ミドル世代のほとんどが悩まされる髪の毛の悩みといえば、「白髪」。
一度増えてしまうと、頻繁に白髪染めを行わなければいけないなど、手間もお金もかかってしまいます。そんな白髪、できるだけその増加を防ぐ方法などはないのでしょうか?
多くの女性の髪や頭皮に毎日触れている美容師の見地と、体の悩みを医療行為を用いて解決する、医師の見地。この両面から、白髪のメカニズムに迫ります。
今回は8万人以上の女性のヘアスタイルを手がけて、多くの有名人の担当もする美容師の渋谷謙太郎さんと、その技術力の高さで多くの女性の支持を集めている形成外科医の丸山直樹さんに、白髪の原因や予防について、対談形式でうかがいました。
白髪のメカニズムは解明されていない!?
--渋谷さん、丸山先生、よろしくお願いいたします。今回は、白髪のメカニズムや対策についてお聞きできればと思います。
渋谷「どうして白髪が出てきてしまうのか、という部分についてはまだはっきり解明されていない、ということを聞いたことがあります」
丸山「そうですね……。白髪は加齢とともに出てきてしまうものなので、完全に防ぐということはなかなか難しいですね」
渋谷「ヘアサロンのシャンプーなどでも、白髪用のシャンプーがあるのはあるのですが、それがどの程度白髪に効果があるのかと言われると、そもそも白髪のメカニズムがはっきりしていないので、なんとも言いがたいです」
丸山「ビオチンというビタミンB群の薬があるのですが、それを摂取していると、白髪が減って髪が黒くなるというのは聞いたことがありますし、実際に目にした印象もそうですね」
渋谷「それは白髪のためのサプリなんですか?」
丸山「いえ、本来はニキビや湿疹、脂漏性皮膚炎などの治療の際に処方されるものです。白髪治療のための医薬品ではありません。保険診療としての適応はありませんが、白髪のために処方してもらうには自費診療で処方されるぶんには、問題ないかと思います」
白髪を防ぐには『老けない生活』をする
--なるほど……やはり白髪に関しては現在解明されていることが少ないのですね。そんな中でもやはりできるだけ白髪を防ぎたい! という人は多いですよね。
丸山「加齢で白髪が増える人が多い、ということは、細胞の働きが落ちていることが白髪の増加に関係しているのは間違いがないのです。そうなるとやはり『老けない生活』を心がけることが大切だと思います」
--『老けない生活』と言いますと?
丸山「肌や爪、髪というのは、『体内の健康状態を外に表している場所』だと言われています。動脈硬化や糖尿病など、血行が悪くなる病気にかかってしまっている人というのは、やはり肌や髪も老けて見えるのですよね。白髪を意識するだけではなく、好き嫌いをしない、血行をよくしてストレスを溜めないなど、自分自身の体全体の健康を意識しながら生活することが重要です」
渋谷「血行を悪くする、という観点で言うとタバコもNGですよね。最近多くの人が使っているIQOSなどの電子タバコはどうなのですかね?」
丸山「やはり、電子タバコも一緒だとは思いますね……。白髪そのもののメカニズムがはっきりしないので、健康や美容に影響を及ぼしそうなものを控える、ということくらいしか言えないのが、現状ですね」
渋谷「そうですよね。血行をよくすることが皮膚の老化を防止することに作用すると考えれば、美容院で行えることといえば、ヘッドスパですかね」
丸山「そうですね、現状はっきりと白髪に効く! というものではないかもしれませんが、細胞の老化を防ぐことが、白髪の予防になると考えれば、血行を促進してくれるヘッドスパなどはよいかもしれません」
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科学的にそのメカニズムがはっきりと解明されていない白髪。
ただ老化現象の一種である白髪の発生には、やはり見た目だけではなく、体内からアンチエイジングや健康に気をつけていくことが大切なのですね。
まずは、できる部分から、体内の美しさを意識して生活してみましょう。
次回は「美容室でできる白髪対策の最前線」に迫ります。カラー剤の選び方、上手に白髪を隠すヘアスタイルなどを、渋谷謙太郎さんに提案していただきます。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- EDIT&WRITING :
- Rina Onodera