いよいよ焼き芋の季節が到来。ほくほくとして甘みがたっぷりの焼き芋に出合えると一気に得した気分になりますよね。毎年、この季節になると食べたくなりますが、今年は、よりおいしくて甘い焼き芋をいただいてみませんか? 今回は、その最高においしい焼き芋の条件を、焼き芋専門店ふじの店主である上原浩史さんに伺いました。

最高に甘くておいしい焼き芋の条件

まずは、ずばり最高に甘くておいしい焼き芋の条件について上原さんに教えていただきました。

今年も焼き芋の季節がやってきました

原料となるさつまいもの品種

「基本的に、焼き芋にすると、二種類の甘みや食感に分かれます」

・ねっとりしたやわらかな焼き芋…安納芋、紅はるかなど
・ほくほくして歯ごたえのある焼き芋…紅あずま、鳴門金時など

「名前に“金時”と付くさつまいもは、ほくほくとしっかりした焼き芋になります。これはどちらがおいしいというより、好みに分かれるところです」

食べる時期(熟し度)

「秋より冬のさつまいものほうが熟して甘くなります。さつまいもは一年中流通していますが、秋に一気に収穫してしまいます。ですから今の時期は“新芋”、つまり堀りたてで、糖度が上がってない状態。そのまま寝かして熟成させるとどんどん甘くなっていきます。ただ、昔ながらのほくほくとしたやわらかすぎない焼き芋のほうがお好みの方は、早めに食べていただくのもよいかと思います。ほくほくしていたほうがお腹がいっぱいになりますしね」

焼く温度と焼く時間

「さつまいもが甘くなるのは、βアミラーゼという酵素が、さつまいものでんぷんを分解して糖をつくるため、ということが分かっています。しかしβアミラーゼが糖をつくるには、60~75度くらいの温度帯を10分くらい通過する必要があるといわれています。ですから、焼き芋で甘みを出すには、ゆっくり焼くことが条件。例えば、当店では業務用オーブンを使用していますが、1時間かけて焼いています。急加熱してしまうと60~75度の温度帯を10秒くらいで通過してしまうので、甘くない焼き芋になってしまいます。ただ時間をかけすぎても、水分が飛びすぎてしまうので、おいしさという意味では減ってしまいます。全体の焼き時間はさつまいもの太さによって変わりますが、糖度を増すには『70度前後を10分通過させる』ことが必要です」

食べる環境でおいしさが変わる?

「焼き芋は、真冬の寒い中で熱々のものをいただくと、格別においしく感じるものです。また秋でも外でいただくのはおいしいですよね。食べる環境も重要な条件だと思います」

焼き芋を自宅でおいしくつくるコツ!

おいしく甘い焼き芋の条件が分かったところで、今度は自宅で挑戦してみようと思う方もいるかもしれません。そこで上原さんにヒントをいただきました!

何事もベストな時期があります

できるだけさつまいもが熟した冬につくる

「秋の時期にさつまいもを購入したら、1か月くらい寝かせておくこと。またできるだけ冬に食べたほうが甘くなります。また、熟しているほうが火が通りやすくなるので、焼き時間が少なくて済みます」

細い芋をトースターで30分焼く

「電子レンジは急加熱するため、やはり甘みが少なくなります。そこでおすすめなのが、細い芋をトースターで30分かけて焼くこと。さつまいもは細いか太いかで甘さは変わらないので、細い芋なら火が通りやすいので、家庭用トースターなら30分くらいで焼きあがります。焼き上がりの目安は、ようじや竹串が通ればOK。もちろんオーブンレンジがあれば太さに応じて温度や時間を設定して焼くこともできます」

贅沢な焼き芋ってあるの?

ところで、Precious.jp編集部としては、「最高に贅沢で高価な焼き芋」が存在するのかどうかが気になるところ。上原さんに聞いてみました。

よりプレシャスな焼き芋を

真冬に外で、そのままもしくは生クリームで

「やはり熟して甘い1~2月ごろにいただくのが最も贅沢といえるかもしれません。食べる場所も外で寒い中、ほくほくいただくのが贅沢ということもあります。そして食べ方は、もちろん、そのまま何もつけないのが一番の贅沢と言う方もいます。もしトッピングで考えるなら、生クリーム(ホイップクリーム)がよく合うと評判が高いですね。焼き芋はクリームやアイスなどの乳脂肪分と合うみたいです」

さつまいもの高い・安いはあまりない

「数年前までは安納芋が贅沢で高価といわれていましたが、今では広く流通するようになり、比較的手軽に手に入るようになってきました。また、徳島県産の鳴門金時などは東京ですと輸送コストがかかり、価格が高くなることがあります。基本的には、さつまいもの品種による値段差はほとんどありません。流行すれば多くの農家がそのさつまいもをつくるので、たくさん流通して価格が下がります」

珍しい品種もレアな意味では贅沢

「当店ではハロウィンスイートやにんじん芋などのちょっと変わった品種の焼き芋も取り扱っていますが、これらもレアという意味では、ある意味贅沢かもしれません」

いかがでしたか? 甘くておいしい焼き芋の条件は、
1. 熟した冬に食べること
2. 70度前後を10分くらい通過させること
3. 外でいただくこと

でした。また、ねっとり系かほくほく系かはお好みで選んでみましょう。

問い合わせ先

  • 焼き芋専門店ふじ 
  • 営業時間/10:00~18:00(6月~9月)、10:00~19:00(10月~5月)
  • 定休日/木曜
    TEL:03-6413-7215
    住所/東京都世田谷区豪徳寺1-7-11
この記事の執筆者
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WRITING :
石原亜香利
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