「数寄屋橋サンボア」から夜が始まる
名人芸で作るハイボール

銀座のバーにしては珍しい路面店。これまた異例のガラス窓は、しゃれたカフェのようだ。灯ともしどきにこの窓に写る銀座を肴にやる食前の一杯は、絶品リストのトップに君臨する。
同じ角瓶、同じウイルキンソン・ソーダ、同じレモンピールだが、どう飲むか、どこで飲むか、いつ飲むかで味は変わる。そういうコツのようなものを自分の金と時間をかけて、じっくり身体化していくことが大人の男のスクーリングではないだろうか。それはむろん酒事だけのことではない。
大正7年に神戸で創業したサンボアは現在関西を中心に13店が営まれる老舗中の老舗のバー。それぞれが独立経営でやっている緩やかな連合体である。津田さんのように新たにサンボアを名乗るには、一軒の店で10年以上の勤続と全店の経営者からの承認が必要なのだそうだ。
この世には守るべきものがある。白いバーコートが素敵な津田さんを眺めながら、 この店に通う喜びを噛み締めたい。
※2011年春号取材時の情報です。
関連記事
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
Faceboook へのリンク
Twitter へのリンク