年をとっても、老眼や目のかすみとは無縁でいたいですよね。そのためには、ケアを習慣づけることが重要。眼科医師の平松 類先生は、視力の老化を防ぐためには「普段からのちょっとしたことで目をよくすることができて、人生までも大きく変わります」と言います。

以下から早速、毎日取り入れるべきケアをお伝えしていきます。平松先生曰く、そのケアには朝・昼・晩それぞれのタイミングに適したものがあるとのこと。本稿では昼に取り入れるといい、通勤途中やオフィス内でさりげなく行える視力回復トレーニングなどを教えていただきました。生涯現役の目を手に入りたいなら、ぜひ以下の6つを習慣にしてみましょう!

視力を老化させないために取り入れるべき「昼習慣」6選

■1:視力アップストレッチで血行促進する

ぼーっと遠くを眺めて老眼を防ぎましょう

視力トレーニングの基本として、皆さんも「遠くを見るように」と教わっていますよね。なぜ、遠くを見るのか? 平松先生がその理由を教えてくれました。

「遠くを見てそこにピントを合わせる際に、目の筋肉のひとつである毛様体筋が動きます。ところが日ごろ私たちは、近いものばかり見て生活をしているため、この毛様体筋が凝り固まってしまうのです。

そこで遠くを見たり、近くを見たりを交互に行う習慣をもつことで、毛様体筋のストレッチになり、筋の柔軟性と血行の促進にもつながることで、視力に好影響を与えてくれるのです」(平松先生)

<視力アップストレッチのやり方>
(1)近くを見ている状態から、視線を窓の外など遠くに移します。
(2)はっきり見ようとしなくて構いません。遠くをボーっと眺めましょう。
(3)遠景をしばらく眺めたら、今度は手元にあるもの(本やスマホ等)を見るようにします。
(4)遠・近を交互にボーっと眺めることを数回繰り返してください。
※遠くも近くも、一生懸命眺めなくて大丈夫です。ボーっと眺める感覚で行いましょう。

通勤電車で立っている際に、外の景色を眺めながら行ってみましょう。いつもならスマホばかり見ているという人であれば、自分の身近な街の、意外な風景に出会ったりするかもしれません。

■2:ビーズの穴通しをして目のピント調整能力を鍛える

あえて見にくい位置で糸通しするのがミソ

スマホの文字が読みにくくなり、ついスマホを遠ざけたり、近づけたりしていませんか? そんな方に、目のピント調整能力を鍛える簡単トレーニングがあるそうです。

「大きめのビーズなど、要は小さな穴の開いたものと、糸を用意してください。デスク周辺に裁縫セットがある方は、針と糸でもOKです。これらを使った糸通し作業を、あえて少し見にくい位置、やりにくい位置で行います。そうすることで、ピント調整能力を高め、脳と体の運動をスムーズにさせていきます」(平松先生)

<ビーズの穴通しのやり方>
(1)大き目のビーズと糸を用意します。
(2)利き手に糸を持ち、反対の手にビーズを持ちます。
(3)ビーズをゆっくりと目に近づけ、ビーズの穴がぼんやりして、ピントが合うか合わないかくらいの位置で固定しましょう。
(4)その状態で糸通しをしていきます。
※ビーズの穴がはっきり見える位置ではなく、ぼやけた位置で糸通しを行ってください。

このトレーニングによって、脳と一緒になって見ようとする力がパワーアップするそうです。視力回復は、脳の働きとも大いに関係しているわけですね。

■3:ぼやっと見で毛様体筋を緩める

視界をわざとぼやかすことで視力が強化されるそう

老眼・近眼の回復においては、ピント調整能力(毛様体筋)を中心にトレーニングするのがいちばんいいそうです。そこでもうひとつ、小道具を使うトレーニングを教えていただきました。

「小道具と言っても経費は100円ほどです。100円ショップに行くと老眼鏡がありますので、それを買ってきます。そして老眼鏡をかけてわざと視界をぼやかします。5分ほどその状態を続けて、何かにピントを合わせようと頑張ってみてください。そして5分経ったら、老眼鏡を外します。

これは目のピント状態を強制的にリセットして、毛様体筋を緩めることで、本来持っているピント機能を引き出す方法で、雲霧法とも呼ばれています。1日1回だけで十分な効果が得られますので、何回もしないようにしてくださいね」(平松先生)

<ぼやっと見(雲霧法)のやり方>
(1)100円ショップで老眼鏡(+1~+2度)を購入してかけます。メガネをかけている人はそのまま上からかけます。
(2)ぼやけた視界の中で、なにかピントを合わせるものを探し、ピントを合わせようとしてみてください。
(3)5分ほどしたら、老眼鏡を外して終了です。
※目を閉じてしまうと効果が無くなりますので、目をしっかりと開けてください。何かにピントを合わせるよう頑張ってください。1日1回でOKです。何回も行わないようにしてください。

