年をとっても、老眼や目のかすみとは無縁でいたいですよね。そのためには、ケアを習慣づけることが重要。眼科医師の平松 類先生は、視力の老化を防ぐためには「普段からのちょっとしたことで目をよくすることができて、人生までも大きく変わります」と言います。

うれしいことに、そのケアのなかには見ているだけでいいものもあるそう。「実は1日3分眺めるだけで視力が改善する、『ガボール・パッチ』という画期的な視力回復法もあるのです」との心強いアドバイスもいただきました。

以下からさっそく、毎日取り入れるべきケアをお伝えしていきます。平松先生曰く、そのケアには朝・昼・晩それぞれのタイミングに適したものがあるとのこと。本稿ではまず、朝習慣を6つピックアップ。生涯現役の目を手に入りたいならぜひ、取り入れてみましょう!

視力を老化させないために取り入れるべき「朝習慣」6選

■1:癒しの呼吸で自律神経を整える

朝はまず呼吸を整えることから始めましょう

朝起きたらまずは、呼吸法からやってみましょう。「え、視力の老化予防なのに、なんで呼吸法?」と思われるかもしれませんね。そこにはちゃんと理由があります。

「視力回復には、目周辺の筋力・血行のケアが欠かせませんが、合わせて行いたいのが自律神経の調整です。自律神経は交感神経と副交感神経がともに動いてバランスをとっています。

しかし現代人は、忙しく交感神経が過度に活発になっていて、呼吸が浅くなり血行の巡りが悪くなるアンバランスな状態につながるのです。そこで呼吸法をすることで副交感神経が活発になり、自律神経バランスが整い、血行改善と視力回復につながります」(平松先生)

<癒しの呼吸法のやり方>
(1)鼻から3秒吸って口から6秒吐く。
(2)吐くときは、ろうそくの炎を消すくらい吐き出します。
※リラックして体勢でゆったりとした気持ちで行いましょう。

起きてすぐは何をするにも労力が要ります。でも呼吸法なら、ベッドの上でも簡単にできますよね。無理なくできることから始めれば、長続きする習慣にできるでしょう。

■2:ガボール・パッチを眺めて視覚野を刺激する

ボヤけを眺めることで視力もが回復する?

ガボール・パッチとは、なんとも聞き慣れない名前です。でも実はこれ、今話題の超画期的な視力回復法なのだそう。

「下に掲載した、なにやらボヤけた縞模様、これがガボール・パッチです。考案したのは、デニス・ガボール博士という、ホログラフィーの発明でノーベル物理学賞(1971年)を受賞された科学者です。

ご覧の通り、ガボール・パッチはボヤけています。これを眺めていると、脳の「視覚野」と呼ばれる部分が刺激され、ボヤけを補正しようと働きます。この視覚野の補正力を鍛えるガボール・パッチによって、老眼・近視などの視力回復効果が高まることが、カリフォルニア大学をはじめとした、世界トップクラスの研究所による臨床結果から判明しています。

眺めながら簡単なエクササイズをするだけで視力回復が期待できるという、とても画期的な方法です。もし本格的なガボール・パッチのトレーニングをしたいという方は、拙著『ガボール・アイ』で28日間トレーニングに挑戦してみてください」(平松先生)

ガボール・パッチ画像

<ガボール・パッチのやり方>
メガネやコンタクトレンズは装着したままで行います。
(1)数パターンの模様で構成されたガボール・パッチからひとつの模様を選びます。
(2)次に、選んだ模様と同じ模様の仲間をすべて探していきます。※模様が似ていても「傾き方が違えば別模様」と判断します。
(3)すべて見つけたと思ったら、今度は別の模様を基準にして、仲間探しを繰り返します。
(4)3分〜10分を目安に続けてください。
※あまり真剣になりすぎず、ゲーム感覚で楽しんでやってみましょう。持病がある方は、ちょっとやってみて不調を感じたら中止してください。

ガボール・パッチ解答

もちろん効果には個人差があるようですが、平松先生によれば、「1か月くらい続けていると効果が出て来る方が多いようです」とのこと。ぜひ、このページをブックマークして、最低でも1か月はガボール・パッチを眺めてくださいね。

■3:ぎゅっとケアで目元の筋肉を活性化させる

お風呂の中でやってみるのもいいかも

目を直接動かすトレーニングやエクササイズを行うことで、目の周辺の筋肉が活性化されて視力回復に効果を発揮します。まずはシンプル・エクササイズを教えていただきました。

「すごく単純ですが、効果抜群なシンプル・エクササイズが『ぎゅっとケア』です。そのネーミングの通り、目をギュッと数秒つぶり、パッと目を開けます。あまり力を入れてつぶらなくても大丈夫です。ただ、開けるときはなるべく大きく開けましょう。これによって目の潤滑油となる油の分泌が促されて、視力にも働きかけます。

