無自覚のうちに起きてしまううっかりミス。それが発覚したとき「普段はできているから大丈夫」「おっちょこちょいな性格だから」と、軽く考えてしまっていませんか? 実はそのミスの原因が、実は自分の朝の過ごし方にあるとしたら、どうでしょうか。

仕事術に詳しい経営コンサルタントの中島孝志さんは「出勤したばかりの時間は体と脳が仕事モードになっておらず、ミスが起こりやすい」と言います。

「早起きは三文の徳」ということわざがあるように、早起きを心掛けることがよいのはわかっているけれど、ついつい朝寝坊をしてしまう人は多いはず。以下から、うっかりミスを誘発してしまう恐れがある、よくない朝の習慣を紹介します。うっかりミスには、相応の原因があると考えを改め、日々の習慣を見直してみましょう。

うっかりミスしやすくなるのでやめた方がいい5つの朝習慣

■1:遅刻ギリギリの時間に起きるのはNG

遅い時間までダラダラしていませんか?

朝寝坊は、うっかりミスを招きやすいNG習慣の代表格。遅刻ギリギリの時間に目が覚めて、慌てて準備をして部屋を飛び出す……なんていう経験は、誰にでもあるのではないでしょうか? 中島さんは、出勤時刻の3~4時間前には目覚めておくことをおすすめしています。

「例えば機械でも、スイッチを入れた直後はトップスピードになりません。アイドリングタイムが不充分だと、不具合が起こりやすくなるものですが、これは人間にも当てはまります。

出勤したばかりの時間帯は、体と脳がまだ仕事モードになっていません。ですから、午前中はメールのチェックや返信のような作業を行い、うっかりミスを起こしたくない重要度の高い作業は、午後に取り組むようにするとよいでしょう」(中島さん)

夜ふかしをしてしまって寝坊した日ほど、注意力が散漫になるもの。日ごろから早起きを心掛けるのはもちろんですが、万が一寝坊してしまったときは、どの作業から取り組むかを冷静に考えてから動くことで、うっかりミスを減らせるでしょう。

■2:身体を動かさないのはNG

朝の運動は脳へのいい刺激になる!

運動不足が心身の健康によくないということは、よく聞く話です。中島さんによると、朝にほとんど身体を動かさないのもまた、うっかりミスを招く原因のひとつなのだとか。

「早起きをしてウォーキングをすると脳がスッキリ目覚めます。私の場合、毎朝4時に起きて約1時間のウォーキングをするのが日課。8~10kmほどの距離をかなりの早足で歩くので、びっしょり汗をかきます。体を動かして汗を流すことで、心身のリフレッシュにもなるのです。

ウォーキングの際におすすめなのが、落語やお笑いなどを聞きながら歩くこと。なぜなら人の話を聞くことや笑うことは、脳へのいい刺激(栄養)になるからです」(中島さん)

とはいえ、最初は朝の運動が苦にならないよう、無理のない範囲で始めるのがよいでしょう。ウォーキング中は、落語やお笑いを聞くほかに、英会話のリスニングや仕事に関わるニュースを聞くなど、興味を持って楽しめるものを取り入れれば、有意義な時間を過ごせるはずです。

■3:通勤に無駄なエネルギーを使うのはNG

朝に満員電車で疲労するのはなるべく避けて

毎朝の通勤ラッシュは、想像するだけでも辛いですよね。満員電車の中で過ごす時間は、肉体的にも精神的にもくたびれてしまいます。この疲労感が、うっかりミスを引き起こす原因に……。

「出勤時間はノーペイワーキングタイム、すなわち報酬が支払われない労働時間と呼ばれています。出勤までに体力を消耗してしまうのは、まったくの無駄です。

体力のロスを減らすためには、満員電車を避けること。いつもより早い時間の電車に乗り、座って通勤できるようにしましょう。もし自宅から会社まで遠いのなら、会社のそばに引っ越すことを検討してみてください。毎朝通勤ラッシュに巻き込まれる苦労から解放されることを考えれば、充分な見返りがあると言えるでしょう」(中島さん)

最近は24時間利用できるジムや早朝も営業しているカフェがたくさんあります。いつもより1~2時間早く家を出る習慣を身につければ、通勤ラッシュのストレスから解放され、ジムやカフェでの朝活にも取り組めるので、一挙両得ですね。

■4:その日にやるべき仕事を自筆で書き出さないのはNG

パソコン画面上で確認するだけではダメ!