会社でメガネをひとつかけているのを人に見られたら、その姿をいじられることは必至。ですので、なるべく人気のないところでやってみましょう。

■4:ホットシエスタで血流を促進させる

温かしたタオルでホッとひと息つきましょう

筋力を鍛えるばかりではなく、目の血行促進も視力回復・老眼回避には欠かせません。会社の休憩時にできるケアを教えていただきました。

「朝習慣でパームアイという、手のひらで目を包むやり方をお伝えしました。ホットシエスタは、そのお昼版です。タオルを使って目を温め、同時に、15分程度の仮眠を加えるのがホットシエスタです。

寝ないまでも、目の上にタオルを乗せてリラックスしていれば、午後からの仕事にもリフレッシュして臨むことができます。また、血流を促進させることで、目のクマも改善しますので、美容効果も期待できます」(平松先生)

<ホットシエスタのやり方>
(1) タオルを水で濡らして軽く絞ったら電子レンジに入れ500wで40秒(40℃目安)ほど過熱して、15分程度目を覆う。会社にレンジがない場合、お湯などでタオルを絞りましょう。くれぐれもやけどにご注意ください。
(2)タオルをつぶった状態の眼の上において、そのまま15分ほどリラックスしましょう。ホットタオルをふたつほど用意して、途中で交換するとより理想的です。
(3)タオルが使えない場合は、両手をこすって温め、その両手で目を覆うパームアイで目を温めましょう。
※まぶたが腫れている、目に疾患があるなどの際はやらないでください。目を温めた後に充血しても、血行改善されたたためですので問題はありません。

ホットタオルで目を覆い、ソファで横になりながらリラックスできれば理想的ですね。昼休みに応接間などで実践してみてはいかがでしょうか。

■5:モニターを見下ろせるような位置に調整して目の状態をよくする

相手がパソコンなら上から目線でも怒られません

上から目線は人からは嫌われる代表格ですが、目にとっていいこともあるのだとか。それが長時間のパソコン作業のときだそう。

「パソコンのモニターは、並行より上から目線で見下ろすような位置関係にあるのが理想です。つまり、下目使いになるように、椅子の位置などを調整しましょう。その理由は、まばたきがしやすいから。目の状態をよくするには、まばたきが重要です。涙を分泌し目を守ってくれるからです。

モニターなどが目線より上にあると、目を見開くためまばたきがしにくくなり、目の健康にはマイナスです。寝転がってスマホを見るときも、頭を高くして、スマホ画面を見下ろす態勢をつくってください」(平松先生)

<上から目線のやり方>
(1)パソコンのモニター画面(ディスプレイ)とは40センチ以上離れるようにしましょう。
(2)顔(目線)とモニターの位置関係は、並行より、やや上からモニターを見下ろすように椅子の高さなどを調整してセッティングします。

長時間作業のときなどは、背中からお尻にかけての座り位置がずるずると下がり、気づけば上目使いでモニターを見ていたなんていうこともありますので、注意しましょう。

■6:アスタキサンチンの多い鮭を食べる

毎日、鮭やイクラが食べられたら目も幸せかも

視力ケアでは食習慣・栄養素の摂取も大切です。今回は、アスタキサンチンという栄養素をご紹介します。

「アスタキサンチンは、鮭やイクラに含まれる赤色の色素です。抗酸化力が極めて強いことが知られています。
眼精疲労の軽減の他にも、ストレス抑制、発ガン抑制など、さまざま効果が期待されています。鮭を食べる、サプリで摂取するなどで取り込むことができます」(平松先生)

<アスタキサンチンを取り入れる>
(1)食事で鮭・イクラなどを摂取する。
(2)各種のサプリメントで摂取する。

鮭もイクラもまさに冬が旬の食材。この時期に積極的に食べてみましょう。苦手な方はサプリメントをお試しになってはいかがでしょうか。

視力回復、老化防止には、筋力ストレッチ、血行促進、栄養素でのアプローチなど、さまざまにあります。ぜひ、平松先生のアドバイスを参考にして、目と体のアンチエイジングを一石二鳥で行ってみてください!

平松 類先生
医学博士・眼科専門医
(ひらまつ るい)昭和大学医学部卒業、昭和大学大学院卒業(医学博士取得)昭和大学東病院助教、三友堂病院眼科科長、彩の国東大宮メディカルセンター眼科科長を経て二本松眼科病院勤務。NHKから民放まで多数のテレビ番組出演、メディア取材に対応している他、著書多数。近著に『1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる! ガボール・アイ』(SBクリエイティブ)がある。
二本松眼科病院
この記事の執筆者
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WRITING :
町田 光
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