美容効果もあります。私たちは普段、あまりパチッと目を開けていません。このエクササイズによって、まぶたを上げる筋肉(眼瞼挙筋)を使うことができ、目を大きく見せられる効果もあります。また、上まぶたを丁寧にマッサージして血流を促してあげると、加齢によってまぶたが落ちる眼瞼下垂の予防にもなります」(平松先生)

<ぎゅっとケアのやり方>
(1)​目をギュッとつぶる。まぶたから徐々に油が出てきて、眼球を潤してくれるイメージをつくりましょう
(2)数秒つぶったら、パッと目を大きく開きます。
(3)もう一度目を閉じて、上まぶた周辺を優しくマッサージしましょう。
※あまり強く力を入れてつぶる必要はありません。 開けるときは大きく開きましょう。

■4: 目を大きくするトレーニングを行う

目をぱっちりさせれば視力も元気に

寝不足のせいか、出勤時に「目がしょぼしょぼしてる」と、気になることもありますよね。そんな朝に最適なトレーニングをご紹介しましょう。

「『ぎゅっとケア』と合わせて行えば、より目がパッチりして視力回復にも役立つトレーニングがあります。これもまぶたを上げる筋肉を使います。やり方は下で説明します。こうした簡単な日頃のケアに加えて、乾燥時には目薬を差すなどをしていれば、目と視力に若さを保つことができます」(平松先生)

<目を大きくするトレーニングのやり方>
(1)両眉毛が動かないよう両手で押さえます。
(2)そのまま、おでこの力を使わないようにして目だけを動かして下を見ます。
(3)次にそのまま今度はゆっくり上を見ます。この時にしっかりとまぶたの力を使っていることを意識します。
※どこの筋肉を使っているかを感じ取ってください。1日1回で大丈夫です。やりすぎは逆効果になります。

これでもう、寝ぼけ眼とはサヨナラできそうですね。しかも簡単なので、視力と美容の両方を兼ねた朝のアンチエイジング習慣に加えましょう。

■5:ルテインの多いほうれん草を食べる

朝のサラダでルテインを補充しましょう

視力の老化を防ぐことは、飲食習慣からもアプローチできるそう。そこで、朝食に一品加えるといい野菜を教えていただきました。

「視力回復、そして全身のアンチエイジング効果(抗酸化作用)も期待できる栄養素のひとつに『ルテイン』があります。たっぷりと含んでいるのは、ホウレンソウやケールなどの緑葉野菜です。ぜひ、これらを自宅での朝食・晩御飯に加えてみてはいかがでしょうか。」(平松先生)

他にも視力回復に利く栄養素としては、βカロテン・ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEなどがあるそうです。それらを含む食材やサプリもチェックしておきましょう。

■6:パームアイで目元の血流を促す

恋人気分でパートナーにやってもらうのもいいかも

では出勤前の慌ただしい朝に実践できる、簡単トレーニングをもうひとつ教えていただきましょう。

「視力は目の周辺の血流を促すことで改善されていきます。そこで目を温めることで血流効果が改善されます。
とても簡単な方法は、下で紹介しますが、手で目を覆うことです。これなら朝、どんなに忙しくても実践できます。ぜひ、習慣にしていってください」(平松先生)

<パームアイのやり方>
(1)両手のひらをこすり合わせて温かくする。
(2)手のひらで両目を覆って、5分程度温める。
(3)タオルを使う場合、水で濡らして軽く絞ったら電子レンジに入れ500wで40秒(40℃目安)ほど過熱して目を覆う。
※くれぐれもやけどにご注意ください。

時間があるときはぜひ、タオルを使えば気持ちよさそうですね。忙しければ、手のひらだけでも、大切な目を温めてあげて、血行を促しましょう。

視力回復、老化防止には、ガボール・パッチのような最新研究から、目のストレッチ、血行促進、栄養素でのアプローチなど、さまざまにあります。ぜひ、平松先生のアドバイスを参考にして、目と体のアンチエイジングを一石二鳥で行ってみてください!

平松 類先生
医学博士・眼科専門医
(ひらまつ るい)昭和大学医学部卒業、昭和大学大学院卒業(医学博士取得)昭和大学東病院助教、三友堂病院眼科科長、彩の国東大宮メディカルセンター眼科科長を経て二本松眼科病院勤務。NHKから民放まで多数のテレビ番組出演、メディア取材に対応している他、著書多数。近著に『1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる! ガボール・アイ』(SBクリエイティブ)がある。
二本松眼科病院
この記事の執筆者
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WRITING :
町田 光
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