「最近髪がパサついてきた」「髪がまとまりづらくなった」など、悩んだりしたことはありませんか? そのお悩み、「乾燥する冬だから…」といった季節のせいだけではなく、実はすべて「髪そのもののダメージ」からきているものかもしれないのです。

とは言っても、実は髪の痛みの原因は人それぞれ。美容師歴20年以上のキャリアを持ち、芸能人のヘアメイクなども手がけるプロ中のプロ・渋谷謙太郎さんに、髪の痛みに合ったケア方法について、根掘り葉掘り伺ってきました。今回は特に「髪のキューティクルの損傷に対するケア方法」をクローズアップします。

渋谷謙太郎さん
ヘアサロンair(エアー)執行役員ディレクター兼air-OMIYAプロデューサー
(しぶや けんたろう)20年以上のスタイリスト経験の中で、常に新しいものに挑戦し続けるスタイルで、多くのマスコミ、メディア方注目されている。高い技術力で、モデルやタレントなどからも絶大な支持を集めている。
ヘアサロンair

髪の毛の構造は「のり巻き」と一緒!? 

ダメージを知るには、まず髪の毛の構造を理解して!

「髪のダメージを抑えるには、まずその原因を把握しなければいけません」

そう語る渋谷さん。まずは、ケア方法の前に、ダメージの原因について知る必要がありそうです。

--ダメージの原因、というと、やはりカラーやパーマが真っ先に思い浮かびます。それ以外にも髪が傷んでしまう原因はあるのでしょうか?
渋谷謙太郎さん(以下、渋谷)「髪というのは三層構造になっていて、外側から、キューティクル、コルテックス(タンパク質)、メデュラという構造になっています。ちょうど、お寿司屋さんでいただく”のり巻き”のようなものを想像してもらえればわかりやすいですね。
キューティクル=のり、コルテックス=お米、メデュラ=具の部分、といった感じです。
そして、どの部分がどのように傷んでいるか? で、ケア方法が異なってくるんです。痛みの種類としては3つ、キューティクルの損傷、コルテックスの損傷、コルテックスの熱変性です」

それぞれの髪の層のダメージ、その原因は?

損傷して毛羽立ったキューティクル
--のり巻き、と言われると想像しやすいですね。それではそれぞれの傷みの原因は何なのでしょうか?
渋谷「まず、キューティクルの損傷の原因はパーマやシャンプー、ダオルドライやブラッシングです。すきバサミなどでのカットも原因になりますね。
コルテックスは髪のタンパク質の部分、ここの部分の損傷の原因は、カラーなど、美容室の薬剤です。アルカリ性の薬剤に反応して傷んでしまうのです。
そして、最後にコルテックスの熱変性ですが、これはヘアアイロンやドライヤー、ストレートパーマやデジタルパーマなど、熱を加えることでタンパク質が熱変性を起こしてしまい、髪の芯の部分までダメージが及んでしまいます」

自分の髪が「どこまで傷んでいるか」の見分け方は?

キューティクルが損傷した髪の毛。パサつきが目立つ
--それぞれの原因を並べても、自分の髪がどこまでダメージを受けているのか? という部分はなかなか判断がつきにくいですね……。自分でできる簡単な判断方法はありますか?
渋谷「そうですよね。自分でも見分けられる方法としては、
・キューティクルの損傷=パサつきが目立ち、髪にチリチリ感がある
・コルテックスの損傷=ごわつきが出る、髪がうねるようになる
・コルテックスの熱変性=髪が固くなる、引っかかりやすくなり指やブラシの通りが悪くなる
と見分けてもらえると、わかりやすいです。
まずは自分の髪にどの症状が出ているかを判断し、痛みの段階別にケアしていくことが大切ですね」

普段のブラッシングもキューティクル損傷の原因に!

普段のブラッシングがキューティクル損傷を引き起こすことも!

さて、それぞれのダメージの見分け方や原因はわかったところで、今回の本題「キューティクルの損傷に対するケア方法」について聞いていきます。

--先ほど、キューティクルの痛みの原因にブラッシングがあるとおっしゃっていましたが、どのようなブラッシングが痛みにつながるのでしょうか?
渋谷「髪って濡れた状態のときが、いちばんもろい状態なんですよ。そういった時に強引に髪をとかして圧をかけてしまうと痛みにつながります。
また、古いブラシを使うこともキューティクルをはがす原因になってしまいます」
--髪をブラッシングするときのコツや、ブラシの選び方のコツはありますか?
毛先から徐々にブラシを入れていくのがポイント
渋谷「まず、毛先からブラシを入れて、髪をときほぐしていくこと。また、できれば髪がぶれている状態のときは目の荒いコームを使い、乾いている状態のときは、ぶた毛のブラシを使用するのがベストですね!」

キューティクルを傷めない、タオルドライの方法は?

