腰痛は、日本人の4人に1人が悩まされているそうです。腰が痛いと動きたくなくなり、気持ちまでどんどん沈んでいってしまうのが辛いですよね。

マッサージをしたり湿布を貼ったりして一時的には良くなっても、しばらくするとまた痛みがぶり返す……。そんな負のスパイラルから抜け出すにはどうしたらいいのでしょうか?

これまで4万人以上の悩みを解決してきた人気整体家の宮腰 圭さんにこの悩みをぶつけたところ、普段の癖や姿勢に原因があるケースが多いと指摘。以下から宮腰さんに教えていただいた、無意識にやりがちだけど実は腰痛になりやすくなる悪習慣をお伝えします。

腰痛になりやすい人が無意識にやっている危険な習慣6選

■1:無意識のうちに片方に体重を乗せている

腰痛を防ぐには均等に立つことが大事

立っているとき、どちらかの足に重心をかけていませんか?

「いつも片方の足にばかり体重を乗せていると、骨盤が傾いて腰が曲がります。背骨が左右に歪んだり曲がったりしていると、片方の筋肉が常に引っ張られたり、もう片方の筋肉は圧迫されたりして、慢性的な腰痛の原因になります。

人間の筋肉はもともと左右対称に初期設定されているので、腰から頭の付け根まで背骨がまっすぐに伸びていれば、どちらか一方が引っ張られたり圧迫されたりすることはありません。痛みのほとんどは、筋肉から出ています。

筋肉が引っ張られたり、圧迫されたりすることで血流が悪くなると、筋肉内の老廃物(乳酸やピルビン酸など)が排出されなくなりますので、重い・だるい・凝る・張る・詰まる・痛いといった症状を感じます」(宮腰さん)

片方の足にばかり体重を乗せるクセがある人は、足を肩幅くらいに開き、常に直立で立つことを心がけましょう。

「どんな状態でも重力に対して均等に立つことを意識していれば、下半身の筋肉が左右均等に鍛えられ、全身の骨格が筋肉から左右対称に矯正されていきます。このように骨格の歪みは骨からだけではなく、実は筋肉からでも矯正ができるのです」(宮腰さん)

電車やバスに乗っているとき、コンビニのレジや銀行で並んでいるとき、エレベーターや赤信号を待っているときなど、数分立っていなければならないときに、この方法は有効だそうです。

■2:無意識のうちに中腰の姿勢をとっている

料理するときは足を左右に広げて

テーブルの上を整理するときや床にあるものを拾うとき、どんな姿勢になっているか意識したことはあるでしょうか? 腰の筋肉だけに頼って、腰を曲げる中腰の姿勢は腰痛になりやすいそうです。

「代わりに日常すべての動作において太ももを使うようにすれば、日常生活からくる腰痛のほとんどは防ぐことができます。中腰の姿勢になるのをやめ、いちいちヒザを曲げ、しゃがんで行うようにすることがポイント。

過去には、床に落ちた綿棒を拾っただけで、ギックリ腰を起こした人もいます。つまり必ずしも重い物だけがギックリ腰の原因ではないということ。どんなに軽い小さな物でも、ヒザを曲げ、しゃがんで拾うクセをつけることが大切です」(宮腰さん)

他にも、以下のような日常動作に注意するといいそうです。

(1)もも痩せ掃除
掃除機をかけるときは、腰を前に曲げず上体をまっすぐに起こし、太ももの屈伸だけで行う。

(2)シコふみ洗顔
顔を洗うときや、歯みがきで口を濯ぐときは、シコ踏みのように足を広げて、なるべく腰を前に曲げずに済むように行う。

(3)キッチン開脚
キッチンで作業をしているときは、足を左右に広げて、なるべく上半身を低く保つ。

(4)シコふみくしゃみ
くしゃみをするときは壁などをつかむか、シコ踏みのような姿勢にして自分の両ヒザをつかみ、顔だけをゆさぶるようにする。

(5)椅子ストレッチ
椅子から立ち上がるときは、両手で椅子を支え、腕と太ももの筋肉だけで立ち上がる。また椅子に座るときにも、両手で先に肘掛けや椅子をつかみ、腕で体重を支えながら座る。

(6)ツーステップ起床
どんなに腰が痛くない時期にでも、朝起きるときは、あお向けからそのまま真っ直ぐ起きずに、いったん横向きになってから、妊婦のように肘を使って起きる。

ちょっとした動作なので、さっそく今日から習慣化していきましょう。

■3:無意識のうちに内股になっている

よくない立ち方や歩き方も腰の負担に

内股で立ったり歩いたりするのも危険!

