価値はあくまでも自分の中にあるのであって、他人の中に見つけるものではありません。他人と比べている自分がいたら、『おっと、時間の無駄だ』とつぶやいて、さっと切り替えてしまいましょう」

■6:笑顔になる

笑顔になる
笑顔になる

「脳研究では、笑顔という表情をつくるだけでも、脳は“快感ホルモン”を放出するといわれています。つまり、楽しい気分になれなくても、面白いことなんか何もなくても、意識的に口角を上げるだけで、ココロの元気が上がるということです。

とはいえ、ただ口角を上げてみるといってもそれすら難しいこともあります。そんなときは、自然に口角があがるようなことを取り入れてみることをおすすめします。例えば、『ありがとう』という言葉を使うといったこと。『ありがとう』には笑顔の効果があります。ところが多くの日本人が、無意識に『ありがとう』より『すみません』を使っているといわれています。それでは笑顔のチャンスを失ってしまいます。まずはどんなときも、『ありがとう』を使うことを意識してみてはいかがでしょうか」

ココロの元気は、自らつくり出すことができるものです。ココロが弱っていることを自覚している方は、ぜひこの6つを意識して毎日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

山本衣奈子氏
山本衣奈子さん
プレゼンテーション・プランナー、伝わる表現アドバイザー
(やまもと えなこ)高校時代から演劇に没頭し、玉川大学在学中にロンドン大学に演劇留学。「演じる」ことと「伝わる」ことの関係性に注目し、卒業後はその関連性を実社会で検証すべく、さまざまな業界にて30社以上に勤務。カウンセラーの資格も取得し、さまざまな形で5万人を超える人と関わる中で、円滑なコミュニケーションの極意とココロを元気にするコツを見出す。
http://www.e-comworks.co.jp/

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WRITING :
石原亜香利
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