髪が濡れた状態のタオルドライは要注意!
--ブラッシングだけでなく、タオルドライも多くの人があまり気に留めず行なっているものの一つですよね。どのようなタオルドライが、キューティクル損傷の原因になるのでしょうか?
渋谷「タオルドライも基本的にはブラッシングと同じ原理で、髪が濡れていてもろい状態のときにゴシゴシ圧をかけてしまうことで、キューティクルを傷ませてしまいます。
カラーやパーマをしている人は、タオルをゴシゴシドライしてしまうことで、髪が絡まりやすくなってしまうので、より注意が必要です」
--実際、ごしごしとドライしてしまう人は多いですよね。正しいタオルドライの方法というのはあるのでしょうか?
根元→毛先へと徐々に水分を取っていく
渋谷「まずはタオル選びから、ですね。固いものより、ソフトで吸収力の高いタオルを使用することをおすすめします。
そしてブラッシングとは逆に、タオルドライは根元から! そのあとに毛先は揉み込むように優しくしっかりと水分をとります。髪の毛は、根元から毛先に水が流れる構造になっているので。
絡まりが気になる場合は、先にコームでほぐしてからタオルドライをするといいですよ」

勘違いだらけのシャンプーがキューティクルを傷める?

シャンプーの方法も間違いだらけかも?
--シャンプーもキューティクル損傷の原因になるというのが意外でした。どうしてシャンプーがキューティクル損傷の原因になってしまうのでしょう?
渋谷「まず、多くの人が勘違いしているのですが、シャンプーは『髪を洗うというよりも、頭皮を洗うもの』なのです。
なので、髪はできるだけソフトに洗うべきなのですよね。毎日洗っていると傷んでいってしまう、洗濯物と同じような感じで考えてもらうといいと思います」
--「シャンプーは頭皮を洗うもの」というのは、多くの人が分かっていない部分ですね! そのシャンプー選びも、キューティクルの痛みに対して効果的なものなどがあるのでしょうか?
渋谷「最近はノンシリコンやオーガニック系などのシャンプーが流行っていますよね。特にオーガニック系などはなんとなく髪に優しい響きがありますが、人によっては一概にそれがいい!とも言い切れない部分があるんですよ。
カラーやパーマをしている人は、補修機能の強いアミノ酸系のシャンプーのほうが、合っていたりします」
--そうなのですね、シャンプー選びに関しても、自分の髪の状態を把握して選ぶことが大切なのですね。シャンプーの方法については、気をつけるべきことはありますか?
渋谷「先ほどもお伝えしたように、シャンプーは基本的に頭皮を洗うものなので、頭皮はしっかり洗い、髪はもみ洗いでなるべく擦り合わせすぎないように洗うということに、気をつけてほしいですね。シャンプーは洗う前にしっかり泡立てておくことです。
そして、補修機能を閉じ込めるためのコーティング剤であるリンスやトリートメントは、忘れずにすること! ですね」

キューティクルに効果的なサロンでのケア方法は?

キューティクルの補修にサロントリートメントは効果的
--これまでは自宅でのケア方法を聞いていましたが、キューティクルの損傷に対してサロンでできるケアはどのようなものがあるのですか?
渋谷「サロンだと、キューティクルの損傷にアプローチできるケア方法はたくさんあります。
まずは多くの人がイメージするようにトリートメントですね。キューティクルがはがれてしまうと、髪内部のタンパク質も逃げてしまいます。サロンでのトリートメントは、まずはしっかりと内部を補修したあとにコーティングするので、キューティクルだけではなく髪内部のケアにも効果的です。
あとは意外に思われるかもしれませんが、透明なヘアマニキュアも、コーティング力、持続力ともに高いのでおすすめですね」

ほかにも、キューティクルの痛みへのアプローチは「外側から艶出し系オイルでの補修なども効果的です」と渋谷さんは話します。

あらゆる年代の女性たち、延べ人数8万人以上の髪の毛をカットしてきた渋谷さんが語るケア方法は、これまでの自分のヘアケアの至らなさに、ハッとさせられることがたくさん。日常的に髪をいたわるべきポイントは、たくさんあることに気づかされます。

次回は、キューティクルケアに続き、「コルテックスの損傷に対するケア方法」をうかがいます。

この記事の執筆者
(しぶや けんたろう)ヘアサロンair(エアー)執行役員ディレクター兼air-OMIYAプロデューサー。20年以上のスタイリスト経験の中で、常に新しいものに挑戦し続けるスタイルで、多くのマスコミ、メディア方注目されている。高い技術力で、モデルやタレントなどからも絶大な支持を集めている。
公式サイト:air
EDIT&WRITING :
Rina Onodera