「内股になっていると、構造力学的に反り腰や出っ尻になり、腰椎(五つの骨から成る背骨の腰の部分)の後面が接近しすぎて腰が痛くなります。解決策としては、そもそもまず内股をやめることに尽きますが、他にも立ち方を変えることで、腰の痛みが軽くなります」(宮腰さん)

そこで、腰痛にならない立ち方を教えていただきました。

「骨盤や胸部など他の部分はそのままでもいいので、おへそだけを感覚的には1センチくらい後方に引いて立ちます。注意したい点は、お尻は引かないことです。あくまでもおへそだけを引く、もしくは引くイメージをするだけでもかまいません。

その感覚がよくわからなければ、お腹の力を少し抜く、おへその力をスッと抜くだけでも、自然にお腹が凹み、反った腰も後ろに引かれます。それでも感覚がよくつかめない場合は、いったんあえて腰を反り、胸部を前方に突き出しましょう。

それから腰を2~3センチ後ろに引く方法でもかまいません。あまり骨盤は意識せずに、腰の位置だけで修正したほうが、反り腰は正しく改善されます」(宮腰さん)

骨盤を意識しすぎて後傾させてしまうと、お尻が垂れたり猫背になってしまい、かえってみっともない姿勢になりがちだそうなので、気をつけましょう。

■4:椅子からほとんど動かない生活を送っている

1時間に1回は立つように

デスクワークの人にとってはやむを得ないことかもしれませんが、長時間座りっぱなしの作業もよくないそうです。

「長時間座りっぱなしだと、大腰筋(腰椎から股関節の下につながる筋肉)が常に収縮して硬くなります。大腰筋が縮んだ状態で硬くなっていると、その反対側に位置する腰の筋肉は引っ張られて血流が悪くなります。また座っているときは、上半身の体重がすべて腰(とくに腰椎の4番、5番、仙骨)にかかっていますから、その負荷を1日中さらに何年も受け続けることで、腰の筋肉あるいは関節が音を上げます」(宮腰さん)

有効な解決策としては、1時間に1回は椅子から立って、その場で足踏みをすることだとか。

「それだけでも、腰痛の黒幕である大腰筋の筋トレと、筋緊張の解放になります。他にも、尿意はなくともトイレまで歩いて戻ってくるだけでも、腰に蓄積した負荷を緩和させることができます。なぜなら、立ったり歩いたりするだけでも、上半身の体重が股関節やヒザ、足首など他の関節にも分散されるからです。

したがって、1日を通して少しでも足踏みや歩行を行えば、そのつど腰に蓄積している負荷が、他の動かした部分にも分散され、腰にかかる負担が軽くなります。『立っているほうがラクだ』という腰痛持ちの人が多いのは、こういった理由からです」(宮腰さん)

また、椅子の肘掛けを片方だけの使っている人も要注意!

「肘掛けを使っている側の仙腸関節(骨盤の骨である仙骨と腸骨の間にある関節)がフリーズ(固着)して、腰痛が慢性化します。ですから、肘掛けを使うなら両方で使うか、もしくは肘掛けは使わずに、骨盤を立てて座ることが大切です。

長時間のデスクワークでも苦痛なく、ずっと良い姿勢のままでいられる方法は、足を前後に置いて座ることです。足を前後に置くと、後ろに置いてある足が上半身の支えになりますから、腰の位置が正座と近い状態=骨盤が立っている状態になり、長時間座っていても疲れることがなくなります。

また後ろの足が支えになることで、ずっと正しい姿勢のままでもいられますから、腰痛をダイレクトに避けることができます」(宮腰さん)

仕事が忙しいときほど、デスクから離れられなかったり、集中していて気づいたら、ずっと同じ姿勢で固まっていたり、といったことはよくあるかもしれません。でも、腰痛を避けるためには、足の位置を意識したり、1時間に一度はちょっとひと息入れる時間をつくったほうが良さそうですね。

■5:寝具の選択ミスをしている

寝返りが減ると腰痛につながる

腰痛になりやすい人は寝具選びも重要です。意外かもしれませんが、疲れている身体に合いそうな低反発の沈み込むマットややわらかい寝具も、慢性の腰痛を持っている人にはおすすめできないそう。

