「数寄屋橋サンボア」から夜が始まる

名人芸で作るハイボール

椅子席もあるがサンボアの基本は立ち飲み。きりっとしたドライマティニのごとく水際立った姿勢で飲んでいただきたいというのがぼくからのお願いだ。銀座のバーというと敷居が高いと思われるかたも多いが、この店は実にフラット。土曜や祝日はカップルや女性客もカジュアルに楽しんでいる。メニューにはエスプレッソだってあるのだから。2月には浅草にも店ができるなど、正統派サンボアスタイルの評価は高い。住所:東京都中央区銀座7丁目3-16 東五ビル1F、TEL:03-3572-5466、営業時間:17:00~2:00(土祝14:00~22:00)、日曜日定休

銀座のバーにしては珍しい路面店。これまた異例のガラス窓は、しゃれたカフェのようだ。灯ともしどきにこの窓に写る銀座を肴にやる食前の一杯は、絶品リストのトップに君臨する。

同じ角瓶、同じウイルキンソン・ソーダ、同じレモンピールだが、どう飲むか、どこで飲むか、いつ飲むかで味は変わる。そういうコツのようなものを自分の金と時間をかけて、じっくり身体化していくことが大人の男のスクーリングではないだろうか。それはむろん酒事だけのことではない。

大正7年に神戸で創業したサンボアは現在関西を中心に13店が営まれる老舗中の老舗のバー。それぞれが独立経営でやっている緩やかな連合体である。津田さんのように新たにサンボアを名乗るには、一軒の店で10年以上の勤続と全店の経営者からの承認が必要なのだそうだ。

この世には守るべきものがある。白いバーコートが素敵な津田さんを眺めながら、 この店に通う喜びを噛み締めたい。

※2011年春号取材時の情報です。

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