睡眠への関心が高まっている一方で、大人女性は十分な睡眠時間を確保できていないという厚生労働省発表のデータ※があります。良質な睡眠をとることは、美容と健康のためにも不可欠です。健やかな睡眠を支えるアイテムのひとつとして、今回は「枕」に着目。パラマウントベッドの“枕隊長”こと丸山朋子さんに、快適な枕選びのポイントを教えていただきました!
※平成29年度国民健康・栄養調査結果
全世代のうち最も睡眠時間が短い40歳代女性
——最近は、睡眠の質を気にする方が増えているかと思います。
丸山さん:そうですね。眠りに関心をもたれる人は以前よりも多いように思います。こちらのショールーム・パラマウントベッド 眠りギャラリーTOKYOにも、若いご夫婦や働く女性のお客様が増えています。枕を何回も買い換えていて「いい枕に出合えない」と相談される方も多いですね。
厚生労働省が発表した「国民健康・栄養調査結果(平成29年度)」※というデータがあります。全体として、1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満の割合が最も多くなっています。6時間未満の割合を見ていくと、男女ともに40歳代が一番多くなります。なかでも、睡眠時間が6時間未満の割合は40歳代男性の48.5%に対して、40歳代女性は52.4%と少し割合が高く、「睡眠負債」を抱えている人が多い可能性があることが分かりました。ちょうど、家事や育児、仕事と忙しい世代でもありますよね。
※1日の平均睡眠時間(20歳以上、性・年齢階級別)
——そうなんですね。改めて、睡眠時における枕の役割について教えていただけますか?
丸山さん:枕=頭を支えるもの、と考えがちですが、実は首を支えることも大切な役割です。
枕はあくまで「良い睡眠づくりの一役」です。枕を変えたら、肩こりや不眠が解消される!と思われてしまうこともあるのですが、枕だけで全ての体の不調が解決できるわけではないんです。枕やマットレス、空間といった睡眠環境と生活リズムを整えることで、良質な睡眠ひいては健康に繋がっていきます。
自分に合った枕選びのポイントを解説
——なるほど。自分に合った枕、というのはどのように判断したら良いのでしょうか。
丸山さん:理想的な寝姿勢の状態は、首に負担がかかっておらず、かつ寝返りしやすい状態です。寝たときに「違和感を感じない枕かどうか」という基準で枕を選ぶと、理想的な寝姿勢に近づけることができると思います。
横向きで寝る方も、仰向けで寝る方も、まずは普段の入眠時の姿勢で試してみてください。ショールームでご紹介していると、「家ではもう少し高さのある枕を使っている」というお客様が非常に多いですね。“違和感を感じない枕”は、ご自身が思っている以上に低い場合もあるんです。
以上のほか、「首にシワが寄っていないか」「呼吸がしやすいか」「リラックスできるか」という点もチェックしてみてください。
そして、「寝返りのしやすさ」もポイントです。あまり知られていないですが、誰もが睡眠中無意識に寝返りをしているんです。ひと晩でだいたい10~20回ほど寝返りをしています。横になるだけでなく、何回か寝返りをして「違和感なくスムーズに寝返りができるか?」ということも見てみてくださいね。
【枕選びのポイント】
■1:違和感を感じないか
■2:首にシワが寄っていないか
■3:呼吸がしやすいか
■4:リラックスできるか
■5:寝返りがしやすいか
——選ぶときは、きちんと横になってみることが大切なんですね。
丸山さん:はい、手で触ったり、立った状態で頭に当てるという方も多いのですが、できれば寝転んだ状態でチェックしていただきたいですね。
なかなか難しいかもしれませんが、ベストなのはご自分のマットレスや布団と同じ硬さでチェックすること。体の沈み具合で、枕にかかる圧も変わってきてしまうんです。店頭で横になったマットレスと家のマットレスの硬さが変わることで、購入した枕が実際に使うと「合わなかった」という方も少なくありません。
——肩こりやいびきといった悩みに対して、枕選びでアドバイスできることはありますか?
丸山さん:違和感なくリラックスできる自然な寝姿勢になる枕なら、首から肩にかかる負担も減り、肩こりの改善にもつながっていきますよ。呼吸がしやすければいびきの改善につながるかもしれません。
弊社オリジナルの枕「スマートフィット ピロー」は、首~肩のサポートをするために特徴的な形をしています。この枕を購入された奥様のいびきが改善したことにご主人が驚き、後日「自分も欲しい!」と店舗に足を運んでくださることもありました。
——「スマートフィット ピロー」は、どのような特徴があるのでしょうか。
丸山さん:綿、ウレタン、パッドの3構造からできています。ポリエステルの綿は、縫い目を横向きに入れることで洗濯したときによれないように、そして寝返りのときになめらかになるように設計しています。ウレタン部分には芯材を3本通していて、より快適な寝返りをサポートしてくれます。
最後に、パッドです。こちらは、折りたたんで高さを変えることもできるんです。横向きに寝る方は、こうして折りたたんだパッドでサイドに高さを持たせる、なんてこともできるんです。首から肩にかけての「ショルダーサポート」の部分は綿素材になっています。
——自分でカスタマイズできるのはうれしいですし、楽しいですね。
丸山さん:そうですね。自分自身で調整していただく枕なんです。ご自宅で、睡眠環境が整っている状態で簡単に微調整いただけます。女性は特に、ホルモン周期で体調も変わってきますよね。客観的にはご自身に合った高さだったとしても、感覚的な部分で高く感じたり、硬く感じたりやわらかく感じたりすることもあると思います。ウレタン以外はすべて洗濯することができますよ。
——快適に使うことのできる枕の寿命はどのくらいなのでしょうか。
丸山さん:枕は、基本的に消耗品です。ご使用状況にもよるのですが、良い状態で使っていただけるのは2、3年ほどです。毎日使うものなので、ウレタンや綿などがどうしてもへたってきてしまうんですよね。この期間を目安に、定期的に見直してみると良いと思います。
睡眠は人生の約3分の1の時間を占めています。睡眠の役割は、脳と体を休ませること。良質な成長ホルモンが適切に分泌することで、細胞の新陳代謝が促され老廃物を排出してくれるため、美肌やダイエットにも効果的です。ご自分に合った快適な寝室づくりのひとつとして、枕選びを楽しんでいただければと思います。
心と身体の健康に欠かせない睡眠。忙しく睡眠時間を確保しづらい大人女性こそ、眠りの質を高め自分を労わりたいものです。良質な睡眠環境づくりのひとつとして、枕から見直してみるのはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- パラマウントベッド 眠りギャラリーTOKYO
- 営業時間/10:00〜19:00
- 休館日/不定休
- TEL:03-5250-1515
- 住所/東京都中央区京橋1-6-1 三井住友海上テプコビル1F
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- EDIT :
- 八木由希乃