「あまりに沈み込んでしまうマットややわらかすぎる寝具は、腰が痛くなってしまうような体勢であっても、そのままフリーズ(固着)してしまうので、朝起きたときの腰痛が起きやすくなります。

また必然的に寝返りの回数も減ってしまいます。ですから、それよりも反発のあるマットや、やや固めの寝具を使用したほうが、寝返りも打ちやすくなるので腰痛が起きにくくなります」(宮腰さん)

さらに、セミダブルのベッドにふたりで寝ている人も問題あり。

「セミダブルのベッドは、幅が大人2ふたりには十分でないので、寝返りの回数が減ってしまいます。寝返りは、腰にかかっている負担を軽減したり、全身に血液が行き渡るように、眠っている間でも常に脳が打たせているのです。

寝返りが少ないと、局所の血流が停滞して腰が痛くなります。特に腰痛が慢性化している人は、ひと晩にどれだけの回数の寝返りを打つかが重要になるので、なるべくひとりで寝るか、ふたりなら最低でもダブルサイズの寝具を選択すべきです。そうすれば自然に寝返りの回数が増えて、腰の痛みが緩和されます」(宮腰さん)

部屋の広さにもよるでしょうし、寝具を買い換えるのは大ごとですが、もし腰痛に悩んでいるなら、ぜひパートナーと話し合って検討しましょう。

■6:靴の選択ミスをしている

よく履いている靴は大丈夫?

単にハイヒールを履いているから、というだけでなく、それ以外の靴でも自分の足に合わないものを無理して履き続けると、腰痛が治りにくい原因になるそうです。

「もちろんパーティーやイベントなど特別な場への出席の際には、多少履きにくいものを履いても問題はありませんが、それを毎日のように履いてしまうことに問題があるのです。

足元が不安定だと、それをかばうようにバランスの悪い立ち方や歩き方をしてしまうため、骨格も歪んだ状態を形状記憶してしまいます。その影響によって腰椎にカーブができたり、曲がったりして、腰の筋肉も左右のバランスが崩れ、どちらか一方にばかり負担がかかってしまうことに。

そのようなバランスの悪い状態で毎日生活をしているうちに、筋肉も偏った方向にクセついてしまい、腰痛や坐骨神経痛が慢性化します」(宮腰さん)

靴を買うときは、以下のような点を確認すると良いそうです。

<靴を選ぶときのチェックリスト>
(1)幅は適切か? 指の付け根部分の横幅が狭くてキツくないか?
(2)つま先に少し余裕があるか? 指が先端にぶつかってないか? 靴の中で指を立てて曲げてないか?
(3)立っているとすぐに疲れる履物ではないか?
(4)少し歩いただけでも疲れてしまう履物ではないか?
(5)指の付け根部分がちゃんと曲がる靴か?
(6)ハイヒールであれば、つま先に少し余裕がありつつも、カカトはぴったりとフィットしている状態か? 歩くとカカトがガバガバと外れてこないか?

すでに手元にある靴も使用頻度が高いものはぜひ、上記のポイントに当てはまっているかどうか見直してみましょう。

職場でも日常生活でも、気をつけるべきところがたくさんありましたね。それくらい腰痛は起こりやすいものだということ。まずは簡単にできそうなところから始めて、腰痛のつらさとは無縁の生活を送りましょう!

宮腰 圭さん
整体家、「骨と筋」代表、「アカデミー骨と筋」主宰
(みやこし けい)1969年秋田県生まれ。'50年代のアメリカに憧れ、テネシー州メンフィスでバンド活動に励んだのち、30才のときに音楽で生計を立てる道を断念。一転カイロプラクティックの道を志し、日本カイロプラクティックカレッジに入学。2001年より米国政府公認ドクター中島旻保D.Cのセンターに勤務。2006年に中目黒にて開業し、2010年にはスクール「アカデミー骨と筋」を開校。現在は東京・四谷にて整体院「骨と筋」を運営。これまで4万人以上の悩みを解決してきた人気整体師だが、地方や海外からわざわざ訪れる人も多いため、通院できないクライアントのためにセルフメソッドを多数開発。300種類近くもの体操を考案しており、その圧倒的数の多さから「セルフメソッドの発明王」とも呼ばれている。新刊『肩こり、首痛、ねこ背が2週間で解消!「巻き肩」を治す』『腰痛が4週間で解消!「大腰筋」を強くする』(ともにサンマーク出版)が2月下旬発売予定。
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この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
あわいこゆき