お客様を迎えての会議や客先での会議、社内メンバーでの会議やミーティングなどの最中、何か気の利いたことを言いたいと思っていてもうまく言葉が出ないときもありますよね。一体どんなことを言うと、相手を気持ちよくさせられるのでしょうか?
この記事では、ビジネスマナーと気配りのプロフェッショナルである三上ナナエさんに、ビジネス会議・ミーティングの際に相手が気持ちよくなってくれる気配りの一言&行動をアドバイスしてもらいます。ぜひ印象を上げるために使ってみてください!
会議中にオススメ、「相手が気持ちよくなってくれる一言&行動」5選
■1:「〇〇さんにハッとさせられました!」
会議の場では、的を射た意見や、鋭い意見が出ることがあります。そうした場合には、ただ受け流してしまわずに、賛辞を表現してみるといいそうです。
「鋭い意見が出た際などには『〇〇さんに、ハッとさせられました!』など反応することで、相手の意見をしっかり受け止めているのが伝わります。
また、客先からの意見であれば素直に『素晴らしいご提案をありがとうございます』や、同僚であれば、『さすが、長年担当されている〇〇さんですね』、上司・先輩であれば、『鋭いご意見ありがとうございます、勉強になります』『それは思いつきませんでした』などの賛辞を付けることもできるでしょう。
もちろん、こうした賛辞は浮いてしまうこともありますので、場の雰囲気を考えて使うべきでしょう」(三上さん)
会議の場は、ともすれば緊張感が高まるもの。こうした一言によって、場の空気が一変して和やかになることってありますよね。一言の賛辞を加えることで、そんなムードメーカーになってみるのもいいかもしれませんね。
■2:「やってみます」
会議では社内の上司や客先からハードルの高い課題を与えられることもありますよね。そうした際には、発言の最後をあくまでもポジティブな印象で終わらせるのがいいそうです。
「ハードルが高く、クリアが難しい課題を受けた際は、いろいろと理由は述べたとしても最後は『困難はありますが、やってみます』で締めくくると、チャレンジ精神が示せます。
いろんな理由を挙げた最後に『~なので難しいと思います』と言ってしまうと、最初からあきらめていると思われてしまい評価は下がるかもしれません。
また、『ご相談させてもらいながら、期待にお応えできるように取り組んでもよろしいでしょうか』などの言葉で、依頼相手と一緒に問題解決に取り組む姿勢を見せれば、結果に対する相手側の納得度も上がるでしょう」(三上さん)
言葉使いによって、チャレンジ精神にあふれたポジティブな人なのか、あるいはネガティブな人なのか、その印象が大きく分かれるということなのですね。
いかなる難題であろうと拒否できない仕事であれば、ポジティブに進める。その結果、期待に応えられなくても相手に不快感は与えずに済むというわけです。
■3:「気になる点はございますでしょうか?」
会議では、社長など普段あまり接しないエグゼクティブと接する機会になることもあります。そうした際に気を付けたいのが、決定事項であっても意向や都合を確認することだそうです。
「社長や重役たちというのは、最終決定権を持っています。ですから、何か決定事項を決める際には必ず『何か気になる点はございますでしょうか?』『ご都合は大丈夫でしょうか?』などと意向や都合を確認します。ポイントは、上司や重役に決定権があることを言葉で示すことです。
また、ある決定をしたものの、それ流動的になりそうなケースでは、『今回はこのようになりましたが、状況に変化がありましたらすぐにご相談させていただいてよろしいでしょうか』と言いましょう。報連相をすぐにしてくれる部下に上司は仕事を任せたいし、あなたに対する信頼感が高まるからです」(三上さん)
同僚だけの会議では誰かの都合や意見より多数決が優先されるもの。その感覚で上司やエグゼクティブを扱ってはいけないという教訓ですね。いかにリベラルな会社であっても、上司やエグゼクティブへの敬意を忘れないよう心がけましょう。
■4:お迎えするときに「わざわざ」を使わない
自社にお客様をお迎えしての会議の際、つい「本日はお忙しいなか、わざわざお越しくださいまして誠にありがとうございます」などと言ってしまいがちです。しかし三上さんによれば、こうした際のわざわざはNGなのだそうです。
「わざわざは、その後ろに『~しなくてもいい』というニュアンスが伴う表現ですので、使わない方が賢明ですね。シンプルに『本日はお忙しい中、お越しくださいまして誠にありがとうございます』と表現しましょう。
さらに『こちらまでは迷いませんでしたでしょうか』や『この辺りは初めてでいらっしゃいますか』などと聞いてあげることで、気配りも表現できますし、会議前の雑談のきっかけにもなります」(三上さん)
わざわざは特に、遠方からのお客様に対して使ってしまいがちですよね。その場合はより、「遠方からわざわざ来なくていいのに」というニュアンスが強まって受け止められてしまうこともあるため注意しましょう。
■5:議論が白熱し過ぎたら「意見を復唱して」クールダウンさせる
会議では、ともすれば議論が白熱し過ぎて、口喧嘩状態になってしまうこともあります。そうした場合、どう対処したらいいのでしょうか?
「客先との会議ではあまりないでしょうが、自社内の場合は、感情的にぶつかり合ってしまうケースはまれにあります。その場合、いい頃合いを見計らって『すみません、ちょっと確認させていただきたいのですが、いいですか』と聞き、了承が得られたら『Aさんがおっしゃっていることはこういうことで、Bさんはおっしゃっているのはこういうことという理解でよろしいでしょうか?』と、意見を復唱し、論点の交通整理をしてあげるようにします。
自分の意見や言葉を他者に復唱されると、客観的な視点も持てクールダウンにつながります。ですから、高ぶった感情も落ち着き、その後はもっと冷静な話し合いになるでしょう。こうした仲裁役を、誰も買って出る様子がなければ、自ら率先して行うようにして、時間の無駄を省き、より実りのある会議にしましょう。
また、会議での発言では、『それは違うでしょう』など、相手の意見を頭ごなしに否定する物言いは、感情を刺激するため禁物です。『〇〇さんはそのような意見なのですね、この部分は確かにそうかもしれませんね、私はこう思うのですがいかがでしょうか』などのように相手の意見も尊重した発言を心がけましょう」(三上さん)
男性同士の白熱バトルの場合、女性はなかなか割り込みにくいもの。ですが、そういうときはバトルを展開している側も「そろそろ助け船がこないかな」と思っていたりもしますよね。仲裁すればきっと後から「あのときは助かったよ」と感謝されるはずです。
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打ち合わせ中の一言に気を配れば、日ごろのビジネスシーンでは見せられない、あなたの隠れた魅力を思う存分アピールできる機会になります。三上さんからのアドバイスを参考にしてコミュニケーションスキルを磨き、会議室の中でも評価を上げられるようにしていきましょう!
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 町田 光