毎日出勤したらまず何をする、その次はこれ……という具合に、その日やるべき作業は明確になっていますか? やるべき作業が明確でない人ほど、急に入った別の作業に気を取られ、結果としてミスをしてしまう可能性が高くなるので、要注意です。

「自分の作業をしている最中に、急ぎだという別の仕事を頼まれるのは、会社ではよくあること。しかし、そうした作業に振り回されていると、うっかりミスをしやすいだけでなく、効率も上がりません。

そこで毎朝今日やるべきことを手書きでリストアップし、重要度の順にナンバリングして管理しましょう。そうすれば、周りから別の仕事を頼まれても『今こういう状況なのですが、どのくらい緊急ですか』などとコミュニケーションを取ることができ、上司からの無茶振りも回避できます。

さらに、小さめのホワイトボードを利用して、自分の仕事状況が周りの人にもわかるようにしておくと、より効果的です」(中島さん)

仕事に追われている状態だと、目の前の作業まで散漫になりがちです。出勤したら、まず今日やることを、優先順位をつけてリストアップしておけば、急な仕事が舞い込んだときも冷静に対処できるでしょう。

■5:自分に合うピークマネジメントができていない

集中して取り組める時間を知ることが重要

昼過ぎからエンジンがかかる、夜のほうが集中して仕事に打ち込めるなど、誰でも自分に合った時間の使い方があるもの。

このように、自分にとって最適な仕事のピークを知り、それに合わせて行動することをピークマネジメントといいます。このピークマネジメントがうまくできていないと、大事な作業のときに集中できず、うっかりミスをしやすくなってしまうのだとか。

「適度にインターバル(休憩時間)を取りながら、自分のピークをコントロールして、それを長く維持することが、うっかりミスを防ぐためのカギです。コツは、1日を8時間で区切って考えること。

例えば、私の場合は、(1)朝4時~12時、(2)12時~20時、(3)20時~翌4時というように3等分しています。(1)の時間は企画やアイディアを練るといった人に会わない仕事、(2)は会議や打ち合わせのような人に会う仕事、(3)は勉強や飲み会、睡眠などの時間です。

ピークの時間は人それぞれですから、自分の性分に合うようにピークマネジメントすることで、作業効率がアップするでしょう」(中島さん)

中島さんの例で言えば、朝4時に起きてウォーキングをし、リフレッシュすることもピークマネジメントの一環です。どうしても朝が苦手という人は、午後~夜にピークが来るようにコントロールできればOK。ピークでないときにミスが起こりやすいということを、しっかり頭に入れておきましょう。

疲れているときや寝不足のときなどに起こりやすいうっかりミス。仕事中に頻繁にミスをしてしまうという人は、ぜひ本記事を参考に朝の過ごし方を見直してみてください。日々の習慣を改善すれば、きっと仕事中のパフォーマンスが向上するはずです。

中島孝志さん
経営コンサルタント、経済評論家ほか
(なかじま たかし)経営コンサルタントや経済評論家、ジャーナリスト、大学・ビジネススクール講師など、多方面で活躍する仕事術のカリスマ。ビジネスパーソンのアフター5勉強会「原理原則研究会」を主宰し、全国で開催している勉強会も多数。講演・セミナーは銀行やメーカー、外資系企業などで人気を博している。著訳書は約480冊(電子書籍100冊を含む)。下記ブログは毎日更新中。
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WRITING :
上原 純
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